きみを送るA
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#641 [
]
つまり
「死んだらクリアできへんゲーム?」
「そう。だから僕達がゲームをクリアするんだ。ラスボスを倒して」
ラスボスて…
「ラスボスは誰?」
「………まずはアコさんを倒さなきゃ」
:07/06/11 02:51
:SH901iS
:☆☆☆
#642 [
]
「アコさんはどこに?」
「…………」
旬は目を閉じ、
しばらくしてから指をさした
「あっちだ」
俺は旬の後を追いかけた。
しばらくすると暗闇にポツンと赤い光が見えた。
「覚悟はいい?」
:07/06/11 02:57
:SH901iS
:☆☆☆
#643 [
]
覚悟…
ってか…
「ちょっと待って!」
「…なに」
「倒すってどうやって倒すん!?」
俺の発言に旬は目をパチクリさせた。
「ああ…忘れてた。志乃さんは丸腰だったね」
丸腰て
「これを」
旬は俺に小さな赤いボールを手渡した。
:07/06/11 02:59
:SH901iS
:☆☆☆
#644 [
]
「なにこれ」
俺は赤いボールをまじまじと見つめる。
まさかこの小さいボールをアコさんにぶつけて倒すって意味か?
そんなくだらん倒し方か?
「それ、何に見える?」
:07/06/11 03:05
:SH901iS
:☆☆☆
#645 [
]
「何って…赤いボール…」
俺の答えを聞き
旬は満足そうにニヤリと笑った。
「うん、じゃあ行くよ」
「えっ…このボールどうすんねん…」
俺を無視し、旬は赤い光の中へ消えて行った。
「…旬!!」
慌てて俺も中へ入る。
:07/06/11 03:07
:SH901iS
:☆☆☆
#646 [
]
赤い赤い煙の中を抜けると
そこにはアコさんが高そうなソファーの上に
足を組みながら座っていた
「やっぱり来たんだ…」
ニヤニヤ笑いながら
アコさんは足を揺らす。
「…アコさん…ほんまにあなたが俺に取り憑いて…」
:07/06/11 03:10
:SH901iS
:☆☆☆
#647 [
]
「手に何を持っている!」
俺が話終わる前に
アコさんがすごい形相で叫んだ。
「え?」
「お前…手に何を持っているんだ!それをどこで…」
手に…?
俺の手には赤い小さなボール。
これがどうかしたのか?
:07/06/11 03:12
:SH901iS
:☆☆☆
#648 [
]
「お前…それをどこで…」
アコさんは怯えるような目で赤いボールを見ている
「これは………」
俺は旬に目を向ける。
旬は腕を組みながらニヤニヤとしながらアコさんに近づいた。
「僕があげたの。あなたには、あれが何に見える?」
:07/06/11 03:14
:SH901iS
:☆☆☆
#649 [
]
「……………」
アコさんは何も答えない。
ボールから目を離さずガタガタと震えている。
「くっくっ…」
突然旬が笑いだし、
俺はなぜか怖くなった。
「あはははははは!!」
大声で狂ったように笑う旬は不気味という表現以外に当て嵌まるものがなかった
:07/06/11 03:18
:SH901iS
:☆☆☆
#650 [
]
「旬…?どした…?」
恐る恐る旬に近寄り肩を掴むと
旬はくるりと振り返った
「さ〜問題です。僕は誰でしょう」
「………は?」
意味がわからない。
「どういう意……」
「僕は一体誰でしょう」
:07/06/11 03:22
:SH901iS
:☆☆☆
#651 [
]
「誰って…?え?」
戸惑う俺を見ながら
旬はニヤニヤしている。
「旬?どーしたん?」
「旬?あはは〜残念!外れだよ志乃さん」
「……え?」
「僕は幻影の方さ。つまり神谷が…兄が作り出したほうのね。」
…意味がわからない。
:07/06/11 03:29
:SH901iS
:☆☆☆
#652 [
]
「意味わかんないでしょ、馬鹿だから」
「……………」
さっきまでの旬と
全然違う。
どーいう意味だ?
さっきまでのは演技なのか?
「ふふ。違うよ」
「!!?」
「さっきは本物。あの光の中で入れ代わったのさ」
:07/06/11 09:19
:SH901iS
:☆☆☆
#653 [
]
こいつ…
俺の心が読めるのか?
てゆーか
入れ代わった…?
「本物…は…?」
俺はよほど怯えた表情なのだろう。旬の幻影は俺を見ながらクスクス笑っている
「いるよ」
幻影は赤いボールを指す
「その中にね」
:07/06/11 09:27
:SH901iS
:☆☆☆
#654 [
]
俺は赤いボールを見つめる
この中に…
旬が……?
戸惑う俺を見ながら
旬の幻影はフッと鼻で笑った。
「旬と一緒にラスボスを倒すんだろ?」
「……………」
幻影はニヤニヤしながら俺に近寄り、赤いボールを奪った。
「ラスボスはこの俺だ」
:07/06/12 00:45
:SH901iS
:☆☆☆
#655 [
]
【第27章 旬】
「え………?」
意味がわからない
ラスボス……?
