きみを送るA
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#481 []
俺…
俺は……
今俺はこんな顔をしているのか……?

俺は自分の顔を手で覆った

「志乃くん?本当にどうしたんですか?」

「……るな……」

「はい?」

「見るな!!!」

「志乃くん?」

「俺を見るな!!!」

⏰:07/05/31 03:05 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#482 []
「志乃くん落ち着いて下さい、どうしたんです?」

コウは俺をなだめながら
俺の手を握った。

「見るな!!」

「志乃くん落ち着きなさい」

コウが俺の顔を
いや、手の上から
俺をひっぱたき、俺は冷静になった。

「どうしたんですか」

⏰:07/05/31 03:08 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#483 []
恐る恐る顔から手を退け
再度窓ガラスに目をむける

…いつもの俺や…。

そこに映る俺は
先程とは違った情けない表情をした
まぎれもなく俺だった。

「家に戻りましょう。帰りますよ」

コウは俺の腕を掴み、
足早に店内を後にした。

⏰:07/05/31 03:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#484 []
店の外に出た瞬間、
コウは俺の手を握りながらじっと俺の目を見た。

「ああ…良かったです…いつもの志乃くんの目です」

「……………」

「帰りましょうね」

コウはそれ以上何も言わずにスタスタと歩いた。

俺も俯いたまま
コウの後ろを歩いた。

⏰:07/05/31 03:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#485 []
さっきの俺…
一体なんやったんや?

俺が
俺じゃなかった。

さっきの表情は…

コウは
あの悪魔のような俺を見たのか…?

あんな表情を…
もし見られていたら……


《コロセ》

「え!?」

⏰:07/05/31 03:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#486 []
「どうしました?」

俺の声にコウは足を止め
振り返った。

「いや…何も」

「…………」

コウは怪訝な顔つきで俺をじろっと見、親指の爪をガリッと噛み再び歩き出した

今の声…何や?
コロセ……って?

⏰:07/05/31 03:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#487 []
「ただいま帰りました」

家のドアを開け、
コウが玄関に上がった。

お前んちか!!

「…ただいま」

「部屋に行きましょう」

コウは元気のない俺をチラッと見て階段をのぼった。

⏰:07/06/01 00:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#488 []
部屋に入るなり
コウはたばこをとりだし火をつけた。

「大丈夫ですか」

煙を吐きながら
コウは俺を見る。

「……ん、大丈夫…」

「だめですね、どうしたんですか昨日から」

「………別に」

⏰:07/06/01 00:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#489 []
部屋にいても
俺は自分の顔が気になった

鏡…鏡……

俺は机にある小さな鏡を手にとった。

「髪形を気にしてるんですか?大丈夫ですよ髪形は。髪がないんですから」

やかましい。

俺は自分の顔を映し、ホッとした。

いつもの俺や…。

⏰:07/06/01 00:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#490 []
「目を気にしてるんですか」

「え?」

コウは右手にもった煙草からでてくる煙を眺めながら優しい口調で言った。

「なぜ鏡を見てるんです?目を気にしているんでしょう?」

「……………」

⏰:07/06/01 02:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#491 []
そういえば
コウは俺の目が違ったと言ってたな…

その時の俺は…

さっきのような表情をしていたのか?

「大丈夫ですよ。今はいつもの志乃くんと同じです」

「………っき…は?」

「?すみません聞こえませんでした」

⏰:07/06/01 02:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#492 []
「さっきの俺は!?」

「…………」

「どんな表情してたんや!!答えろ!!」

「…そんな必死になって…どうしたんですか」

「………………」

「とりあえず落ち着いて下さい。表情は…わかりませんが目だけが違っていました」

⏰:07/06/01 02:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#493 []
「…どんな風に…」

コウは力なく問い掛ける俺に一瞬目を向け、
フイッとそっぽを向いた

「…僕を憎むような…いえ、全てを憎むような…そんな目をしていました」

全てを…憎むような…

「…そ……っか……」

⏰:07/06/01 02:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#494 []
俺はガクッと肩を落とした

頭が重い…。


コウは俺の隣に座り、
俺の肩を抱き寄せた。

「志乃くんすみません。不安にさせましたか?」

「……………」

「大丈夫ですよ。きっと僕の見間違いです」

⏰:07/06/01 02:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#495 []
頭が重い…

頭が……。

俺は頭を抱え込んだ。

コウは俺をなだめるように肩をポンポンと叩いた。

「大丈夫ですよ」

優しい口調で俺をあやすコウに
俺は涙が出そうになった

一体俺は

どうしたんや…?

