【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#132 [オッズ]
ミロに対する怒りが強すぎて、恐怖を感じている余裕はなかった。

でも、何よりも気掛かりなのはキキのことだ……。

キキ……。

「さっさと出ていけ!」

僕は叫んだ。

ミロは渋い顔をして、どうするべきか迷っている。

その時、僕の視界にあるものが飛び込んできた。

⏰:07/07/03 20:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#133 [オッズ]
ついにミロは部屋から出るために、僕に背を向けようとした。

「待って!」

ミロは動きを止めると、驚いたと言わんばかりに目を真ん丸くした。

「……何か?」

僕はこっそりと深呼吸をする。

「ぼ、僕を……僕を殺さないでっ!」

⏰:07/07/03 21:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#134 [オッズ]
ミロは更に目を丸くした。
目玉が飛び出しそうだ。

「……ほぅ、いきなりどうしたんです」

ミロは興味深そうに、顎を擦った。

僕は泣き声をあげ、切実に訴える。

「やっぱり死にたくないんだ!
キキとジェラルドの居場所なら教える!」

ミロがにんまりと微笑んだ。

⏰:07/07/03 21:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#135 [オッズ]
僕はミロの返事を待たずに、わめき散らした。

「キキとはここにくる途中ではぐれたんだ!
でも、必ずこの近くにいるはずだよ!信じてよっ!」

ミロは顔を檻に近付けてきた。

「信じますよ。
それでは……ジェラルド君は……?」

「ジェラルド……?」

僕は思わず笑みを零した。

⏰:07/07/03 21:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#136 [オッズ]
「俺ならここだ!」

ジェラルドの咆哮が狭い部屋に轟く。

ミロはギョッとし、振り返ろうとしたが、ジェラルドの素早さにはかなわなかった。

ジェラルドは飛び掛かり、首を絞めるような態勢でミロに抱きついた。

ジェラルドの手にはキキの家で調達したナイフが握られている。

「ジェラルド!」

⏰:07/07/03 22:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#137 [オッズ]
僕は喜びの声をあげた。

ジェラルドは僕の方をちらりと見て、かすかに笑った。

「ハンス、なかなかやるじゃねぇか」

嬉しさを隠し切れずに、僕はにっこりと笑う。

ジェラルドに誉められた!

ミロを追い出そうとしたときに、ジェラルドが窓からこちらを覗いているのが見えたのだ。

⏰:07/07/03 22:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#138 [オッズ]
そこで僕がミロの気を引いて、ジェラルドに気付かないようにしたのだ。

ミロの顔は、ジェラルドに首を絞められているため、土気色に変わっている。

「残念だったな……。
死ぬのは俺たちじゃなくてお前だ!」

ジェラルドは不気味に笑いながら、ナイフを振りかざす。

ミロの口から涎とともに悲痛な音がもれた。

「ま、待て……待ってくれ!!お前ら、俺が死んだら困ったことになるぞ……」

⏰:07/07/04 18:11 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#139 [オッズ]
ミロは泣き叫んだ。

目は涙で潤み、鼻水が上向きについた不恰好な鼻から流れ出ている。

その姿は醜悪で、とても惨めだった。

ジェラルドは目を細めた。

獲物を狙う鷹のような目である。

そして、ナイフをそっとミロの頬にあてる。

一筋の血が垂れた。

「困んねぇな……」

⏰:07/07/04 20:13 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#140 [オッズ]
「ひぃ!」

ミロはこの世の終わりでもやってくるかのような悲鳴をあげた。

「や、やめ……やめて!」

頬から流れる血。

赤い……。

ミロも一応人間なんだ。

僕がボーッとそんなことを考えていると、ミロがいきなりこちらを見た。

「ハンス君!
お願いだ……助けて!」

⏰:07/07/04 20:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#141 [オッズ]
僕はこの醜い男から目をそらした。

「僕も困らないよ。
それに檻に入れられてるんだ。何もできない」

ミロは歯を食い縛った。
物凄い形相だ。

「いいや!困るはずだ!
ハンス君、よく考え……」

声はそこでとまった。

ジェラルドが更に力をこめて、ミロの首を締め付けたらしい。

「黙れ」

⏰:07/07/04 20:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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