俺とコウの物語
最新 最初 全
#144 []
なんだこいつは。
「…ほう。これはまた厄介な…」
振り返り後ろの女を見つめたコウがため息まじりに呟いた。
「…これ…結構やばないか…?」
今までにみたことないほどのやばい霊だ。
多分、間違いない。
俺の額から嫌な汗が流れる。
:07/09/29 03:18 :SH901iS :☆☆☆
#145 []
「美和子…あなたが…」
ボソッと呟くように
髪の長い女はゆっくりと美和子に近づいて行く。
紀香が何をお願いしたのかはわからないが、相当嫌な予感がする。
俺は足が震えて動かなかった。
:07/09/30 03:17 :SH901iS :☆☆☆
#146 []
香苗も恵真も怯えているだろう、ガタガタと震えたまま微動だにしない。
当然か。
美和子は不思議そうな顔で近づいてくる女を見ている。
どうしたらいい?
俺はどうしたら…
「待って下さい」
:07/09/30 03:23 :SH901iS :☆☆☆
#147 []
誰一人口も開かず
動けない中で唯一口を開いたのはやはり
「ちょっと待ちなさい」
コウだった。
コウの声に、髪の長い女は足を止め、ゆっくりコウに振り返る。
:07/09/30 03:26 :SH901iS :☆☆☆
#148 []
「あなたが麻生さんですか」
冷静に問う。
「…………」
女はコウを見たまま口を開かずに立ち止まっている。
「あなたが麻生さんですか」
「…………」
:07/09/30 03:28 :SH901iS :☆☆☆
#149 []
「答えなさい。あなたが麻生さんですか」
何も答えようとしない女に苛立ったのか、コウは眉間にしわを寄せた。
「僕が質問しているんです。早く答えなさい」
でたー
この世は僕中心に回ってるんですよ発言!
:07/09/30 03:30 :SH901iS :☆☆☆
#150 []
「…なんで男子がいるの」
「はい?」
「なんで男子が女子トイレにいるのよ」
女は長い髪の間から覗かせた目をコウに向けて言った。
「ここは女子トイレでしょう?」
おっしゃるとおりです。
:07/09/30 03:41 :SH901iS :☆☆☆
#151 []
「いたらダメな理由があるんですか」
コウは女をギロッと睨みながら、低い声で言った。
いやいや、普通はダメでしょ!
「今願い事をしたのはお前か…?」
目線をコウに向けたまま、女が言う。
「まずは僕の問いに答えなさい。あなたは麻生さんですか、と僕何度も聞いてますよね」
:07/09/30 03:44 :SH901iS :☆☆☆
#152 []
コウと女はお互いを見つめ合ったまましばらく動かなかった。
先に口を開いたのは
「…そうよ」
麻生さんだった。
「ほう。あなたが麻生さんですか」
棒読みに近い状態でコウが言った。
:07/10/01 05:47 :SH901iS :☆☆☆
#153 []
「僕、お願いをしたいのですが」
コウは麻生さんに近寄りながら低い声で言う。
「…聞けないわ」
麻生さんは髪の間から目線をコウに向けたまま、冷静に言った。
「なぜですか」
:07/10/01 05:49 :SH901iS :☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194