【Devils×Night】
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#175 [オッズ]
なんてグロテスクなんだろう。

『なんで私の名前……。……匂う……』

リリーはすぐにでも飛び掛かってきそうな姿勢だったが、ぴたりと動きを止めて呟いた。

匂う……?

『あの人の……匂いがする……あの人の……』

あの人ってキジのことだ。

リリーのガラスの瞳がキラリと光る。

『あんた……あの人に何をしたの?!』

「はっ?!」

⏰:07/05/27 14:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#176 [オッズ]
何言っちゃってるの?

私が言葉を発する間もなく、リリーが飛び掛かってきた。

「キャッ」

私は小さな悲鳴をあげて、ネックレスを守るようにリリーから背を向けた。

右腕に痛みがはしる。

思わず握っていた包丁を手放してしまった。

再び私は手を叩かれたのだ。

キジの嘘つき!

フツウに触られちゃってるんですけと!

⏰:07/05/27 14:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#177 [オッズ]
私は落としてしまった包丁を拾おうとしたが、リリーが先に拾い上げてしまった。

リリーは不器用そうに、包丁を両手で握る。

「ひゃぁ……」

恐怖で声が漏れてしまった。

『キャハハ!』

リリーが甲高い笑い声をあげる。
口が張り裂け、ボロボロと皮膚が剥がれ落ちた。

『あんたももう終わりよ』

リリーは囁くように言うと、私に襲い掛かった。

⏰:07/05/27 14:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#178 [オッズ]
もうダメだ。

もう助からないよ……。

お父さん、お母さん、優太、本当にごめんね。

こんなやつに殺されるなんて悔しい。

私はネックレスだけはしっかりと握り締め、かがみこんだ。

あんな女にネックレスは渡さない。

私は包丁でズタズタにされる覚悟をした。

「ニャア!」

私の悲鳴の代わりに、猫の唸り声が部屋中に響いた。

⏰:07/05/27 14:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#179 [オッズ]
私は顔をあげた。

一匹の真っ赤な猫がリリーに飛び掛かっていた。

リリーが慌てて包丁を振り回している。

「うそ……。トラ……?」

なんで……?
なんでトラがここに居るの?

包丁が猫の体を掠める。

トラの体から血が流れた。

「トラッ!!」

トラは私の呼び声に答えるかのように、叫び声をあげるとリリーを押し倒した。

⏰:07/05/27 14:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#180 [オッズ]
トラは『今だ』というように私の顔を見る。

私はリリーに向かって走りだした。

ガラスの破片が、グサグサと足の裏に突き刺さっていくが、気にしてなんかいられない。

『やめてぇー!!』

耳を塞ぎたくなるほどの絶叫。
リリーの目からは真っ赤な涙が流れている。


そして、
私はリリーの首にネックレスをかけた―――…。

⏰:07/05/27 14:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#181 [オッズ]
―――――――――…

気が付くと、私はトラを抱き締め、殺風景な部屋に座り込んでいた。

ここはキジの屋敷……。

私の頭は混乱していた。
どうしてまたここにいるのかもわからない。

「千鶴……よくやった」

いつのまにか、私の目の前にキジがいた。

切なそうな笑みを浮かべ、私の手からトラを受け取ると抱き上げる。

「まったく。君もむちゃなことをやるねぇ、ハインリッヒ?」

⏰:07/05/27 15:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#182 [オッズ]
キジの声音はとても優しく、心地よかった。


―――思い出した。

ネックレスをかけられたリリーは、崩れた。

皮膚が爛れ、乾燥しポロポロと床に零れる。

この世のものとは思えない悲鳴をあげていた。

それに、キジの名前を呼び続けてたんだ。

とても恐ろしい光景。

それから私は、怪我をしたトラを抱いて彷徨った。

私、帰ってこれたんだ……。

⏰:07/05/27 15:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#183 [オッズ]
安心感と疲労感が一気に込み上げてきて、
私は気を失ってしまった。

―――――――――…

次の日、私は清々しい朝を迎えた。

ガラスが刺さった足の裏が痛かったが、それが逆に誇らしく感じた。

「ねぇ、キジ!」

私は上機嫌でキジに話し掛けた。

「なあに?」

キジは欠伸をして、なかなか真面目に話を聞こうとしない。

⏰:07/05/27 15:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#184 [オッズ]
「もう!
約束はどうしたの?」

「約束ぅ?」

キジはけだるげに私を見つめた。

まさか本当に忘れてないわよね?

「キジ様、千鶴様のご家族を生き返らせてあげられるのでは?」

トラがゆったりとした足取りで部屋に入ってきた。

猫の姿ではなく人間の姿で。

「トラ!昨日はありがとう!怪我は?大丈夫?」

トラは微笑んだ。

「当然のことです。
怪我はご心配なく」

⏰:07/05/27 15:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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