きみを送るA
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#441 []
足が動かない。

『コウ……っ…』

俺はコウに向かって手を伸ばす。

『コウ…!!』

届かない。それどころか
コウはどんどん離れていく

《僕は…あなたを……》

⏰:07/05/29 04:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#442 []
苦痛に耐える表情をしながら
コウは俺に向かい微笑んだ

《…僕は………》

え?なに?

《志乃くん…僕は……》

何て言ってるんや…?

《僕は…あなたを…守れま………し…た……》

⏰:07/05/29 04:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#443 []
―――………

「コウ!!!!」

俺はガバッと跳び起きた。
体中が汗でべとべとしている。

「…な…んや…夢…か」

変な夢を見たせいか
俺は呼吸が荒くなっていた

「…おはようございます」

⏰:07/05/29 04:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#444 []
「あ…おはよ…」

ムクリとだるそうにコウが起き上がり、時計を片手にとった。

「…まだ5時ですが…何の用ですか」

「は?」

コウはあきらかに不機嫌な表情で俺をじろっと見た。

⏰:07/05/29 04:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#445 []
「僕の名前を呼んだでしょう?……まさか…」

コウの目がギロリと光った

「寝言で僕の名前を呼んだんですか」

「…う………」

「…図星ですか」

「……まぁ…」

コウは朝っぱらから深いため息をついた。

「まさか僕の夢を見たなんて気持ち悪い事言いませんよね」

⏰:07/05/29 04:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#446 []
「……………」

ん?
俺なんの夢見てたっけ。

コウの名前を叫んだ事は覚えてる。だが
夢の内容は……

「出演料いただきます」

「…いくらよ」

「そうですね、僕最近バイクの免許がほしいです」

払えるかい!!

⏰:07/05/29 04:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#447 []
「ケタがちゃうやろ」

「…ではマンションを」

「ケタがちゃうわ!ケタが!!」

「わかりました。野菜生活でいいですよ」

あら、味覚戻ったん?

「それで、どのような夢を?」

⏰:07/05/29 04:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#448 []
「…忘れた」

「と、言いますと?」

「覚えてへん」

「こんなに朝早くに僕を起こすような夢を見たくせに覚えてない、ですか」

「……おー」

ほんまに何の夢やっけ…

「…志乃くんは記憶力がないんですね…髪がないから頭の中身も抜けていくんでしょうか」

⏰:07/05/29 04:58 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#449 []
「頭は関係ないやろ」

「関係あります」

コウは布団に潜り込んだ

「もう少し寝ます。おやすみなさい」

「…おやすみ」

俺は額から流れる汗をぬぐい、再び眠りについた。

⏰:07/05/29 05:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#450 []
【第22章 幕開け】

《時間です》

《起きて下さい》

《時間です》

「…う〜……ん」

《起きて下さい》

「……うるせ〜…」

って………

「なんや!?」

⏰:07/05/30 03:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#451 []
「ああ、おはようございます志乃くん」

「…今のって…」

何?

「目覚ましです」

なんか…コウの声に聞こえたんやけど……

「僕の着ボイスです」

えーーー!!?何それ!

⏰:07/05/30 03:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#452 []
「おまっ……えっ?…なに…着……?」

「志乃くん何を伝えたいんですか。しっかり話して下さい」

自分の着ボイスを目覚まし音にするとは…
いやいや
それ以前に自分の着ボイスを保存するやつなんか初めてみたぞ。

⏰:07/05/30 03:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#453 []
「自分の声で目が覚めるとは、なんだか不思議な感じですね」

ほなやめろ。

「今日はとても目覚めがいいです」

コウはニコニコしながら
大きく伸びをした。

こいつ
自分大好き人間か!?

⏰:07/05/30 03:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#454 []
「お腹すきましたね。朝ごはんいただけますか」

「…ちょっと待って」

「プレイバック」

!!?

