きみを送るA
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#601 []
 
――――…‥

《バタンッ!!!》

勢いよく部屋のドアがあき
俺は目を覚ました。

「志乃くん!!」

ドアの前には
息切れをしたコウが立っている。

「志乃くん勝手に上がってすみません」

肩で息をしながら
コウが汗をたらしながら言った。

⏰:07/06/07 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#602 []
「いいけど…どうした?」

「実は昨日ゆうみさんが…」

コウの言葉を最後まで聞かなくてもわかる。

「怪我したんやろ」

俺の言葉にコウは目を見開いた。

「なぜ知ってるんです?」

⏰:07/06/07 03:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#603 []
「夢で見た」

「…夢を?」

「…このはが怪我する前の日も、このはの夢を見た。昨日はゆうみちゃんの夢を。だから」

「…なるほど。どのような内容の夢を?」

「このはとゆうみちゃんが叫んで、身体から血を噴き出して…俺の後から声が」

⏰:07/06/07 03:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#604 [あちゅ]
頑張って

⏰:07/06/07 03:36 📱:F902iS 🆔:thAL88kg


#605 []
「声、とは?」

「…犯人の…」

「ほう。それで志乃くんは犯人を見たんですか?」

「いや…」

「…なるほど。見る必要もありません犯人はやはりアコさんです」

「…それよりゆうみちゃんの怪我って…?」

⏰:07/06/07 03:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#606 []
「ああ、大丈夫です。今回は足を切られましたが…軽い怪我でした」

「…そっか」

「それで志乃くん、今日は夢を見たんですか?」

「…見た」

「次は誰が?」

コウが険しい表情をしながら俺を見つめる。

⏰:07/06/07 03:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#607 []
「実は…」

「はい」

「今日の夢で、俺は犯人の顔を見た…」

「本当ですか?誰です?一体誰が誰を?」

「……が………を……」

「すみません聞こえませんでした。もう一度お願いします」

⏰:07/06/07 03:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#608 []
コウは俺の声を聞きとろうと俺のもとへ歩み寄った

次の瞬間…

《グサッ…》

コウの腹部に
ナイフが刺さる

「……志乃…く…」

コウがふらりと倒れ込む

「俺がお前を殺すんだよ」

ニヤリと笑う俺の手には

血だらけのナイフが握られていた。

⏰:07/06/07 03:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#609 []
「…あな…た…が……」

コウは腹部を押さえながらひざをついた。

「クックックッ…」

俺の口から笑いがこぼれる

「苦しいか?」

⏰:07/06/08 01:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#610 []
「志乃…く…ん…」

コウが苦しそうな表情で俺の名前を呼ぶ。

「苦しいだろ?」

ニヤリと笑いながら
俺はコウの元へ歩み寄る

コウを見下ろしながら
俺は頭上にナイフをかかげた。

「苦しいなら、さっさと死ねよ」

⏰:07/06/08 01:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#611 []
コウに向かい
ナイフを勢いよく下ろした時だった。

「すみません…」

コウが涙を流し
弱々しく謝った。

その姿に
俺は手を止める。

「すみません…僕は…あなたを…助けられませんでした……」

⏰:07/06/08 01:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#612 []
弱々しく微笑むコウ。

「……あ………」

これは

あの日の夢だ。


俺の手からナイフが落ちる

「……俺…は………」

気付いた時には

血まみれのコウが倒れていた。

「…コ…ウ……?」

⏰:07/06/08 01:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#613 []
「コウ!!おい!コウ!」

コウの身体を軽くゆさぶると
コウは目を開け俺を見て微笑んだ。

「…大丈夫で…すか?」

何が…何が大丈夫ですか、だ。
大丈夫じゃないのはお前の方だろ。

「コウ…ッ……」

⏰:07/06/08 01:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#614 []
俺は携帯をとり
救急車を呼ぼうとした

「だめです…」

ダイヤルを押す俺の手を
コウは阻止した。

「なんで…っ!!」

「救急車を呼べば…あなたは捕まってしまいま…す」

⏰:07/06/08 01:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#615 []
「でも……」

