きみを送るA
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#681 [
]
「しかたないよ。志乃さんは僕達と違って馬鹿なんだから」
「旬、馬鹿とは失礼ですよ。頭が悪いと言いなさい」
おい。
「あ〜そっか。じゃぁ簡単に説明しとくよ」
旬は面倒くさそうに頭をポリポリと掻いた。
:07/06/14 03:46
:SH901iS
:☆☆☆
#682 [
]
「確かに僕は翔と契約したよ。でもそれは翔が悪魔だって知らなかったから。契約した後で知って、僕は後悔した。でも契約したからって僕自身の能力が衰えるってのはなかったんだ」
旬は固まる翔をチラッと見て、唇の端をつりあげた
「だから翔を閉じ込めておいたんだ。このボールに」
:07/06/14 03:49
:SH901iS
:☆☆☆
#683 [我輩は匿名である]
はよかけ
:07/06/15 00:26
:D901i
:☆☆☆
#684 [
]
うおっ

すんません

今仕事終わったのでもう少ししたら書きますね

:07/06/15 00:45
:SH901iS
:☆☆☆
#685 [
]
ボールに
閉じ込めた……?
「でもお前…」
俺の言わんとしている事を旬は悟ったように先に口を開いた。
「さっきは悪かったよ…僕が閉じ込められてたって思ったでしょ?」
「うん」
「翔に閉じ込められる程僕は馬鹿じゃないよ。兄を迎えにいくのに時間がかかっちゃったんだ」
:07/06/15 02:54
:SH901iS
:☆☆☆
#686 [
]
「迎えって?」
「いわばここは生と死の間。志乃さんみたいに能力がある人はここに来るんだよ。そして翔と戦う事になる」
………なんだそれ漫画みてぇ。
「漫画みたいって思ってるでしょ」
……………
「で、なんで時間かかったん?」
:07/06/15 02:56
:SH901iS
:☆☆☆
#687 [
]
「それがさ〜…」
「精神と時の部屋に迷い込んでいました」
「……………」
「あちらの一分はこちらでは確か…」
「もう!ただ迷子になってただけでしょ!」
「……そうともいいます」
そうとしか言わんやろ!
:07/06/15 03:00
:SH901iS
:☆☆☆
#688 [
]
「てゆーか…さ……」
「なんですか?」
いや…なんですかって…
「俺ら…翔と戦わなあかんねやろ?」
俺の言葉にコウと旬は揃って翔に目を向ける。
「ああ…忘れてました」
俺の足元は
消えかけているままだ。
:07/06/15 03:03
:SH901iS
:☆☆☆
#689 [
]
【最終章 きみを送る】
「志乃くんあなた足が…」
コウが気付き
目をまんまるにして俺の足元を見た。
「さっきから消えかけてんねやけど」
「…マズイね…」
旬が俺を見ながら眉間にしわを寄せ親指を噛んだ。
やっぱコウに似てるな…
って…
マズイって何が?
:07/06/15 03:06
:SH901iS
:☆☆☆
#690 [
]
「マズイって…?」
旬は困ったようにチラッとコウを見た。
「どうかしましたか」
コウはこの機会に、といわんばかりに自分の身体をふわふわと浮かべ遊んでいる
ガキか。
「志乃さんが消えかけているのは翔のせいじゃない…」
:07/06/15 03:08
:SH901iS
:☆☆☆
#691 [
]
「え?」
旬は目線を下に落とし
心なしかその目にはうっすら涙がたまっている。
「…現実の志乃さんの身体がもう…もたないかもしれない…」
……………え?
「どういう事ですか?」
ふわふわ浮くのをやめ
コウは旬につめよった。
:07/06/15 03:11
:SH901iS
:☆☆☆
#692 [
]
「翔のせいで死ぬならば…身体が消えるなんて事にはならないはずなんだ。身体が消えかけているのは…現実の志乃さんの体力が…」
……そんな………
俺………死ぬのか…?
「あなたって人は…っ」
放心状態の俺の肩を
コウがガシッと掴んだ。
:07/06/15 03:14
:SH901iS
:☆☆☆
#693 [
]
「…本当に弱い人です…本当に……」
やかましい
「いえ…そんな事を言いたいんじゃありません…」
言ったやん!!
あれ?