⏰:07/06/01 02:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#496 []
【第23章 異変】

その日以来
俺は特に何も変わらず
相変わらずの日々を過ごしていた。

「志乃くん今日はやけに嬉しそうですね」

俺の身体に異変があった日から一週間がたった。

「今日は幸子が家にくるねん!コウ邪魔せんといてな〜?」

俺はすっかり忘れてしまっていた。
俺の身体に異変が起きていた事なんて

⏰:07/06/01 02:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#497 []
「邪魔しないでと言われても…僕は一緒に住んでいるんですから…」

「頼む!ほんの2時間…いや、1時間でえーから散歩でもしてきてくれへん?」

「長い散歩ですね」

「頼む!!!」

「………わかりました。では2時間、外してあげますよ」

⏰:07/06/01 02:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#498 []
「サンキュー!!」

俺はコウに抱き着いた。

「やめて下さい…気持ち悪いです…」

「お前にチューしたい気分やわ!」

「…したら殴ります」

「冗談やんっ!!」

俺達はふざけあいながら
幸子を迎えに駅まで歩いた

⏰:07/06/01 02:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#499 []
「偶然だね!」

駅までもうすぐのところで俺達の背後から声が聞こえた。

振り返ると

「あれ?スーパーの…」

スーパー枝豆(仮名)のべっぴんな店員がいた。

「覚えててくれたの?」

店員さんはニコニコしながら俺達に駆け寄った。

⏰:07/06/01 02:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#500 []
「そりゃ〜べっぴんは忘れへんわ〜」

俺は少し照れながら頭をかいた。

「本当〜?嬉しいな〜」

「マジっス!!」

照れる俺の隣で
コウは涼しい顔をして空を見上げている。

「きれいですね」

⏰:07/06/01 03:01 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#501 []
「え…あたしが?あなた達友達〜?」

店員さんはコウをニコニコした表情で見ている。

「いえ、空がきれいだと言いました」

おい!!!!

固まる俺と店員さんをよそに
コウは目を細めながら空を見上げている。

⏰:07/06/01 03:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#502 []
「あ〜ハハハ…こいつ連れやけど、変なやつでさ〜」

苦笑いする俺。

「そっ…か〜あはは」

苦笑いする店員さん。

「……………」

清々しい表情で空を見上げ無言のコウ。

こいつはしゃあしゃあと……
フォローしなあかんの俺なんですけど!!

⏰:07/06/01 03:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#503 []
「ねぇ、名前教えてもらってもいいかな?」

「俺っスか!?」

「うん。だめ?あたしはアコっていうの」

アコ!!
かわいい名前〜。

「俺は志乃。こっちはコウやで〜!」

「志乃くんとコウくんね、わかった〜!!」

⏰:07/06/01 03:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#504 []
「志乃くん早く行きましょうよ。幸子さんが待ってますよ」

「あーっ!ほんまや!アコさんまたね!!」

「あっ…志乃くん…」

歩きだそうとした俺を
アコさんが呼び止めた。

「何スか?」

「顔に何かついてるよ」

⏰:07/06/01 03:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#505 []
アコさんはそう言うと
俺の顔にすっと手を伸ばしてきた。

ぎゃーー!!!
やばい!ハズイ!!

俺は固まってアコさんのされるがままになっていた。

「ほら、ここに…」

アコさんは
俺の目をじっと見つめた。

⏰:07/06/01 03:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#506 []
「………………」

またや……

また……

頭がぼーっとしてくる…

頭が重い……。

なんやこれは……

「とれたよっ」

アコさんの言葉で
俺はハッとした。

「あ、ありがと!ほな、またね〜!!」

「また店に来てね」

⏰:07/06/01 03:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#507 []
「おう!また枝豆買いに行くわ〜!」

俺はアコさんに手を振り、駅に向かって歩いた。

コウも振り返りアコさんに軽く会釈をして歩き出した

スタスタと足早に歩くコウの背中越しに、
《ガリッ》と爪を噛む音が聞こえたような気がした。

⏰:07/06/01 03:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#508 []
「志〜乃〜!!」

