俺とコウの物語
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#169 []
15分経過したが、コウのトークはノンストップだ。
むしろ話に拍車がかかり、やや興奮気味。

あげくの果てには物真似をしだしてしまった。

「お前さんの恨み、晴らしてやったぜ」

「…………」

似てない。

俺は今日耳栓を買おう、と決心した。

⏰:07/10/05 03:11 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#170 []
学校へ行く間中も
ウザがる俺を全く気にせずにコウは延々と仕事人、中村さんの話題をしていた。

「…そこで藤田まことが敵の…」

はぁ…ウザイ。

俺は耳に手をあてながら学校への道を歩く。

「…志乃ぉ……」

⏰:07/10/05 03:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#171 []
耳に手をあてていた俺だがこの愛しい声は聞き逃さなかった。

「幸子!おはよう」

「…おはよ……」

俺の後ろから声をかけてきた幸子は、あからさまに暗い…いや、悲しい表情だった。

「どしてん?」

⏰:07/10/05 03:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#172 []
「…あのね……」

幸子は口を開こうとしない。

「幸子?どしたん?」

「………」

「幸子?」

「―で、ですね、その時藤田まことが…―志乃くん!聞いてますか?」

「やかましい!」

まだ仕事人の話しとんかいなコイツは。

⏰:07/10/06 02:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#173 []
「おや?幸子さんいたんですか」

お前がいたんですか、じゃ。

「…神谷くん…おはよ…」

「元気ないですね、どうしました?」

「う…ん……」

幸子は俯いたまま、俺の制服の裾を掴んだ。

⏰:07/10/06 02:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#174 []
「どした?話聞くで、二人になるか?」

俺は幸子ももちろん心配だが、コウから離れたくて仕方なかった。

「そうしましょう、あちらで話を聞きましょうか」

お前も来るんかい!!

⏰:07/10/06 02:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#175 []
「…うん…じゃあ…」

幸子は俺の裾を掴んだまま俺の後についてきた。

表情が暗い。
一体どうした…?

しばらく歩き、学校の近くにある公園のベンチに腰を降ろした。

「さて、聞きましょう」

余計なコイツも一緒に。

⏰:07/10/06 02:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#176 []
ベンチに座り、しばらく幸子は俯いたまま何も話さなかったが、しびれを切らしたコウが煙草に火をつけると同時に重い口を開いた。

「実は昨日、電話かかってきてん…」

「誰から?」

「…わからんねやけど…内容が…」

⏰:07/10/06 03:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#177 []
「うん、内容が?」

「………あんたは嫌われてるって…」

「…は?」

あんたは嫌われてる?

あんたはって…幸子が?

俺の愛しいマイハニー幸子が嫌われてるやて?

そんな馬鹿な。

「…昨日何回も……」

⏰:07/10/06 03:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#178 []
何回も…?

「同じ番号から?番号でてたんやろ?」

「…非通知やってん…でも、声は同じやった…」

「その声に聞き覚えはありますか?」

煙草の煙を吐きながら、コウは眉間にしわを寄せた。

「…わからへん…」

⏰:07/10/06 03:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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