「……プレイバック…」

「いいですね、待ちましょう」

ノッてもーた…。
俺はため息をつきながらリビングへ向かった

⏰:07/05/30 03:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#455 []
「かーちゃん飯は…」

リビングはシーンとしていた。テーブルの上には紙切れと二千円が置かれている

《朝飯なし。朝マックでも買うて食べなさい》

朝マック…ねぇ…。
俺はいいけど
コウが何て言うか……

⏰:07/05/30 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#456 []
「いいですね行きましょうか」

部屋に戻りコウに伝えると意外にもコウはニッコリとして立ち上がった。

「お前マクド食った事あるんか?」

「いいえ」

やっぱり…

「未知の食べ物ですのでぜひ食してみたいです」

⏰:07/05/30 03:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#457 []
未知て…
マクドが未知て…
あの有名なファーストフードマクドナルドが未知!?

「なぜ関西ではマクドと言うのに朝マックだけは朝マックなんですかね?朝マクドでいいじゃないですか」

そんなん俺に言われても!

⏰:07/05/30 16:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#458 []
「まぁいいでしょう。急がないと朝マックを食べる予定が普通のマクドを食べる事になりますよ」

普通のマクドて?
朝マックは普通ちゃうんか?てかややこしい言い方すんな!!

「別にどっちゃでもええやんけ」

「だめです」

⏰:07/05/30 16:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#459 []
「なんで!!」

「志乃くんのお母様の命令でしょう?朝マック食べなさいと」

「……そーですね」

「そうですよ」

行きましょう、とコウは部屋をでていった。

この日
これから起きるマクド店内での出来事が
俺を狂わせる事になる…。

⏰:07/05/30 16:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#460 []
「いらっしゃいませ〜」

マクドへつき
店員がスマイルぜろ円をくれた。

「俺は…何にしよかな」

「僕は志乃くんと同じものにします」

うーん…

「じゃあ〇〇セットふたつ」

「ありがとうございます少々お待ち下さい」

⏰:07/05/30 17:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#461 []
俺達は空いている席に腰かけた。

「学生がたくさんいますね。たまり場でしょうか」

「マクドでオールとかよくやるわな〜」

俺は頬杖をついて
店内をぐるっと見渡した。

「…あれ?」

⏰:07/05/30 17:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#462 []
一人の女性が
小説を片手にコーヒーを飲んでいる。

あの美しい…
あの美しいオーラは!!

「スーパーの店員や!」

俺は目を輝かせた。

コウは俺の目線を追い、美女店員にたどり着いた。

「知り合いですか?」

⏰:07/05/30 17:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#463 []
「いや…昨日枝豆買いに行ったスーパーの…」

「スーパー枝豆の店員ですか」

スーパー枝豆!?

「そんな店名やったんか」

そりゃ枝豆豊富やわな

「いえ、言ってみただけですが」

勝手に名付けるな!!

⏰:07/05/30 17:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#464 []
「ほう……」

コウは美女店員を上から下まで舐めるように見た。

「美しい方ですね」

「めっちゃ美女やわ〜」

「そうですね」

コウは対して興味なさそうに美女から視線を逸らした

こいつもしや
女の趣味悪いんか?

⏰:07/05/30 17:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#465 []
「志乃くん目がハートになってますよ」

「えっ…あ〜ははは」

「何笑ってるんですか。あなたまさかあの方に…」

「ちゃうちゃう!!俺には幸子がおるんやから!」

「……それならいいですけどね…」

そうですとも。
俺には愛しい幸子がおるんやから。

⏰:07/05/30 17:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#466 []
「お待たせしました」

俺達の席に
〇〇セットが届いた。

「いっただきま〜す」

俺はハンバーガーに食らいついた。

「……食わんのか?」

コウは黙ったまま
トレイを擬視している。

「……志乃くん…」

⏰:07/05/31 02:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#467 []
まさか食えないとか言うんちゃうやろな〜…

「…なに」

「少ないです」

「は?」

「たったこれだけではお腹が膨れません」

えー!?
こいつどんだけ食う気やねん

「僕もう1セット買ってきます」

⏰:07/05/31 02:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#468 []
「食うてからにしろ」

「いやです」

「食うてからにしなさい」

「……………」

「黙って早く食べなさい。わかったか?」

俺はコウの親か!!

