俺とコウの物語
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#182 []
「幸子は俺のやから」

「知ってますよ」

クスクス笑うコウの隣で、幸子は俯きながらも顔を赤らめた。

…なるほど。
コウのたくらみか。

幸子を暗い表情から少しでも救うために言ったようだ。

それでも許さないけど。

⏰:07/10/06 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#183 []
コウの頭を一発ぶん殴り、幸子に詳しく話を聞くことにした。

「…痛いです」

頭を押さえながらコウは俺に向かいぶつぶつと文句を言っている。

「やかましい」

コウを気にせずに幸子の話を聞く。

⏰:07/10/06 03:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#184 []
「急に鳴ったん。携帯が。ただ、一言だけ“あんたは嫌われてる”って…ずっとその一言だけやった。」

一言だけ…ずっと…

何か変や。

「その声もね、なんか機械音みたかった。普通の電話口の声じゃないみたいな…なんか怖かってん…」

「嫌われる心当たりも、もちろんないですよね?」

⏰:07/10/06 03:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#185 []
「当たり前やん!幸子が嫌われるわけないやん!」

馬鹿じゃねーのか!?

「志乃くん興奮しないで下さいよ、聞いただけですから」

聞く必要もないわ!
幸子が嫌われる理由なんてない!

「まぁ…幸子さんが嫌われる原因があるならば…嫉妬ですかね」

⏰:07/10/06 03:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#186 []
「嫉妬…?」

「はい。女の嫉妬は醜いですから。幸子さんはかわいらしいですが、女子生徒からの嫉妬もすごそうです」

「…………」

考えたこともなかった。

幸子は容姿はもちろんかわいい!性格もかなりいい!全てパーフェクト!

それゆえに嫉妬する女が嫌がらせを…?

⏰:07/10/06 03:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#187 []
「あー!あーー!!」

「…なんですか志乃くんキモチ悪いですね」

急に叫びだす俺をコウは怪訝な顔で見ていた。

俺はまたもやコウを殴ろうとしたが、コウの呟くような小さな一言で俺の思考は停止してしまった。そう、恐怖で。

「その嫉妬から女子生徒の誰かが麻生さんに頼んで幸子さんを苦しめなければいいのですが…」

⏰:07/10/06 03:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#188 []
「え…?麻生さん…?」

コウの小さな呟きが聞こえたのか、幸子は不思議そうな表情で言った。

「麻生さんって…誰?」

幸子は多分知らないのだろう。

「あ?何それ?」

俺もとっさにとぼけてみせる。

⏰:07/10/08 00:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#189 []
コウもハッとし、俺に合わせてとぼけてみせた。

「すみません昨日読んだ小説を思い出してしまい独り言を言ってしまいました」

苦しすぎ!!

こいつはもっとうまいこととぼけられんのか。

⏰:07/10/08 00:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#190 []
「小説…そーなんやぁ…なんの小説読んでたん?」

幸子がアホでよかった!

「タイトルは忘れました。タイトル未定です(の別の小説ですちゃっかりアピール)」

また苦しい!
コウくん苦しい!

⏰:07/10/08 02:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#191 []
「幸子さん、電話は確かに気味が悪いですがただのイタズラです、あまり気にしない方がいいと思いますよ」

煙草を地面に押しつけ、コウが言った。

「そうそう!気にすんなって!何かあったら俺が幸子を守るし!」

⏰:07/10/11 03:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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