俺とコウの物語
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#196 []
やっぱりそうか。

しかし霊相手じゃどうしていいのか…。

「コウ…どーする?」

「…そうですね…」

コウはしばらく俯き、親指をガリッと噛んだ。

「何か怨念があるのかもしれません」

「…誰が」

「麻生さんが、ですよ」

⏰:07/10/12 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#197 []
まぁ、確かに怨念があるから霊になってさ迷ってるんやろな。

「怨みを晴らしてあげましょうか」

「は」

「僕たちが晴らせぬ怨み、晴らしてさしあげましょう」

「…………」

この台詞…いかにも

「必殺仕置人です」

何それ!一体何の仕置きするの?

⏰:07/10/13 03:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#198 []
コウの謎の言葉と共に、
俺はコウに手を引かれ(?)学校へと向かった。

学校についたはいいが…

「あのさ〜」

「なんですか」

「普通にこれは変態じゃないですか?」

そう、いかにも。
俺とコウは三階の女子トイレ、もとい女子排泄室の前にいる。

本日は普通〜に学校。もちろんみんな登校している。

⏰:07/10/16 03:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#199 []
「変態ではなく、仕置き人と呼んでいただきたいですね」

この時代、変態としか呼ばんやろ。

「志乃くん準備はいいですか?」

「なんの」

「仕置き人のですよ」

「…無理」

「では入ります」

無理てゆーたんですけど!

⏰:07/10/16 03:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#200 []
「きゃぁぁああ!!」

バタンという女子トイレのドアを開けると共に、
トイレにいた女子達から
ものすごい悲鳴を上げられた。

ま、当然だけど。

「…悲鳴を上げるとは失礼ですね」

女子トイレにノックもなく男子が入る方が失礼ですけど。

⏰:07/10/16 03:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#201 []
中にいた女子は俺とコウを変質者を見るような目付きで見、悲鳴を上げながら出て行った。

「邪魔者は消えました」

そーですね。

「では」

コウは三番目の鏡の前に立つ。

「麻生さん、お願いします。出てきてください」

⏰:07/10/16 03:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#202 []
コウが呪文(?)を唱えるが、鏡は依然として静かなままだ。

「麻生さん、お願いしますよ」

「……………」

「…麻生さん…お願いしますと言っています」

「……………」

「僕がお願いしますと言ってるんですけど」

⏰:07/10/17 02:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#203 []
コウの言葉もむなしく、
麻生が出てくる気配はなかった。

「出てきません」

ムスッとした表情で、コウは俺に振り返った。

「だな」

「どうしましょうか」

どうしましょうね。

親指の爪を噛みながらしばらくしてコウが口を開いた。

「閃きました」

⏰:07/10/17 02:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#204 []
コウは先程と打って変わって、なにやら晴れやかな顔つきになった。

「…コウ?一体どんな良からぬ事閃いたんや?」

「失礼ですね。僕の閃きは良い事に決まっているでしょう」

決まってません。
嫌な予感がします。
どうか…どうか的中…

「麻生さん、僕達があなたの頼みを聞いてさしあげましょう」

…的中しませんように。

⏰:07/10/17 02:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#205 []
「麻生さん、どうでしょう?頼みを聞いて差し上げますから、出てきてくれませんか」

あーあ…
言っちゃったよこの人…
って……

ん?

今、僕 た ち って言っちゃいませんでしたか?

「俺も!?」

⏰:07/10/17 02:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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