【Devils×Night】
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#25 [オッズ]
―――――――――…

次の日の朝、お父さんは姿を消していた。


私が朝起きて、リビングに下りていくとお母さんが優太を抱き締めながら目を赤くしていた。

「お母さん?!どうしたのよ?何かあった?」

私は事態が把握できずに何気なく聞いた。

「お父さんがいなくなってたのよ!」

お母さんはヒステリックに叫んだ。

⏰:07/04/30 19:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#26 [オッズ]
「朝起きたらお父さんのベッドが空になってて……でもお父さんの物は何もなくなってないのよ?!
靴だってあるのよ……」

お母さんはそう言って黙り込んでしまった。
今にも泣きだしそうだ。

優太もお母さんと同じような表情。

お母さん……。

私はかける言葉がみつからなかった。
お父さんにかぎって無断で家を空けることはない。

絶対になにかあったんだ。

昨日の手紙が頭を過る。

⏰:07/04/30 19:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#27 [オッズ]
私はとりあえず両親の寝室に行った。

ここでお父さんとお母さんは眠る。

私はお父さんのベッドを隅々まで調べたが特に異常は見当たらなかった。

……ん?
なんだ?
何か落ちてる……。

私が途方に暮れて寝室をさまよっていると、お父さんのベッドの近くの床に、何か落ちていることに気付いた。

私はそれを拾い上げた。

何だろうコレ……?

⏰:07/04/30 20:07 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#28 [オッズ]
しばらく私はそれが何であるかわからなかった。

私が拾ったそれは手の爪程の大きさしかなく、なんだかフニャフニャしていて肌ざわりがいい。
肌色をしているが、ところどころ赤黒く染まっている。

長い間、それを指で転がしていた。

その間、これがなんなのかを考える。

そして私の頭の中に、ある一つの答えが浮かんだ。

うそ……っ!
まさか……そんなはずないよね……。

⏰:07/04/30 20:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#29 [オッズ]
だけど、見れば見るほど、私の指を転がるそれは、
お父さんの耳たぶにしか見えなかった……。

「……耳たぶ……」

私は無意識のうちにそう口走っていた。

自分で言って自分で恐くなっていた。
ありえないと思う反面、絶対にそうだという確信もあった。

これは果たして本当にお父さんの耳たぶなのか?

数十分間、私は耳たぶらしきものを睨み続けた。

私はふとあることを思い出して、寝室を飛び出すと洗面所に駆け込んだ。

⏰:07/04/30 20:20 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#30 [オッズ]
そして、洗面台で耳たぶらしきものをきれいに洗う。

赤黒いものは簡単に落ちていった。

もしこれが耳たぶだったら、この赤黒いのは血なんだろうな……。

私は平常心を保とうと必死だった。

赤黒い模様を完璧に落とすと、黒い点のようなものが出てきた。

「……嘘……」

⏰:07/04/30 20:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#31 [オッズ]
お父さんの耳たぶの中心には大きめなホクロがあったんだ。

私と優太はよく『ピアスみたい』と言ってからかったものだ。

私は力が抜け、倒れるように床に座り込んだ。

赤黒い模様……いや、血の後から出てきた黒い点はホクロだ。

これはお父さんの耳たぶなんだ。

私にとってこれだけの証拠があれば、これはお父さんの耳たぶ以外にありえなかった。

⏰:07/04/30 20:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#32 [オッズ]
お父さんは殺されたんだ。

私はそう思った。

そして、耳たぶをそっと制服のスカートのポケットにしまう。

お母さんに言うのは、学校から帰ってきてからにしよう。
今、お母さんは動揺していて、私の言うことなんか信じてくれないはず。

私だって、バカみたいな話だって思うもん。
まったく現実味がない。


私はポケットに耳たぶを入れたまま、学校に向かった。

⏰:07/04/30 22:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#33 [オッズ]
「ただいま……」

私が家に帰ってくると、お母さんと優太はリビングでテーブルを囲むように座っていた。

テーブルには……
昨日の晩と同じように白い紙が置かれている。

「……それ」

私は震える声で言った。

「またポストに入ってたのよ……。
お父さんはまだ帰ってこないわ……。
連絡もないし!
ねぇ、千鶴。お父さんがいなくなったのはこの手紙と関係があると思う?!」

お母さんは完全に取り乱している。

⏰:07/04/30 22:17 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#34 [オッズ]
「警察には……?
警察に電話してみた」

私はお母さんの質問は無視してそう聞いた。

お父さんはもう死んだと思っているし、手紙と関係あると思ったが、言えなかった。

私はポケットに手を突っ込み耳たぶを撫でる。

「取り合ってもらえなかったわ」

お母さんは首を振った。

「そう……。
ねぇ、手紙、読んでもいいかな?」

⏰:07/04/30 22:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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