【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
最新 最初 🆕
#156 [オッズ]
キキは慎重にうなずく。

「あともう一つ……条件があるの」

「なんでしょう?」

ミロはそう言いながら、ジェラルドを僕の隣の檻に閉じ込めた。

「あなたが
醜くしてしまった町の人たちを元に戻して」

いくらなんでもその条件はのまないだろうと思った。

しかし、ミロは簡単に“わかった”と、返事をした。

「私を殺す前に元に戻して。いますぐに、ここで」

⏰:07/07/05 21:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#157 [オッズ]
ミロがパチンと指をならした。

すると、どこからともなく布を引きずる無数な音が聞こえてきた。

そして、数分の間に部屋は切り裂かれた町の人々でいっぱいになった。

僕は息を呑んだ。

初めて切り裂かれた人たちを見た。

体中が紫や赤黒い色をしており、継ぎ接ぎだらけで縫い目からはぬるぬるとしたものがはみ出ている。

顔がまったく顔らしくないものや、体の一部がなくなっているものもいた。

⏰:07/07/05 21:10 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#158 [オッズ]
性別はさっぱりわからず、腐敗臭がひどい。

服の代わりにボロ布を体に巻き付けている。

僕は気分が更に悪くなった。

切り裂かれた人がこんなにひどい姿をしていたなんて……。

「いきますよ」

ミロはそう呟くと、懐から小瓶をとりだした。

その中には液体が並々と入っている。

⏰:07/07/05 21:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#159 [オッズ]
ジャクリーンに飲まされたものが頭を過る。

ミロは小瓶の蓋を開け、液体を人々に振り掛けた。

振り掛けながら呪文のようなものを唱える。

その途端、醜かった人たちが変わった。

もう醜くくなどなかった。

皆美しい、本来の姿に戻ったのだ。

僕は呆気にとられた。

⏰:07/07/05 21:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#160 [オッズ]
こんなことが世の中にはあるのだ。

町の人たちは戸惑い、その場に立ち尽くしていた。

よく見ると、彼らは槍のような武器を手にしている。

「さぁ、あなたの望みは叶えました。
中央の台にお乗りなさい」

キキは町の人たちを眺めて涙をこぼした。

「わかった……」

ゆっくりとした足取りで、キキは部屋の真ん中にある台の上まで歩いた。

⏰:07/07/05 21:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#161 [オッズ]
「キキ!」

僕とジェラルドは同時に叫んだ。

キキはほほ笑み、手を振った。

「あなたたちに出会えて本当によかった。
私は死ぬけど、町の人たちは元に戻るわ!
幸せよ……。
ジェラルド、そしてハンス……ありがとう。
あなたたちは立派な救世主だったわ……」

僕の目から涙がとめどなく流れた。

ジェラルドもうなだれている。

ミロはキキの言葉を聞いてせせら笑った。

⏰:07/07/05 21:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#162 [オッズ]
「自分は死ぬというのに幸せなんて馬鹿らしい!
私は、お前のそういうところが大嫌いだ!虫酸がはしる!」

キキは……僕らを裏切っていなかったのだ。

僕はミロの言ったことをまんまと信じてしまった。

キキはあんなに親切だったというのに……。

結局僕らはキキを助けることなどできないのだ。

それどころか、僕らのせいでキキは命を縮める。

僕は檻にしがみ付き、必死で揺らした。

⏰:07/07/05 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#163 [オッズ]
キキ―――…!!!

僕は意味のわからぬことを口走り、絶叫した。

ジェラルドは僕の横にそっと立ち、震える声で“ありがとう”と呟いた。



そこから先はスローモーションのようだった。

忘れたくても忘れられない光景……。

ミロが巨大な包丁を振りかざし、キキの腕を切り落とす。

⏰:07/07/05 21:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#164 [オッズ]
キキの顔は苦痛で歪んだが、唇を噛み締め、声をあげないようにしているのが見えた。

ミロは急所をはずしてキキを痛め付けていく。

僕の顔にまで血しぶきが飛んでくる。

ついにキキは耐えられなくなり、耳をつんざくような悲鳴をあげた。

それが永遠に続くように思われたが、悲鳴は段々と小さくなり、聞こえなくなった。

台の上には、肉の塊が横たわっている。

真っ赤な血のなかに見える青い髪がだけが、その肉がキキであると語っていた。

⏰:07/07/05 21:45 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#165 [オッズ]
ミロはそれを見て、狂ったように笑いだした。

僕は憎悪で気がおかしくなりそうだった。

その時、ミロの笑い声が不意に止まった。

そして、僕の顔に何か飛んできた。


血だった―――…。


虹色の髪をした女の子が、もっていた槍でミロを突き刺していたのだ。

⏰:07/07/05 21:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194