「あなたが捕まれば…たくさんの方が悲しみ…ます」

「でも…!!」

話しているうちにも
コウの腹部からは
どんどん血がでている。

「僕は大丈夫ですから」

苦しそうにも微笑むコウはゆっくりと立ち上がった。

⏰:07/06/08 01:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#616 []
落ちているナイフを拾い、コウは部屋を出ていこうとドアノブに手をかけた。

「どこに行くんや!?」

「…自宅へ…。大丈夫ですから。ナイフも僕が処分します」

「だめや!!!」

俺はコウの腕を掴んだ。

「!!!!」

⏰:07/06/08 01:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#617 []
腕を掴んだ瞬間
俺の脳裏にコウの思考が流れた。

俺はコウの腕を振り払うと携帯をとり
素早く電話をかけた。

「救急車一台至急お願いします」

「志乃くん!?」

俺の行動に
コウは困惑した表情をみせた。

⏰:07/06/08 01:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#618 []
「なぜ…!?志乃くんが捕まってしまいます!」

焦ったようにコウが言う

「それでいい。俺がやった事やから。このはもゆうみちゃんも…俺が…」

俺の脳裏に流れたのは
自宅へ戻ったコウが
ナイフから俺の指紋を拭き取り自分の指紋をつけ
自殺に見せ掛けるというものだった。

⏰:07/06/08 01:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#619 []
「それに俺が普通に生活しても…周りに被害が及ぶ…だから俺は捕まった方がえーねん」

「でも志乃くんは…」

話の途中で
コウは倒れてしまった。

「コウ!!」

「……………」

「おい!!コウしっかりしろ!!コウ!!」

⏰:07/06/08 01:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#620 []
【第26章 黒幕】

コウが倒れしばらくしてから救急車が着いた。

覚えてないが
俺は救急車員の胸倉を掴み殴り掛かったらしい。

「あの時のきみは、ものすごい剣幕やったらしいよ。それほど大切な友人やったんやね」

「はい…とても」

⏰:07/06/08 02:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#621 []
目の前には優しそうな
中年の男性。

「じゃあなぜ、きみは神谷くんを刺したんや?」

俺は今
鑑別院の中にいる。

そう、あの事件の日
俺は捕まった。

「…今から話す事…信じてくれますか…?」

⏰:07/06/08 02:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#622 []
 
―――…‥‥

「コウ!!コウ!!」

救急車の中で
俺は何度も何度も
コウの名前を叫んだ。

「落ち着きなさい!すぐ病院に着きますから!」

救急隊員が俺を静止する声も俺の耳には全く入らなかった。

⏰:07/06/08 03:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#623 []
病院へ着き、
集中治療室と書かれた部屋へコウはつれて行かれた。

しばらくして
看護婦さんが俺のもとへ走ってきた。

「誰か身内の方は!?」

治療室の前のソファーには俺しかいない。
看護婦さんは焦ったように周りをキョロキョロ見渡した。

⏰:07/06/08 03:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#624 []
「身内は…おらん」

俺の言葉に
看護婦さんは
まさか、という表情をしたが、すぐさま

「輸血する血液が足りません!!彼と同じ血液の方を…」

と言った。

⏰:07/06/08 03:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#625 []
血液が…

コウは確か俺と同じ…

「俺、同じや!俺の血使ってくれ!!」

「わかりました!早くこちらへ」

俺は看護婦さんの後を追い治療室の中へ入った。

「…コウ……」

そこには
真っ青なコウがベッドに横たわっていた。

⏰:07/06/08 03:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#626 []
「彼一人か!?」

突然執刀医だろう男が
さっきの看護婦に向かい叫んだ。

「はい。身内はおられないそうなんです…」

医者が困ったように俺を見る。

「まいったな…さすがに彼だけでは…彼の方が危なくなる危険がある…」

⏰:07/06/08 03:58 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#627 []
「大丈夫や!!俺の血を…全部使ってもえーから!コウを助けてくれ!!」

俺は狂ったように
医者につめよった。

「…いいのか?」

「構わんから!早く!」

医者は困惑気味だったが
俺の必死な表情を見て
わかった、と言った。

⏰:07/06/08 03:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#628 []
コウの隣にベッドが用意され、俺はそこに横になる