幻影がラスボス…?
「志乃くんは〜俺が神谷が勝手に作り出した幻影だと思ってるんでしょ〜う?」
馬鹿にしたような話し方で赤いボールを指でくるくる回しながら幻影が言った
「旬は死んだあと、この俺と約束をしたんだよ」
:07/06/12 00:50
:SH901iS
:☆☆☆
#656 [
]
「約束…?」
「そう。旬ほどの霊力を持つ人間は死んだら魂は残らない。だが旬は兄貴が心配だからって霊として残りたいって言ったんだ。だから契約したのさ、この俺とね」
「…お前は一体……」
「俺か?俺は悪魔さ」
そう言って幻影は
赤いボールを投げつけた。
:07/06/12 02:01
:SH901iS
:☆☆☆
#657 [
]
コロコロと赤いボールは転がりアコさんの足元へ落ちた。
「ひっ…!!」
アコさんは小さな悲鳴をあげ、ソファーから立ち上がった。
それを見て幻影の旬はクックッと不気味に笑う。
「アコは怖がりだな〜」
:07/06/12 02:04
:SH901iS
:☆☆☆
#658 [
]
「ちょ…待てや」
「何〜?」
「その玉ん中に旬が入ってんねやろ」
「そうだよ〜」
「じゃあなんでアコさんがそれを怖がるん」
俺の問いもすぐさま幻影の笑い声に掻き消される。
「俺が悪魔なら、旬は神だ」
…………
………………は?
:07/06/12 02:30
:SH901iS
:☆☆☆
#659 [
]
「なぜ、旬と俺が同じ姿なのか、お前はわからないのか?」
…わからん
わかりたくもない
きょーみない
「興味持て」
「……………」
「まぁいい。教えてやるよ。元々俺達は一つだった」
:07/06/12 02:32
:SH901iS
:☆☆☆
#660 [
]
「一つって…?」
「俺と旬は一卵性双生児だった」
え…………?
そんな話聞いた事…
「ないはずだ。俺は産まれてきていないんだからね」
「……………」
「俺は生を持たずに消えた。神は残酷だ。なぁ人間は母胎にいる時から意思を持ってる事を知ってるか?」
:07/06/12 02:36
:SH901iS
:☆☆☆
#661 [
]
「俺は自分が母胎の中で死ぬ時、意思があった。神はわかっていたんだよ。俺が悪魔だって事をね」
…そんな馬鹿な…
神とか悪魔とか
非現実的だ。
理解できない。
したくもない。
「理解できなくてもこれが現実なんだよ。ねぇ?志乃さん?」
:07/06/12 02:39
:SH901iS
:☆☆☆
#662 [
]
「俺は神を怨んだ。怨んだが、俺のその怨みは見事に届いた。俺は悪魔として魂だけは残ったんだ。普通は胎児は魂は残らない。だが俺だけが残った。俺は感謝したよ」
幻影はニヤリと笑った。
「感謝したよ、神様にね」
:07/06/12 02:42
:SH901iS
:☆☆☆
#663 [
]
幻影はアコさんの足元に転がる赤いボールを踏み付けるとニヤリ笑いを止め、眉間にしわを寄せた。
「このボールは、魂を封じこめるボールだ。俺は長い間こいつに……旬に封じ込められていた」
「え!?でもお前ずっとコウのそばに……」
「それは抜け殻さ。魂じゃない。だから神谷に手出しはできなかったんだ」
:07/06/12 02:50
:SH901iS
:☆☆☆
#664 [
]
「…じゃあ…今…は…」
旬の幻影はニヤリと笑う
「今なら殺せる。長年待っていた神谷を…今なら簡単にな」
そんな……
コウを殺すなんて
「やめてくれ…」
「安心しな。神谷は…」
幻影は口角をあげる。
「お前を殺した後からだ」
:07/06/12 02:53
:SH901iS
:☆☆☆
#665 [
]
「し…旬……は?」
「さぁね。俺だって片割れを消すのは心が痛むよ」
言葉とは裏腹に
幻影は赤いボールを踏み付けている。
「…お前の名前は…?」
「さあ?母は決めてたみたいだけどね。翔って」
:07/06/12 03:17
:SH901iS
:☆☆☆
#666 [
]
「…翔……俺を…殺すのか…?」
「悪いけど殺すよ。邪魔だからね」
邪魔って…
「俺はずっとこの日を待っていた。旬がこの場にきて俺を解き放つ日を…。あの日からずっと……」
翔は過去を思い出しているのだろう、悔しそうな表情で唇を噛み締めた。
:07/06/12 03:22
:SH901iS
:☆☆☆
#667 [
]
「どうして…」
「あんたにはわかんないだろーね。平凡な家庭に産まれて平凡に育って…わからないよ一生………まぁその一生も今終わるけどね」
「……………」
「あんたに怨みはないが、あんたの能力は俺からしたら邪魔だ。悪いが殺させてもらうよ」
:07/06/12 04:14
:SH901iS
:☆☆☆
#668 [
]
翔はそう言うとニヤリと不気味な笑みを浮かべ
俺のもとへ近づいてきた
足が動かない…
足が……
「!?」
俺は自分の足元を見てゾッとした。
俺の足がきえかけている
「あぁ今頃現実のあんたは死にかけているだろうね」
俺の足元を見ながら
翔が笑いながら言った。
:07/06/14 01:44
:SH901iS
:☆☆☆
#669 [
]
翔が近づくたびに
俺の足は徐々に消えていく
…あぁ…
翔が俺にたどり着く時
俺は死ぬんだ。
不思議と怖いという感情はなかった。
死ぬってこんな気分なのか?
