俺とコウの物語
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#139 [
]
「三番目の鏡…あぁ、これですね」
コウは何の躊躇もなしに女子トイレに入っていき、三番目の鏡の前に立った。
なんか嫌な予感がする
「コウちょっと待…」
「麻生さん、お願いを聞いてください」
:07/09/29 02:59
:SH901iS
:☆☆☆
#140 [
]
言っちゃった…。
言っちゃったよこの人。
「麻生さんお願いを聞いてください」
「…………」
「麻生さん」
「…………」
しばらく鏡とにらめっこをしていたコウだが、何の反応もなく苛立ったように舌打ちをし、俺に振り返った。
:07/09/29 03:01
:SH901iS
:☆☆☆
#141 [
]
「何もありません。見たところただの鏡です」
半ば残念そうな表情のコウに対し、香苗と恵真は暗い表情のままだ。
「麻生さん…って何〜?」
美和子がトロい口調で言った。
「それよりあなたが誰なんですか」
:07/09/29 03:06
:SH901iS
:☆☆☆
#142 [
]
「だから美和子!何回言えばわかんだよ〜」
何時も同じ問い掛けをするコウに、美和子は若干いらついた口調になった。
お。本性でるか?
「何回聞いてもわかりません。あなたは一体」
「…あなたが美和子…」
コウの言葉を遮ったのは、香苗でも恵真でもない
冷たく暗い声だった。
:07/09/29 03:09
:SH901iS
:☆☆☆
#143 [
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声の主を見た香苗と恵真は口を開いたまま、言葉にならない声を発し、ガタガタと奮え出した。
まさか本当に…
「麻生さん…?」
声の主は
三番目の鏡の近くにいたコウのすぐ後ろで
長い黒髪のすき間から目だけを覗かせ美和子を見ていた。
:07/09/29 03:13
:SH901iS
:☆☆☆
#144 [
]
なんだこいつは。
「…ほう。これはまた厄介な…」
振り返り後ろの女を見つめたコウがため息まじりに呟いた。
「…これ…結構やばないか…?」
今までにみたことないほどのやばい霊だ。
多分、間違いない。
俺の額から嫌な汗が流れる。
:07/09/29 03:18
:SH901iS
:☆☆☆
#145 [
]
「美和子…あなたが…」
ボソッと呟くように
髪の長い女はゆっくりと美和子に近づいて行く。
紀香が何をお願いしたのかはわからないが、相当嫌な予感がする。
俺は足が震えて動かなかった。
:07/09/30 03:17
:SH901iS
:☆☆☆
#146 [
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香苗も恵真も怯えているだろう、ガタガタと震えたまま微動だにしない。
当然か。
美和子は不思議そうな顔で近づいてくる女を見ている。
どうしたらいい?
俺はどうしたら…
「待って下さい」
:07/09/30 03:23
:SH901iS
:☆☆☆
#147 [
]
誰一人口も開かず
動けない中で唯一口を開いたのはやはり
「ちょっと待ちなさい」
コウだった。
コウの声に、髪の長い女は足を止め、ゆっくりコウに振り返る。
:07/09/30 03:26
:SH901iS
:☆☆☆
#148 [
]
「あなたが麻生さんですか」
冷静に問う。
「…………」
女はコウを見たまま口を開かずに立ち止まっている。
「あなたが麻生さんですか」
「…………」
:07/09/30 03:28
:SH901iS
:☆☆☆
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