「楽にして下さいね」

看護婦さんが
優しい口調で言った。

俺はコウの手を握り
目を閉じた。

あの悪夢の結末が

まさかこんな形になるなんて――‥‥‥

⏰:07/06/09 23:58 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#629 []
 
――――‥‥‥

気付くと俺は
真っ暗闇の中に立っていた

「ここは…?」

辺りをキョロキョロ見渡すが、闇が続くだけで何も見えない。

「…志乃さん」

背後から急に名前を呼ばれ俺はギヨッとした。

気配のない背後にいる声の主を振り返るとそこには

⏰:07/06/10 01:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#630 []
「…旬…?」

目を細めながら
立っている…いや、
浮かんでいるといったほうが正しいだろう。
コウの弟、旬がボウッと光っていた。

明らかにムスッとした表情をしている。

「あなたは一体何をしてるの?」

⏰:07/06/10 01:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#631 []
「え…何って…」

「僕との約束、全然守ってないでしょ?あげくには悪魔なんかに取り憑かれちゃったりしてさ〜」

「……………」

うう…、耳が痛い…

「本当に志乃さんは頼りにならないなぁ!兄の事刺しちゃうし…」

⏰:07/06/10 01:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#632 []
「コウは!?大丈夫なんか!?」

俺は旬につめよったが
旬は素早く俺から離れた

「知らないよ」

「なんで!!お前も役に立たん奴やなぁ〜!」

「志乃さんに言われたくないよ」

⏰:07/06/10 02:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#633 []
「だいたい、志乃さんが兄を刺すのが悪いんでしょ」

唇を尖らせながら
旬は何かをくるくる回しながら言った。

「何それ」

「え?…あっ……別になんでもないよ」

俺の視線に気付き、旬は慌てて【それ】をポケットに隠した。

⏰:07/06/10 02:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#634 []
「志乃さん」

旬が俺に近付き、
俺の顔を覗き込む。

「なに」

「なんで冷静なの?」

「なにが」

「志乃さんの事だからパニックになると思ってた。急にこっち側にきちゃったんだから」

⏰:07/06/10 02:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#635 []
「こっち側って?」

「知らないで来たの?」

旬は信じられない、という目で俺を見た。

「だから何が」

「……知らないから冷静なんだ…そっか…」

「だから何がやねん」

「ここは悪魔の住む場所だよ。志乃さんに憑いた悪魔もいるはずだよ」

⏰:07/06/10 02:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#636 []
悪魔の住み処!?

「え……っ…」

「おっと。今更パニックにならないでね面倒だから」

こいつ…

「それと、こっち側に来たのは多分悪魔が志乃さんを呼び寄せたのもあるけど、志乃さんの身体が危険ってのもあるから気をつけてね」

⏰:07/06/10 02:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#637 []
「どーゆー意味?」

てか悪魔って…
アコさんやよな…
アコさんが
俺を呼び寄せたのか?

「志乃さんの身体は今血液低下で危険な状態なんだよ。だからあなたの身体、僕と同じように透けてるでしょ?」

⏰:07/06/10 02:58 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#638 []
俺は自分の手を眺めた。

…透けてる……

俺が両手を眺めながら黙っていると
旬が横目で一瞬俺を見た

「…ねぇ、この場所にきちゃったからには悪魔を倒さないと元には戻れないんだよ」

つまり…それって……

「相手に倒されたら、あなたは死んでしまう」

⏰:07/06/11 02:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#639 []
「…死…ぬ…?」

俺が…

死 ぬ だ と ?

「そんな…助かる方法ないんか!?」

「僕の話聞いてた?相手を倒せばあなたは元に戻る。でも反対に倒されたら死ぬって事!だから倒せばいいだけの話。わかった?」

倒せばいいだけって…

⏰:07/06/11 02:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#640 []
「そんな…ゲームちゃうんやから…」

倒すとか倒されるとか…

「ゲームみたいもんだよ」

「え?」

「人生なんてゲームみたいものだよ。ただ、違うのはゲームみたいにリセットできない事だね」

⏰:07/06/11 02:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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