穏やかなような…
悲しいような…
……………?
…悲しい………?
:07/06/14 01:46
:SH901iS
:☆☆☆
#670 [
]
《志乃くん》
《志乃〜》
《志乃さん》
俺の頭の中に
コウの声や
幸子…旬……
関わった全ての人間の声が響いてきた。
《志乃くんがいなくなればみんなが悲しみます》
……コウ………
《志乃くんは僕の親友です》
:07/06/14 01:49
:SH901iS
:☆☆☆
#671 [
]
…コウ………
《志乃くんは僕が守ってみせます》
…コウ…
《僕は…あなたを…助けられませんでした…》
コウ!!
ああ……俺は……
俺が死ぬという事は
コウが死ぬという事だ。
俺はまだ…
「俺はまだ死ねへん!」
:07/06/14 01:51
:SH901iS
:☆☆☆
#672 [
]
俺は翔をキッと睨んだ。
翔は足を止め
まんまるな目で俺を見た
「…ふっ……」
再び翔の口元に笑みが浮かぶ。
「睨むだけじゃ俺は倒せないよ」
クックッと笑いながら
翔は足を動かした。
その時
「やめなよ!!」
:07/06/14 01:56
:SH901iS
:☆☆☆
#673 [
]
叫び声に翔は足を止め振り返る。
その先には
「アコ…どうした?」
「もうやめな!もう無理だよ…翔……」
「なにがだ」
「…見て……?」
アコさんは震えながら
赤いボールに視線を落とした。
「…………?」
:07/06/14 01:59
:SH901iS
:☆☆☆
#674 [
]
視線の先のボールに
俺も目をむける。
「楽しそうですね」
「コウ!?」
「こんな場所があるとは」
赤いボールから煙が出て
その影には
コウの姿があった。
「神谷…なんで…っ」
翔がビックリした表情でコウを見ている。
「なぜお前がこの場に…」
:07/06/14 02:02
:SH901iS
:☆☆☆
#675 [
]
コウは驚く俺達をよそに
しれっとした表情で翔の顔を覗き込んだ。
「あなたは誰ですか」
「…なっ……!?」
「旬…あなたにそっくりですね」
「僕の弟だよ」
コウの後ろからは
旬がひょこっと顔を出した
「!!??」
:07/06/14 02:05
:SH901iS
:☆☆☆
#676 [
]
「ほう…なるほど」
「……………」
「志乃くんどうも」
全く状況が理解できない俺に、コウはニッコリと笑いかけた。
「コウ…なんで……」
「志乃くんに刺されて僕もどうやら危険な状態みたいです。気付くとこちらに来ていました」
:07/06/14 02:08
:SH901iS
:☆☆☆
#677 [
]
「コウ…すまん…」
「気にしないで下さい」
気にしないでと言われても………
「志乃くんに殺されるなら僕は本望ですよ」
ニッコリ笑い
コウは言った。
「……………」
「おや?キモい、とは言わないんですか?」
:07/06/14 03:04
:SH901iS
:☆☆☆
#678 [
]
キモいけど…
「言えへん…」
「なぜですか。あなたは取り憑かれていただけですよ。志乃くんが悪いわけではありません」
「そうそう!悪いのはこいつ!!」
コウの後ろからぴょんと飛び出し、旬は翔を指さした
:07/06/14 03:05
:SH901iS
:☆☆☆
#679 [
]
翔には先程までの余裕の笑みがなくなり
目を見開いたまま固まっているみたいだ。
「旬…お前なんで…」
俺は旬が普通に話しているのが理解出来ずにいた。
「お前あの赤い玉ん中に入ってたんちゃん…?」
:07/06/14 03:08
:SH901iS
:☆☆☆
#680 [
]
「入ってたよ」
「なんで…え…意味わからん……お前翔と契約…悪魔と……」
「志乃さんちょっと落ち着いたら?」
「志乃くん落ち着きなさい。あなたはこんな場所に来てまでパニックですか」
こんな場所だからこそパニックなんですけど。
:07/06/14 03:15
:SH901iS
:☆☆☆
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