俺とコウの物語
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#9 []
「おっはよ〜!」

ガラッと元気よく教室の扉を開ける俺の後ろから
コウは眠気と戦いながらついてくる。

「…はよございます…」

「志乃おはよ!神谷くんもおはよう!」

「幸子おはよ!」

三年生になり、俺は念願の幸子と同じクラスになった

⏰:07/06/28 03:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#10 []
「幸子さんおはようございます。僕への挨拶はオマケみたく聞こえましたが」

間違いなくオマケじゃ!
幸子がなぜお前メインに挨拶しなアカンのや。

「そんな事ないよ〜!」

相変わらず幸子って
か わ い い !

⏰:07/06/28 03:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#11 []
「コウくんおはよ…」

俺たちの後ろから
遠慮がちにコウに挨拶をする女の声。

「あぁ、おはようございます百合江さん」

百合江とは
三年生になりコウに告白をしてきた女。
見た目は…何も言うまい。付き合ってるわけではないと思うけど
コウもまんざらじゃない様子だ。

⏰:07/06/28 03:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#12 []
「どうしたんですか?」

コウが百合江の顔を覗き込み、ニヤリと口角を上げた

「そんなに見つめてどうかされました?」

「あ…ううん…」

「返事、ですか?僕まだ返事してませんでしたね」

コウの言葉に
百合江は顔を真っ赤にして俯いた。

⏰:07/07/02 04:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#13 []
返事とは多分告白の返事のことだろう。

「聞きたいですか?」

「聞きたい!!」

「……志乃くんには聞いてません」

コウは横目で俺を睨んだ

なぜ志乃くんがいるんですかとでも言いたそうだ。

「だいたいなぜあなたがいるんですか」

言ったー!!

⏰:07/07/02 04:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#14 []
「同じクラスやん!」

「そうですね」

コウは興味なさそうに大きくあくびをした。

こいつ…家帰ったらいじめてやる。

「百合江さん返事、しましょうか?」

「…やっ…まだいい…」

百合江はそれだけ言い、真っ赤な顔のままその場を去った。

⏰:07/07/02 04:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#15 []
「コウのこと好きとか物好きなやつもおるんやな」

百合江がいなくなった教室で、俺はコウの机の上に座りコウと向き合った。

「では世の中のほとんどの方が物好きですね」

教科書を机から取り出し、パラパラっと開きながらコウが言った。

⏰:07/07/02 04:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#16 []
「なんで?」

「言ったはずです。僕はモテます、と。誰かとは違って」

「誰かとはって誰?」

「……………」

コウは何も答えず教科書に目を向けたままだ。

「なぁ誰かって?」

しつこくつめ寄る俺を
コウはチラリと見、バカにした目付きでニッと笑った

「俺かい!!!」

⏰:07/07/02 04:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#17 []
「さぁ…どうでしょう」

「明らかに今俺やっていいたげな顔やったやん!だいたいなんや?世の中のほとんどが物好き!?はっ!ほんなら世の中のほとんどのやつがお前のこと好きっちゅーわけかい!そんなアホな事あるか!」

マシンガンみたいに俺はやたら長い台詞を感情込みで言ってやった。

「すみませんうるさいので黙ってて下さい」

回答になってねぇーー!!

⏰:07/07/02 04:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#18 []
「……ムカつく…」

「はい?」

「ムカつく」

「そうですか」

コウは鼻でフッと笑い
教科書をめくった。

「志乃くん席にちゃんとつきなさい」

「へいへい」

⏰:07/07/03 14:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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