新☆きらきら
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#642 [向日葵]
雨の中、走りもせず2人で手を繋いで大牙さんは家まで送ってくれた。

手を繋いで、っと言うよりも引っ張ってくれたって言うのが正しいかな。
泣き止んだあたしは虚ろな目をしていた。

時々大牙さんが家の道を聞いてきて、あたしは手を出して指を指した。

何度もそのやりとりが繰り返された。
でも大牙さんは嫌な顔一つせず、あたしを連れて行ってくれた。

カチャ

結女「ただいまー…。」

⏰:07/06/22 13:15 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#643 [向日葵]
奥から友姫姉ちゃんがやって来た。

友姫「結女っ!ちょっとやだびしょ濡れじゃない!」

結女「それより大牙さんにタオル貸してあげて。」

友姫姉ちゃんは「誰?」と呟きあたしの背後を見た。大牙さんはお姉ちゃんに一礼する。

結女「昨日痴漢からあたしを助けてくれたの。少し雨宿りしてもいいでしょ?」

友姫「え?……上がってもらって部屋に連れて行きなさい。大牙……さん?どうぞ。」

⏰:07/06/22 13:19 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#644 [向日葵]
大牙さをはまた一礼して玄関のドアを閉める。

そして友姫姉ちゃんからタオルを貰って、あたしは自室。大牙さんはお風呂場へ向かった。

自室に入ってからフゥッと静かに息を吐く。
もうほとんど胸の痛みが消えている。

制服をハンガーにかけて着替える。
もうジャージでいっかぁ……。

コンコン

友姫「結女。大牙さん入ってもいぃ?」

結女「あ、いいよー。」

ガチャ

ドアが開いて大牙さんが入る。
珊瑚さんの服を借りたのか、大牙さんも着替えていた。

⏰:07/06/22 13:24 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#645 [向日葵]
その姿に少しみとれる。

大牙「悪い。雨足マシになったらすぐ帰るから。」

結女「お、おかまいなく!大丈夫ですから。」

大牙さんは「そうか」と答えて窓の外を見る。
沈黙が流れていった。

結女「……。好きな人がいました…。」

私はのろのろと話始めた。なんだか大牙さんに知って欲しくて……。

結女「でもその人は結婚してしまったんです。心の中では納得していました。好きな人が幸せになるならそれでいいと。……でも。」

⏰:07/06/22 13:29 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#646 [向日葵]
それは心の中の上辺の部分。

本当の最奥にある想いは

結女「“裏切られた”。……そう思ったんです。」

大牙さんはこちらをずっと見つめる。
不思議と心は痛まない。
まるで思い出話でもしてるような気分だ。

結女「たまたま今日その人と奥さんに会いました。そしたらまたその想いとか、色んな感情が入り混じって、気付いたら大牙さんの前で泣いちゃいました!」

少し恥ずかしくなって照れ笑いをした。

それでも大牙さんはまだあたしを見つめたままだった。

⏰:07/06/22 13:33 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#647 [向日葵]
大牙「俺は…。」

大牙さんが少し目線をずらして口を開いた。

大牙「俺は。俺なら。好きな奴を最後まで守りぬくけど。」

言い終わると大牙さんはあたしをまた見つめる。
あたしの心臓が2倍速に動く。

そしてあたしが座っているベッドに近づいて、両脇に手を置いてあたしと目線を合わせる。

その距離十数センチ。

大牙さんの顔が近づく。

あたし…いいの?このままキスして……。ちゃんと大牙さんを好き……?

⏰:07/06/22 13:39 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#648 [向日葵]
結女「や……っ!」

大牙さんを押し返してしまった。

大牙「……ゴメン。雨足マシになったから帰る。服、また返しに来るから。」

そう告げて部屋から大牙さんは出て行った。

あたしは見送りもせずに3倍速になった心臓と闘いながら布団に埋もれた。

部屋に残ったのは、雨音と後悔だった。

出ていってから気付いた。いつの間にか、大牙さんが心の中にいる。

あの香水の香りや優しさ、体温までがあたしを虜にしている。

⏰:07/06/22 13:44 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#649 [向日葵]
出会いと恋は突然やって来る。
なんか漫画で書いてあった。

まさにあたしは今その状態。
でもさっき大牙さんを拒否してしまった。
次会った時、向こうも拒絶したら……?



それからしばらく、駅に行こうなんて思わなかった。

――――――……

前の雨が嘘の様に今日は晴れだ。

蝉がうるさい。

お姉ちゃん達は買い物。
真貴はまたどっかに行った。

⏰:07/06/22 13:49 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#650 [向日葵]
家にはあたし一人。

居間のソファーでダラダラしてた。

テレビ番組は面白くない。甲子園もガンバレーと思うだけ。

………………大牙さん…。

結女「会いに行こう。」

直ぐ様階段を駆け上って服を着替える。
会いたい。いますぐ。

大牙さん。
大牙さん。

あたし……っ貴方が……!

⏰:07/06/22 13:53 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#651 [向日葵]
階段を降りて勢いよくドアを開けた。

結女「!!大牙……さん……?」

白昼夢でも見てる?

今まさに大牙さんが家のチャイムを鳴らそうとしている所だった。

あたしは何回も目をゴシゴシ擦った。
でも大牙さんは消えない。

夢じゃない。

大牙「出掛けるのか。じゃあ用事早く済ませなきゃな。服。返しに来た。」

⏰:07/06/22 13:56 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


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