【Devils×Night】
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#31 [オッズ]
お父さんの耳たぶの中心には大きめなホクロがあったんだ。
私と優太はよく『ピアスみたい』と言ってからかったものだ。
私は力が抜け、倒れるように床に座り込んだ。
赤黒い模様……いや、血の後から出てきた黒い点はホクロだ。
これはお父さんの耳たぶなんだ。
私にとってこれだけの証拠があれば、これはお父さんの耳たぶ以外にありえなかった。
:07/04/30 20:57
:N700i
:☆☆☆
#32 [オッズ]
お父さんは殺されたんだ。
私はそう思った。
そして、耳たぶをそっと制服のスカートのポケットにしまう。
お母さんに言うのは、学校から帰ってきてからにしよう。
今、お母さんは動揺していて、私の言うことなんか信じてくれないはず。
私だって、バカみたいな話だって思うもん。
まったく現実味がない。
私はポケットに耳たぶを入れたまま、学校に向かった。
:07/04/30 22:12
:N700i
:☆☆☆
#33 [オッズ]
「ただいま……」
私が家に帰ってくると、お母さんと優太はリビングでテーブルを囲むように座っていた。
テーブルには……
昨日の晩と同じように白い紙が置かれている。
「……それ」
私は震える声で言った。
「またポストに入ってたのよ……。
お父さんはまだ帰ってこないわ……。
連絡もないし!
ねぇ、千鶴。お父さんがいなくなったのはこの手紙と関係があると思う?!」
お母さんは完全に取り乱している。
:07/04/30 22:17
:N700i
:☆☆☆
#34 [オッズ]
「警察には……?
警察に電話してみた」
私はお母さんの質問は無視してそう聞いた。
お父さんはもう死んだと思っているし、手紙と関係あると思ったが、言えなかった。
私はポケットに手を突っ込み耳たぶを撫でる。
「取り合ってもらえなかったわ」
お母さんは首を振った。
「そう……。
ねぇ、手紙、読んでもいいかな?」
:07/04/30 22:21
:N700i
:☆☆☆
#35 [オッズ]
私は遠慮がちに尋ねる。
お母さんはうなずいた。
お母さんはほとんど泣きだしていた。
それにつられて優太も泣きだす。
手紙に書かれていたのは
『いただきます。2』
だった。
昨日と何ら変わらない汚い字に文章。
ただ数字の数が減っていた。
私はこの数字の意味がわかっていた。
:07/04/30 22:27
:N700i
:☆☆☆
#36 [オッズ]
昨日は3と書かれていた。
お父さんがいなくなり、四人家族だった私たちは三人家族になった。
つまり3になった。
今度は2……。
また同じことが起こるんだ。
殺される―――…。
ううん、
『いただきます』……。
食べられてしまうのだ。
:07/04/30 22:31
:N700i
:☆☆☆
#37 [オッズ]
私はお母さんを見つめた。
次に食べられてしまうのはお母さん……。
もしかしたら、優太かもしれないし私かもしれないけど。
一番可能性があるのはお母さんな気がする……。
涙で視界が曇る。
ニュースでやっていた公園で殺された人も、この手紙の主に食べられちゃったんだ。
このことに気付いたのはきっと私だけだ。
私が何とかしなきゃ……!
:07/05/01 17:17
:N700i
:☆☆☆
#38 [オッズ]
しかし、私に何ができるというのか?
私はただの高校一年生。
外見は……中学生。
勉強も運動も人並み以下。
外見にはそれなりに自信があったけど、ここでそれはちっとも役立たないだろう。
私は結局何もできないまま眠りについた。
誰もいなくならないように祈りながら――…。
:07/05/01 21:53
:N700i
:☆☆☆
#39 [オッズ]
私は鳥のさえずりで目を覚ました。
もう七時近かった。
あんなに不安だったのに以外と眠れるもんなんだな。
私は慎重にベッドから立ち上がった。
たぶん……私は助かったんだ。今日のところは。
部屋のドアを開けたら、誰かに襲い掛かられるってのはありかもしれないけど。
心臓が今までにないくらい速くなっている。
私は深呼吸し、ドアノブに手を掛けた。
:07/05/01 21:58
:N700i
:☆☆☆
#40 [オッズ]
いち
にの
さん―――っ!
私は心の中でそう数えてからドアを開けた。
廊下はシーンとしていて、人の気配どころか、生きているものの気配すら感じられなかった。
「助かったんだ……」
少なくとも、今日一日は生きていられる。
一瞬安心したのち、新たな恐怖がやってきた。
お母さんと優太は無事なのか……?
お父さんの安否を考えている暇はない。
:07/05/01 22:02
:N700i
:☆☆☆
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