【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#84 [オッズ]
ジェラルドはキキを無視し、小さなキッチンを荒らしはじめた。

代わりに僕がキキに話し掛けた。

「ねぇ、キキ?」

「何?」

キキは疲れた笑みを浮かべた。

キキの顔はこの世のものとは思えないほど美しい。

ジェラルドだって勝ち目がないほどに。

やっぱりこれは夢なのかな……。

⏰:07/06/20 20:01 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#85 [オッズ]
そのほうがいいのかもしれない。

これから僕とジェラルドは危険な目にあうだろう。

でも夢なら、目覚めてしまえばそれですべてが終わる。

「ミロはなんでそんなことするのかな?」

「……わからないわ」

「キキは、この町を出ていかないの?」

僕は祈るような気持ちでそう聞いた。

⏰:07/06/20 20:05 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#86 [オッズ]
キキは首を振った。

「この町を去った人もいるわ。
だけど、こんな状況になってもほとんどの人が残っているのよ。
みんなこの町を愛しているから。
ミロが来る前の生活が、再び訪れるのを夢見てる」

僕は何も言えなくなってしまった。

想像してみる。

ミロというやつが来る前はどんなだったのかを。

⏰:07/06/20 20:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#87 [オッズ]
みんなキキみたいに美しかったのだろうか?

キキは静かに言った。

「とにかく、明日の朝には旅立ったほうがいいわ。
ここは危ないところよ。
朝のうちはミロは襲ってこないはずだから……」

「馬鹿言ってんじゃねぇ」

いつのまにか、ジェラルドはキキの横に居た。

「俺たちはここに残る」

⏰:07/06/20 20:15 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#88 [オッズ]
キキは目を真ん丸くした。

「馬鹿はそっちよ!
こんなところに長く居たってろくな目にあわないわ」

ジェラルドはにんまりとした。

「長居はしないぜ。
ミロを殺してとっとと出ていく」

キキはボーッと、自信満々にそう言うジェラルドを眺めていた。

僕も恨めしげにジェラルドを見る。

⏰:07/06/20 20:20 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#89 [オッズ]
「お前を助けてやる。
……俺らは救世主だ」

ジェラルドは手に持っていたナイフを、木のテーブルに突き刺した。

あぁ、やっぱり僕は危ない目にあうんだな。

僕とジェラルドが間違っていなければ、ジャクリーンの頼みは“この町を救え”ってところだろう。

いいさ、やってやる。


キキはジェラルドと僕を見つめ、また涙した。

⏰:07/06/20 20:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#90 [オッズ]
――――――――――…

他にミロについてわかっていることは特になかった。

ミロに切り刻まれた人たちはミロの家やその周辺に住んでいるらしい。

そして、キキの妹も切り刻まれた人間の一人らしい。

「妹はダコタっていうの。
すっごく可愛い子だったのよ。
肌はピカピカだし、髪は虹色なの……」

⏰:07/06/20 22:09 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#91 [オッズ]
キキは懐かしそうな顔をしていた。

ダコタはキキみたいに綺麗だったんだろうな。

切り刻まれた人間がどんな姿になってしまうのかわからないが、麗しい姿とは言えないだろう。

「なぁ、さっそくミロの家に行ってみようぜ!」

ジェラルドは陽気にそう言ったが、僕とキキはとてもそんな風にはしていられない。

「ダメよ!
夜はすごく危険なの!
せめて明日の朝になるまで待ちましょう」

⏰:07/06/20 22:15 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#92 [オッズ]
ジェラルドは顔をしかめたが、すぐに表情を緩めた。

「わかった。
じゃ、さっさと寝ようぜ」

ジェラルドは床に寝転がると、すぐにいびきをかきはじめた。

「どういう神経してるんだよ?」

僕は呆れながらも、ジェラルドの隣に横になった。

キキはほほ笑みながら、僕達に布団をかけてくれた。

⏰:07/06/20 22:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#93 [オッズ]
――――――――――…

朝。

僕は寝ていることができずに、早い時間に目を覚ました。

まだうっすらと空が明るくなってきたばかりだ。

僕は目を擦り、立ち上がった。

「……ん?あ、あれ?」

僕の隣に寝ていたはずのジェラルドがいない。

僕は焦った。

⏰:07/06/20 22:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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