新☆きらきら
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#765 [向日葵]
珊瑚「友姫。行くぞ。」
私の手を乱暴に掴んで珊瑚君は歩き出した。
友姫「え、あの、さ……。」
手にすごく力が入っている。痛いとは言えなかった。珊瑚君が怖くて……。
ひたすら歩いて着いた場所は、珊瑚君が誕生日の時訪れた公園だった。
木陰まで来て、一旦止まった。
珊瑚君はまだ此方を見ない。
私が他の人と喋ってたから?私何か悪いことした?
お願い。何か喋って珊瑚君。怖いよ……。
:07/06/29 13:07
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#766 [向日葵]
強く握られた手から、嫌悪感が伝わって来て私じゃないのに悲しくて辛い……。
友姫「さ……。」
そこで珊瑚君はようやく我に帰ったのか、バッと私の方を振り向いた。
珊瑚「友姫?!どうした!」
私は涙を流していた。
いつになく怖い珊瑚君を見てしまって、なんだか遠くて涙が流れた。
珊瑚「ゴメン。手、痛かったか?」
私はブンブン首を振り、珊瑚君に抱きついた。
:07/06/29 13:11
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#767 [向日葵]
ギュウッと抱きついて珊瑚君がいつもの珊瑚君に戻ってくれるよう祈った。
でも心配は無用だった。
珊瑚君は優しく包んでくれて、大きい手で背中をさすってくれた。
背中を行き来する度に私は安心していった。
いつもの珊瑚君だ。
珊瑚「友姫。さっきのなんだけど……。」
私は何も言わず珊瑚君の胸でコクコク頷いて次の言葉を待った。
珊瑚「あの男……
父さんなんだ。」
:07/06/29 13:16
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#768 [向日葵]
私は瞑っていた目を見開いて珊瑚君を見た。
珊瑚君の目にはまださっきの嫌悪感が残っていた。
それを取り除いてあげたくて、そっと珊瑚君の顔を両手で包んだ。
珊瑚君は包まれた瞬間目を瞑って私の肩に頭を乗せて私をギュッと抱き寄せた。
私は珊瑚君の気が治まるまでずっとじっとしていた。
周りでは子供達が力一杯走り回っている。
―――――……
壊れてしまいそうな珊瑚君と手を繋ぎながら家まで帰った。
:07/06/29 13:21
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#769 [向日葵]
門前まで来ると、珊瑚君は手をギュッと握って私の進む足を止めた。
友姫「?」
珊瑚「誕生日なのに、こんなことになってゴメン。」
申し訳なさそうに謝る珊瑚君に、私は微笑んで安心させようとした。
友姫「大丈夫。楽しかったよ。プリクラだって……。あ!」
携帯……あの男性、珊瑚君のお父さんが持ったまんまだ。
その時だった。
珊瑚母「帰って!!」
:07/06/29 13:25
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#770 [向日葵]
その声に驚いた私達はすぐに家の方へ目を向けた。
友姫「お母さん?」
珊瑚君は無言でツカツカ歩いてドアを開けた。
バンッ!
珊瑚「母さんっ?」
目の前にいたのは半泣きになったお母さんと、玄関にたっていた
珊瑚君のお父さんだった。
珊瑚母「珊瑚……。」
珊瑚「帰れよ。」
低い声で珊瑚君が唸った。
どこかで見たと思ったら、珊瑚君にそっくりなんだ……。
:07/06/29 13:29
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#771 [向日葵]
無言の攻防戦が続く中、珊瑚君のお父さんが口を開いた。
珊瑚父「お嬢さん。携帯お忘れですよ。」
ニコッて笑って携帯を差し出してくれた珊瑚君のお父さんに対して、珊瑚君はお父さんの手から私の携帯を勢いよく掴むと私に押し付け、ドアを開けた。
珊瑚「アンタの居場所はここじゃないだろ?出口はこっちだ。帰れよ。」
お父さんは困った様に笑い、珊瑚君の近くまで歩いて止まった。
珊瑚父「珊瑚。お父さんと暮らす気はないか。」
:07/06/29 13:33
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#772 [向日葵]
耳を疑った。
珊瑚君も驚いている。
珊瑚父「私は今社長をやってるんだ。しかし跡取りがいなくてね。どうだい?」
珊瑚「てめっ……!」
友姫「珊瑚君ダメ!」
お父さんに殴りかかった珊瑚君を私は体一杯に止めた。
珊瑚君の息が荒い。
珊瑚「お前のせいで…母さんがどれだけ悲しんだと思ってるんだ…っ!」
珊瑚父「それはホントにすまなかったと思っている。だからこそ、その母さんを楽させる為に来ないか?」
:07/06/29 13:40
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#773 [向日葵]
珊瑚母「それこそ私は嫌よ!」
私はこの場にいていいか迷ったけど、私がいなければ絶対珊瑚君はお父さんに飛びかかってしまう。
お父さんはフゥと息を吐くと一歩外へ出た。
珊瑚父「私はイエスと言うまで何度も来る。」
すると珊瑚君はすっと居間に入ったと思ったらすぐに帰ってきた。
手には何か箱みたいなのを持っている。
その正体が分かって止めようとした時には遅かった。
:07/06/29 13:44
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#774 [向日葵]
友姫「珊瑚君だ」
ガスッ!
ズシャァァァァ……
お父さんに当たったのは塩を入れたケース。
玄関の床に雪の様に塩が積もる。
珊瑚「二度と来るな疫病神っ!!」
お父さんを無理矢理突き出すとバタンッ!!と大きな音を立ててドアを閉めた。
珊瑚君はドアノブを握り締めながら息をハァハァと荒く吐いている。
珊瑚母「友姫ちゃん。」
友姫「あ、ハイ。」
お母さんは疲れ果てた様に片手で顔を覆っていた。
声にも覇気がなく、いつものお母さんらしくなかった。
:07/06/29 13:49
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