「…コウ……?」
コウは
泣いていた。
「僕なんかを…あなたは…僕なんかを助けるために……あなたって人は……なんて馬鹿なんですか」
:07/06/15 03:18
:SH901iS
:☆☆☆
#694 [
]
「コウ……」
俺に抱き着き、静かに涙を流すコウを
俺はそっと抱き寄せた。
「お前のためにしねるなら本望や」
「…何言ってるんですか…キモいです……」
「キモいゆーな」
でもほんまに
そう思ってる。
俺はコウのためならしねる
:07/06/15 03:20
:SH901iS
:☆☆☆
#695 [
]
「助けてやろーか…」
背後でボソッと声が聞こえ俺たちは顔をあげた。
声の主は
今まで固まっていたと思っていた翔だった。
「助けてやろーか?」
ニヤリと笑いながら
翔は俺たちに近づいてくる
:07/06/15 03:23
:SH901iS
:☆☆☆
#696 [
]
「…助けて下さい…」
助けを望んだのは
俺ではなく
「志乃くんを助けて下さい。お願いします」
コウだった。
「コウ…何ゆーてんねん」
「お願いします…変わりに僕を……」
:07/06/15 03:31
:SH901iS
:☆☆☆
#697 [
]
翔はコウを見ながら
困ったように唇を尖らせた
「なぜだ?」
「なぜとは…?」
「なぜ自分よりもそいつを助けたいんだ?」
翔は全く理解出来ない、といった表情でコウを見ている。
コウはふっと微笑んだ。
「親友だからです」
:07/06/15 03:33
:SH901iS
:☆☆☆
#698 [
]
「親友…?」
「ええ、僕達は親友です」
「お前、怨んでないのか?お前はこいつに刺されて死にそうなんだぞ?」
「別に怨んでません」
「なぜだ」
「ですから…親友だからです。何度も言わせないで下さい」
:07/06/15 03:35
:SH901iS
:☆☆☆
#699 [
]
「…そうか……」
翔はコウの言葉を聞き、
俯きながらフッと力なく笑った。
「俺は…生を持つ前に死んだんだ」
「はい」
「だから親友とかわからない」
「そうですか。では生まれ変わったら是非味わってみて下さい」
:07/06/15 03:37
:SH901iS
:☆☆☆
#700 [
]
「なに……?」
コウの言葉に
翔は驚いた表情でコウを見上げる。
「生まれ変わったらいいじゃないですか」
「…………はっ…」
翔は呆れたように笑った
「俺は生まれ変われねーよ!生まれ持っての悪魔だからな!」
:07/06/15 03:40
:SH901iS
:☆☆☆
#701 [
]
「誰が決めたんです?」
「はあ?」
「あなたの来世も悪魔だと、誰が決めたんですか」
「……………」
「やってみないとわからないでしょう?」
「………………」
「来世はあなたは悪魔にはなりません」
:07/06/15 03:41
:SH901iS
:☆☆☆
#702 [
]
「…なぜそう思う…?」
コウは翔の顔をじっと見つめ、微笑んだ。
「あなたは悪魔ではありませんよ」
「…………え?」
「ただ、悪魔だと思い込んでしまっただけです」
:07/06/15 03:44
:SH901iS
:☆☆☆
#703 [
]
「え…でも……」
そこへずっと黙って話を聞いていたアコさんが割って入った。
「ああ…あなたも悪魔ではないですね。あなたはもう用はないので消えてもらって結構ですよ」
「えっ!?」
コウの発言に
俺、翔、アコさんの声がハモった。
:07/06/15 03:47
:SH901iS
:☆☆☆
#704 [
]
「僕…女性には甘いですがあなたは嫌です。志乃くんに取り憑いたタチの悪い女性ですから」
「お前…アコさんの事悪魔やゆーてたやん」
「言っただけです。彼女は悪魔気取りの馬鹿女以外の何者でもありません」
ひどい言われようやな…
俺に取り憑いてたやつとはいえ、なんかかわいそうになってきたぞ…
:07/06/15 03:51
:SH901iS
:☆☆☆
#705 [
]
「旬、送ってあげなさい」
は?旬?
送る………?
「わかりました」
そう言うと旬は
ポケットから白いボールを取り出し、アコさんに向かって何かを呟き投げつけた
瞬間、アコさんの身体は煙に包まれ消えてしまった。
:07/06/15 03:54
:SH901iS
:☆☆☆
#706 [けえ]
:07/06/15 03:56
:SH903i
:HeUlQ0S.
#707 [
]
「…なにしたん…?」
「魂を閉じ込めたんだよ」
「…は」
「白いボールは魂を閉じ込めて再生させられるんだ。つまり彼女は魂を洗われてまた生まれ変わる」
「…お前…なんでそんな事ができるんや…?」
「僕は天使だから」
:07/06/15 03:56
:SH901iS
:☆☆☆
#708 [
]
て ん し ?