「……わかりません」

わかってくれ息子よ。

⏰:07/05/31 02:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#469 []
「買ってきます!」

コウは千円札を握りしめ
席をたった。

あいつはガキか…。

俺は黙々とハンバーガーを食った。

「あれー!?」

⏰:07/05/31 02:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#470 []
「昨日の…」

俺は顔をあげた。

「あっ…」

べっぴん店員さんが俺を見て微笑んでいる。

「おはようございます。昨日はどーもありがとう」

「覚えてたん!?」

「きみ、カッコイイから」

えー!!照れますやん!

⏰:07/05/31 02:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#471 []
「一人?」

「あ〜今連れときてる」

「そうなんだ〜」

「一人なんスか?」

「うん、これから仕事」

「頑張ってくださ…」

え…!?何この熱い視線

べっぴん店員は
俺をじいーっと見つめている。

⏰:07/05/31 02:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#472 []
「あ…の……」

「なぁに?」

う…やばい…。
何これ……なんか…
この人の目に
吸い込まれそうな…。

「志乃くん?」

コウが戻って俺の名を呼んだ。
俺はハッとした。

「どうしたんですか?」

⏰:07/05/31 02:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#473 []
「いや…別に」

「あ、じゃーあたし仕事だから。また来て下さいね」

べっぴん店員は
俺とコウに軽くお辞儀をし店を後にした。

「何話されてたんですか」

「…別に……」

そうですか、とコウは言いハンバーガーをガブッと食べた。

⏰:07/05/31 02:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#474 []
「…なるほど。案外おいしいですね」

コウは一個めのハンバーガーをたった三口でたいらげた。

「おい」

「はい?」

「もっと噛みなさい」

「いやです」

「噛め」

「いやです」

「噛めや!!」

⏰:07/05/31 02:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#475 []
「何怒ってるんですか」

コウは二個目のハンバーガーを開きながら
鼻でフッと笑った。

「もっと噛めや!!俺の言う事が聞けへんのか!」

「………………」

俺の怒鳴り声で店内の客が俺に注目した。

「志乃くんどうしたんですか?」

⏰:07/05/31 02:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#476 []
コウが心配したような
困ったような表情で俺を見た。

「…あ……わりぃ…」

またや……
また口が勝手に…。

「昨日と同じです」

「え?」

コウがジュースを一口飲んで言った。

「今怒鳴った時の目、昨日の志乃くんと同じでした」

⏰:07/05/31 02:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#477 []
「……………」

「何かあったんですか?」

心配そうな顔で
コウは俺の顔を覗き込んできた。

「…なんもない」

「……そうですか…」

コウは俯いて
今度は一口一口ハンバーガーを噛みしめた。

俺…なんか変や…。

⏰:07/05/31 02:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#478 []
その後俺は食欲がなくなり残ったハンバーガーをコウにあげた。

「志乃くんは本当に少食ですね」

「…やかましい」

なんやろ……。
頭がズキズキする…
頭の中が……。

⏰:07/05/31 02:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#479 []
「志乃くん顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」

顔色…?
ただの風邪か?

「大丈夫だいじょ…」

俺は自分の顔に手を当て、ゾッとした。

冷たい…
ただの冷たさじゃない。
まるで氷を触ってるみたいや。

「志乃くん?」

⏰:07/05/31 02:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#480 []
「…いや…なんもない」

「本当ですか?真っ青ですが…」

「大丈夫やから…」

俺はコウから目線を逸らし窓を眺めた。

「…っ……!?」

なんだこれは………

窓にうっすらと映る俺は
俺じゃなかった。

まるで悪魔のような
真っ青な顔をし、ニヤリと笑っている俺が映っていた

⏰:07/05/31 03:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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