【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#104 [オッズ]
「まさか……」

キキの眉間にはより一層深いしわが刻まれた。

「ジェラルドはミロに会いに行ったんだ……。
それしか考えられない」

僕の声は擦れていた。

食べたものをすべて吐き出しそうになるくらい、気分が悪い。

あいつはミロに会いに行った……。


なんて命知らずなやつなんだろう。

⏰:07/06/29 15:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#105 [オッズ]
――――――――――…


僕とキキは林の中を通る一本の道を歩いていた。

二人とも足取りが重い。

風が僕らが先に進むのを阻止するかのように、ねっとりと吹き付けてくる。

「……もうすぐよ」

キキは言った。

僕は恐怖と不安で声を出すことができそうになかったので、とりあえずうなずいておいた。

⏰:07/06/29 22:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#106 [オッズ]
僕らはミロのところに向かっている。

だが、それは『ミロ』を殺すためというわけではなかった。

偵察するためといったところだろうか。

ミロがどんなやつなのかまったく知らなかったし、もしかしたらジェラルドがいるかもしれない。

僕とキキだけになった今では、ミロに太刀打ちするのは不可能だ。

相手は不思議な力を持っているようだし、切り裂かれた人々もミロの味方であるらしい。

⏰:07/06/29 22:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#107 [オッズ]
「切り刻まれて一つだけ特なことがあるとしたら、なかなか死なないことよ。
寿命はないし、病気にもかからない。
ひどい怪我を負わせれば息絶えるって聞いたけど、よくわからないわ。
誰もそんなことしたことがないし」

キキはそう語った。

ミロだけでなく、切り刻まれたやつらも強敵なわけだ。
なんて最高なんだ。


その時、異臭が僕の鼻をついた。

あの匂いだ……。

⏰:07/06/29 22:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#108 [オッズ]
ここに来たときと同じ匂い……。

人間の血の香りだ――。

全身でミロに近づいたことを感じる。

今すぐにでも走って逃げ出したい。

生きていられれば、元居た場所に帰れなくてもいい。
ジャクリーンの頼みなんて知ったことじゃない。

そもそもこの町を救うことがジャクリーンの頼みなのか?

⏰:07/06/29 22:38 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#109 [オッズ]
違うかもしれない。

例えば……隣の町で愛犬がいなくなってしまったおばあさんがいる。

そのおばあさんはジャクリーンの友達で、ジャクリーンの頼みっていうのは、その犬を見つけだすとか。

「はぁ……」

僕はため息を吐き、馬鹿らしい考えを頭から締め出した。

たとえこれがジャクリーンの頼みと違っていたって、今更どうにもできないじゃないか。

⏰:07/06/29 22:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#110 [オッズ]
関わってしまった以上、キキを放ってはおけない。

「あれよ」

キキが静かにそういった。

僕は我に返り、キキが見つめる先を見る。

そこには小さな家が建っていた。

煉瓦を積み重ね、無理矢理固めたような粗末で汚らしい家だった。

「あれがミロの家よ」

⏰:07/06/29 22:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#111 [オッズ]
物音をたてないように家に近づいていく。

僕は不恰好に取り付けられている窓の側に行き、そっと覗き込んだ。

朝だというのに、家のなかはとても暗かった。

「何か見える?」

僕は首を振ったが、段々と家のなかの様子がわかってきた。

四角い部屋のまわりは、ぐるりと柵が囲いこむようにたっている。

たぶん檻なのだろう。

⏰:07/06/30 08:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#112 [オッズ]
そして部屋の真ん中には人がゆったりと寝そべることができそうな、銀色に鈍く輝く台が置かれていた。

テーブルに使っているのだろうか?

それにしては椅子がない。

檻があることだって、十分すぎるほどおかしい。

「ねぇ、キキ。
ミロの姿は見えないよ。
それから、檻とか変な台があるんだけど……」

僕はそう言いながら振り向いた。

キキは落ち着かなさそうにそわそわと辺りを見回している。

⏰:07/06/30 15:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#113 [オッズ]
「そう……。
私、ちょっと気分が悪いの。家の周りを歩いてくることにするわ。
気晴らしにもなるし、ジェラも見つかるかも」

キキは弱々しく笑いながらそう言うと、僕が止める間もなく林の中へ行ってしまった。

キキはどうしたんだ?

一人にしたらあぶないし……。

けれどキキはこのへんの土地をよくわかっているし、僕が居たって居なくったって同じかもしれない。

僕は再び家のなかをのぞいた。

⏰:07/06/30 15:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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