駅につくと
ちょうど幸子が改札を通るところだった。

「さっちこ〜!!」

俺は改札口に駆け寄った。

「ふふ。久しぶり」

かわいい笑顔で俺の手を握る幸子。

俺は幸せ者や〜。

⏰:07/06/02 01:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#509 []
「幸子さんこんにちは」

「あれ〜神谷くん。どうしたん?」

「ああ、実はですね…」

「今コウと住んでんねん」

「えっ…?そうなん?」

幸子は驚いたように
目を見開いた。

「うん、でも今日は…」

⏰:07/06/02 01:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#510 []
「今日は?」

なんつーか…その……

「今日僕は少し予定があるので」

コウは幸子を見て微笑んだ

「そーなんや。じゃあ志乃と二人なん?」

「お…おう!二人きりやで!!」

⏰:07/06/02 01:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#511 []
今日こそは脱童貞!!と意気込む俺と
それを感じとり顔を赤らめる幸子を
コウはニコニコしながら見ていた。

「では僕はこれで」

「神谷くんまたねっ」

「はい。志乃くん…」

コウは俺の耳元で

「2時間したら戻りますからそれまでに」

と言った。

⏰:07/06/02 01:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#512 []
「サンキューな」

俺はコウに感謝し、
幸子と二人で家に向かった

「見ない間に少しやせたんちゃう?」

幸子が俺をまじまじと見ながら言った。

「そーか?わからへん」

「絶対やせたよ。ちゃんと食べてる?」

「食べてるで」

⏰:07/06/02 01:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#513 []
「ほんまかな〜?」

「ほんまやって」

幸子はうーんと唸り、
閃いたような表情をした。

「あたし料理作るよ!あのスーパー寄っていい?」

幸子が指さしたのは
スーパー枝豆だった。

⏰:07/06/02 01:58 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#514 []
「料理とかえ〜って…」

それよりお前と甘い時間を過ごしたいんやけど

「お願い。志乃に元気になってほしいねん」

幸子は困った表情で俺にお願いをする。

かわいすぎる!!
幸子お前を俺のハート泥棒として逮捕する。

「わかった。ほな作って」

⏰:07/06/02 02:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#515 []
幸子はニッコリと笑い、
スーパーに入っていった。

「何食べたい〜?」

「幸子の得意なやつ」

「え〜何にしよっかな」

ニコニコしながら食材を見る幸子をみて、俺は自然に笑みがこぼれた。

「ねーねー」

ふいに幸子が俺を呼ぶ。

⏰:07/06/02 02:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#516 []
「どした?」

「ふふふ」

俺の問いに幸子は俯きながら笑い出し、答えない。

「なんやねんな?」

「なーんかさ〜こうして二人で買い物とか…夫婦みたいやね!」

言ったあと幸子は顔を真っ赤にして足早にカートを押し、俺から離れた。

⏰:07/06/02 02:10 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#517 []
「ふ……ばーか」

「何か言った〜!?」

「いや、別に」

あ〜なんちゅーかわいいやつやねん幸子って。

俺は照れる幸子をからかうように幸子にくっついて歩いた。

レジに向かうと、そこにはアコさんがいた

⏰:07/06/02 02:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#518 []
「志乃くん!さっそくきてくれたんだねっ」

「どーも〜」

俺はアコさんに軽く会釈した。

「隣の子は彼女かな?」

「そうです〜」

俺は照れながらもアコさんに幸子を紹介した。

「志乃くん彼女いたんだね〜」

⏰:07/06/02 02:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#519 []
「そりゃ、まぁ…」

「カッコイイもんね!あたしも志乃くんタイプだし」

おいおい。
何を言い出すんやこの人。しかもマイハニー幸子の前で。

「またまた〜冗談やめてくださいよ〜」

「冗談じゃないよ」

⏰:07/06/02 02:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#520 []
からかうようにしていたアコさんの顔から
一瞬笑顔が消えた。

「幸子ちゃん、油断してたら奪っちゃうからね」

冗談とも本気ともわからない口ぶりで
アコさんが幸子に言った。

幸子は困ったような表情をしている。

⏰:07/06/02 02:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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