きみを送るA
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#202 [
]
「俺には見えんけど…」
「見えないはずです」
「なんで?」
「…彼は僕に…僕にしか見えないんです」
「だからなんで」
「彼は…僕を憎んでいるからです」
:07/05/08 02:40
:SH901iS
:☆☆☆
#203 [
]
憎んでいる…?
だからコウにしか見えないだと…?
《バタンッ》
「!?」
でかい音が聞こえ、
俺は音の方に目を向けた
「コウ!?おいコウ!」
目線の先には倒れているコウがいた。
:07/05/08 02:44
:SH901iS
:☆☆☆
#204 [
]
「…………僕……」
「ああ、目さめたか?」
しばらくたったあと、コウは目をさました。
「僕は?」
「急に倒れたんやで」
「…そうですか…すみませんでした」
:07/05/08 02:55
:SH901iS
:☆☆☆
#205 [
]
コウは俯き、フゥーっとため息をついたあと、
俺の顔を見上げた。
「志乃くん、僕を助けてくれますか?」
「…………え?」
「僕は今まで、誰かを信頼したり、誰かを頼ったりする事ができませんでした」
……まぁ、今までのコウを見てたらだいたいわかってたけど
「ですが志乃くん、あなたは僕を助けてくれますか」
:07/05/08 02:59
:SH901iS
:☆☆☆
#206 [
]
「……………」
「志乃くん…」
「…当たり前やろ…友達やん!」
俺は顔がカァーっと赤くなった。
コウは驚いた表情で俺を見つめた。
「………………」
「…そうですね僕たち…友達…ですね…」
:07/05/08 03:01
:SH901iS
:☆☆☆
#207 [
]
心なしか、コウも少し嬉しそうな顔をした。
「…おう、友達や」
俺はコウに向かい、照れながらもニコッと笑った。
「…初めて友達ができました」
コウもニッコリと笑い、
俺を見つめた。
「では聞いて下さい」
:07/05/08 03:04
:SH901iS
:☆☆☆
#208 [
]
長いので略します。
語り手。おなじみ柏木志乃
コウが神谷家に引き取られたのはコウが5歳の時だった。
その時、神谷家には【旬】という名の5歳の子供がいた。
コウを引き取った
つまりコウの義父、尚人、義母、正子は
旬の遊び相手を探し、コウを養子にしたという。
:07/05/08 03:08
:SH901iS
:☆☆☆
#209 [
]
「のちのちわかった事ですが、義父母は知的障害の弟のかわりの後継ぎを探していたみたいですけどね」
コウが養子になり、神谷家に入った時
旬はとても喜んだらしい。コウをお兄ちゃん、と呼び本当の兄のように慕って、常にコウにつきまとっていた。
コウも旬を実の弟のようにかわいがっていた。
:07/05/08 03:11
:SH901iS
:☆☆☆
#210 [
]
コウの義父母も
それをにこやかに見ていた…最初の頃は。
そのうち、義父母は気付いてしまった。
コウの
ずば抜けた頭の良さに。
それはコウと旬を
幼稚園に迎えに行った時だった。
《コウくん、小学三年生の数学を簡単に解いたんですよ》
その保育士の一言だった。
:07/05/08 03:16
:SH901iS
:☆☆☆
#211 [
]
義母は、その言葉を
義父に伝えた。
その日の夜、
《コウ、この問題を解いてみろ》
義父は小学四年生の問題集をコウに渡した。
コウは不思議に思いつつもすらすらと問題を解いてしまった。
《これは驚いた。コウは天才だ》
義父はその日から
コウの見る目を変えた。
そう、人間ではなく
人形として――
:07/05/08 03:18
:SH901iS
:☆☆☆
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