俺とコウの物語
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#11 []
「コウくんおはよ…」

俺たちの後ろから
遠慮がちにコウに挨拶をする女の声。

「あぁ、おはようございます百合江さん」

百合江とは
三年生になりコウに告白をしてきた女。
見た目は…何も言うまい。付き合ってるわけではないと思うけど
コウもまんざらじゃない様子だ。

⏰:07/06/28 03:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#12 []
「どうしたんですか?」

コウが百合江の顔を覗き込み、ニヤリと口角を上げた

「そんなに見つめてどうかされました?」

「あ…ううん…」

「返事、ですか?僕まだ返事してませんでしたね」

コウの言葉に
百合江は顔を真っ赤にして俯いた。

⏰:07/07/02 04:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#13 []
返事とは多分告白の返事のことだろう。

「聞きたいですか?」

「聞きたい!!」

「……志乃くんには聞いてません」

コウは横目で俺を睨んだ

なぜ志乃くんがいるんですかとでも言いたそうだ。

「だいたいなぜあなたがいるんですか」

言ったー!!

⏰:07/07/02 04:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#14 []
「同じクラスやん!」

「そうですね」

コウは興味なさそうに大きくあくびをした。

こいつ…家帰ったらいじめてやる。

「百合江さん返事、しましょうか?」

「…やっ…まだいい…」

百合江はそれだけ言い、真っ赤な顔のままその場を去った。

⏰:07/07/02 04:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#15 []
「コウのこと好きとか物好きなやつもおるんやな」

百合江がいなくなった教室で、俺はコウの机の上に座りコウと向き合った。

「では世の中のほとんどの方が物好きですね」

教科書を机から取り出し、パラパラっと開きながらコウが言った。

⏰:07/07/02 04:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#16 []
「なんで?」

「言ったはずです。僕はモテます、と。誰かとは違って」

「誰かとはって誰?」

「……………」

コウは何も答えず教科書に目を向けたままだ。

「なぁ誰かって?」

しつこくつめ寄る俺を
コウはチラリと見、バカにした目付きでニッと笑った

「俺かい!!!」

⏰:07/07/02 04:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#17 []
「さぁ…どうでしょう」

「明らかに今俺やっていいたげな顔やったやん!だいたいなんや?世の中のほとんどが物好き!?はっ!ほんなら世の中のほとんどのやつがお前のこと好きっちゅーわけかい!そんなアホな事あるか!」

マシンガンみたいに俺はやたら長い台詞を感情込みで言ってやった。

「すみませんうるさいので黙ってて下さい」

回答になってねぇーー!!

⏰:07/07/02 04:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#18 []
「……ムカつく…」

「はい?」

「ムカつく」

「そうですか」

コウは鼻でフッと笑い
教科書をめくった。

「志乃くん席にちゃんとつきなさい」

「へいへい」

⏰:07/07/03 14:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#19 []
席につき、
俺は頬杖をつきながら教室を見渡した。

幸子がクラスの女子と楽しそうに笑っている。

かわい〜。幸子だけ輝いて見えるわ………

「…ん?」

なんだ?

俺は目を見開いた。
ある人物の動きが気になってしかたない。

⏰:07/07/03 14:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#20 []
あいつ…何しとるんや?

その人物は
なにやら願掛け人形らしきものを握りしめ
呪文みたいのを唱えている

「…こわっ!!」

そいつの目線の先は

コウだった。

そう、その人物とは百合江である。

コウが…やばい?

⏰:07/07/03 14:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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