【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#140 [オッズ]
「ひぃ!」

ミロはこの世の終わりでもやってくるかのような悲鳴をあげた。

「や、やめ……やめて!」

頬から流れる血。

赤い……。

ミロも一応人間なんだ。

僕がボーッとそんなことを考えていると、ミロがいきなりこちらを見た。

「ハンス君!
お願いだ……助けて!」

⏰:07/07/04 20:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#141 [オッズ]
僕はこの醜い男から目をそらした。

「僕も困らないよ。
それに檻に入れられてるんだ。何もできない」

ミロは歯を食い縛った。
物凄い形相だ。

「いいや!困るはずだ!
ハンス君、よく考え……」

声はそこでとまった。

ジェラルドが更に力をこめて、ミロの首を締め付けたらしい。

「黙れ」

⏰:07/07/04 20:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#142 [オッズ]
ミロはそれでも口をパクパクと動かし、必死で僕に喋りかけてくる。

しかし、何を言っているのかちっともわからない。

ミロが死んで困る?

馬鹿らしい。

生きている方が困るというのに。

町の人々を無残な姿に
変えて……

無残な姿に……?

そうか!

⏰:07/07/04 20:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#143 [オッズ]
僕はハッとし、

「ジェラルド!」

と、大声を出した。

ジェラルドは驚き、ナイフをミロから遠ざけた。

「ジェラルド、ミロを離してやれ」

ジェラルドは不愉快そうにした。

「なぜだ?」

僕は肩をすくめる。

ミロは苦痛に顔を歪めながらも、声をあげて笑った。

「困ったことになるんだ」

⏰:07/07/04 20:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#144 [オッズ]
「どういうことだ?」

「ミロを殺したら、町の人たちの姿はあのままだ」

僕は呟いた。

「その通りです!」

ミロが口をはさんだ。
絶望の表情は消え、生き生きとしている。

「ハンス君の言ったとおり、私を殺したって町の人々はもとの姿には戻れませんよ。
ですが……」

ミロは
えげつない顔で話す。

⏰:07/07/04 21:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#145 [オッズ]
「私は彼らをもとの姿に戻すことができます。
ただし、生きていれば……ですがね」

ジェラルドは眉間にしわを寄せ、ミロを睨み付けた。

「関係ねぇな。
俺はこの町のやつがどんな姿だろうと、どうでもいいし」

僕はため息をついた。

「……だめなんだよ。
おそらく僕達がこの町に連れてこられたのは、町の人たちを元に戻すためのはずだ。
だから、ミロを殺してしまったら町の人々を元に戻せないことになる。
そしたら、僕らは家に帰れないんだ!」

⏰:07/07/04 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#146 [オッズ]
僕はヒステリックにそう言った。

二度と家に帰れないなんてごめんだ。

ミロはわけがわからないと言う顔をしていた。

僕らがジャクリーンに無理矢理ここに連れてこられたのを知らないからだろう。

僕の話を聞いて、ジェラルドはミロを殺すのをやめるかと思ったが、そうではなかった。

彼の目は殺気でみなぎっている。

⏰:07/07/04 21:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#147 [オッズ]
「俺はかまわねぇ……」

ジェラルドは以前から人を殺したくてうずうずしていたんだろう。

いつも普通じゃない目をしていた。

そこら変にいる悪なんかとは違う。

もっと恐ろしい何かを隠し持っていた。

「ジェラルド……!」

どうしよう?

⏰:07/07/05 17:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#148 [オッズ]
どうすればジェラルドを止められるんだ?!

ミロの顔は汗でテカテカと光っている。

ジェラルド――…

……そうだ!

僕は、ジャクリーンがジェラルドにした約束を思い出した。

「やっぱりそいつを殺すべきじゃないと思うけど?」

僕の声は不安でうわずっていた。

果たして、ジェラルドは食い付いてくれるだろうか?

⏰:07/07/05 17:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#149 [オッズ]
「ジャクリーンから……銃をもらえなくなるぞ。
人なんていつでも殺せるけど、ここにいたら銃は手に入らないかもしれないし……」

祈るような目でジェラルドを見つめる。

「……しょーがねぇな」

ジェラルドは渋々ではあったが、ミロを離した。

その途端、ミロのおぞましい高笑いが響き渡った。

僕とジェラルドはぞっとした。

⏰:07/07/05 20:20 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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