「冗談だよ。でも僕は何でもできる」
あらそ。
なんかよくわからんけど
「あ…お前身体が…」
突然翔が俺の身体を指さした。
「…あ………」
俺の身体はもう
腰のあたりまで消えかけている。
:07/06/15 03:59
:SH901iS
:☆☆☆
#709 [
]
「志乃くん!」
コウが俺にかけより
俺の腰のあたりを掴んだ。
「ああ…そんな……」
「…もう死にそうなんやな…俺」
俺はもう
死ぬのは怖くはなかった。悲しくもない。
最後にこうして
コウに会えたから。
「我が生涯に…一片の悔いなし!!!」
:07/06/15 04:01
:SH901iS
:☆☆☆
#710 [
]
「………………」
「………………」
「…なんか反応してよ」
せっかくコウのすきな台詞言うたのに
「…………やっぱり…」
長い沈黙のあと、
旬が口を開いた。
:07/06/15 04:03
:SH901iS
:☆☆☆
#711 [
]
「?」
俺とコウと翔は
不思議な表情で旬を見る。
旬は顔をあげ
ニッコリと笑った。
「やっぱりこれしかない」
「…なにが?」
「志乃さんを助ける方法」
:07/06/15 04:04
:SH901iS
:☆☆☆
#712 [
]
え?
俺を助ける方法?
「なんですか!?」
興奮気味にコウが旬へかけよる。
旬はまたもポケットからボールを取り出した。
今度の色は
きれいな水色だ。
「兄ちゃんの手で、僕たちを送ってよ」
………僕たち?
:07/06/15 04:06
:SH901iS
:☆☆☆
#713 [
]
「…僕たちとは…?」
「翔と僕」
「え………?」
翔と旬を…送る?
「…なぜ……?」
「このボールは特別なんだ。このボールで僕…本当は翔を救うつもりだったんだ。兄ちゃんは翔は悪魔じゃないって言ったけど、…翔は……生まれ変わる事ができない………」
:07/06/15 04:12
:SH901iS
:☆☆☆
#714 [
]
旬の言葉に翔はぴくっと動いた。
「…なぜです?」
「僕と翔はもともとひとつだった。だから…僕と翔はずっとひとつなんだよ。わかる?」
わからん。
「魂が交ざり合わなければ僕たちは絶対に生まれ変わる事ができない。翔も…それに……僕も」
:07/06/15 04:15
:SH901iS
:☆☆☆
#715 [
]
「だからこのボールで僕は翔だけを生まれ変わらせるつもりだった。このボールは何でも叶えてくれるから。でも…僕は志乃さんに使いたい……悪い…翔…」
そんな大事なボールを…
「俺はいい!翔に使え!」
俺はもう
そのキモチだけで充分だ
:07/06/15 04:17
:SH901iS
:☆☆☆
#716 [
]
「いいよ」
背後から
翔が口を開く。
「………翔…」
振り返り翔を見ると
俺を見て微笑んだ。
翔のこんな表情は初めて見た。
「旬がそんな事考えてたなんて知らなかった。俺、今すごい嬉しかった」
:07/06/15 04:20
:SH901iS
:☆☆☆
#717 [
]
「翔…ごめんね」
「いいよ。それより時間がない。志乃の身体が…」
俺の身体は
もう胸のあたりまで消えていた。
「兄ちゃん!早く!これを僕たちに投げて!!」
「わかりました。旬、翔、ありがとうございます」
:07/06/15 04:22
:SH901iS
:☆☆☆
#718 [
]
コウはボールを手にとり、旬と翔に向かい勢いよく投げ付けた。
「ありがとう!」
俺は二人の姿が消える瞬間叫んだ。
二人は
最後の瞬間まで
微笑んだままだった。
:07/06/15 04:23
:SH901iS
:☆☆☆
#719 [
]
「…見事だ…弟よ……」
コウは涙を流しながら
ラオウの台詞を呟き
身体から光をはなち消えてしまった。
「コウ!?コウ…うわぁぁぁあああ!!!」
眩しい光につつまれ、
俺は気を失った。
《俺…生まれたかったんだ……》
気を失う直前
翔の本当の気持ちが
聞こえた気がした。
:07/06/15 04:26
:SH901iS
:☆☆☆
#720 [
]
―――――…‥
「それで、きみは目が覚めたんだね?」
「はい…信じてもらえないと思いますが…」
目の前の中年の男は
少し俯き、うーん…と喉を鳴らした。
「よしわかった。今日のところはこれまでにしよう」
:07/06/15 04:28
:SH901iS
:☆☆☆
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