俺とコウの物語
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#200 [
]
「きゃぁぁああ!!」
バタンという女子トイレのドアを開けると共に、
トイレにいた女子達から
ものすごい悲鳴を上げられた。
ま、当然だけど。
「…悲鳴を上げるとは失礼ですね」
女子トイレにノックもなく男子が入る方が失礼ですけど。
:07/10/16 03:30
:SH901iS
:☆☆☆
#201 [
]
中にいた女子は俺とコウを変質者を見るような目付きで見、悲鳴を上げながら出て行った。
「邪魔者は消えました」
そーですね。
「では」
コウは三番目の鏡の前に立つ。
「麻生さん、お願いします。出てきてください」
:07/10/16 03:33
:SH901iS
:☆☆☆
#202 [
]
コウが呪文(?)を唱えるが、鏡は依然として静かなままだ。
「麻生さん、お願いしますよ」
「……………」
「…麻生さん…お願いしますと言っています」
「……………」
「僕がお願いしますと言ってるんですけど」
:07/10/17 02:16
:SH901iS
:☆☆☆
#203 [
]
コウの言葉もむなしく、
麻生が出てくる気配はなかった。
「出てきません」
ムスッとした表情で、コウは俺に振り返った。
「だな」
「どうしましょうか」
どうしましょうね。
親指の爪を噛みながらしばらくしてコウが口を開いた。
「閃きました」
:07/10/17 02:19
:SH901iS
:☆☆☆
#204 [
]
コウは先程と打って変わって、なにやら晴れやかな顔つきになった。
「…コウ?一体どんな良からぬ事閃いたんや?」
「失礼ですね。僕の閃きは良い事に決まっているでしょう」
決まってません。
嫌な予感がします。
どうか…どうか的中…
「麻生さん、僕達があなたの頼みを聞いてさしあげましょう」
…的中しませんように。
:07/10/17 02:23
:SH901iS
:☆☆☆
#205 [
]
「麻生さん、どうでしょう?頼みを聞いて差し上げますから、出てきてくれませんか」
あーあ…
言っちゃったよこの人…
って……
ん?
今、僕 た ち って言っちゃいませんでしたか?
「俺も!?」
:07/10/17 02:39
:SH901iS
:☆☆☆
#206 [
]
「当たり前です」
「なんでやねん!」
「あなたの恋人を助けるために僕がわざわざ協力しているんでしょう?」
そーなん?
俺とコウが言い合いをしていると、鏡から呟くような声が聞こえてきた。
「…何でも聞くの…?」
:07/10/17 02:41
:SH901iS
:☆☆☆
#207 [
]
恐る恐る俺は鏡に目を向ける。
鏡にはまだ何も映ってはいない。
やべー…
寒気がする。
「コウ…今…」
「なにか?」
こいつ聞こえんかったんか?
「今鏡のとこから…」
「なんでも聞くの…?」
:07/10/22 02:07
:SH901iS
:☆☆☆
#208 [
]
俺は背筋が凍りそうになった。
今度は確かに、はっきりと鏡から声が聞こえた。
「志乃くん?何か?」
「…お前聞こえんのか?」
「いえ、聞こえてます」
ほな聞くな!
「私の頼み…何でも聞くの?」
:07/10/22 02:10
:SH901iS
:☆☆☆
#209 [
]
三番目の鏡に再び目を向けると、鏡の向こうには髪の長い女が映っていた。
「あ…麻生…」
「麻生さんこんにちは。お元気ですか」
淡々とコウは鏡の前に立ち話す。
霊なんやから元気なわけないやろ!
:07/10/22 02:13
:SH901iS
:☆☆☆
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