俺とコウの物語
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#207 []
恐る恐る俺は鏡に目を向ける。
鏡にはまだ何も映ってはいない。
やべー…
寒気がする。
「コウ…今…」
「なにか?」
こいつ聞こえんかったんか?
「今鏡のとこから…」
「なんでも聞くの…?」
:07/10/22 02:07 :SH901iS :☆☆☆
#208 []
俺は背筋が凍りそうになった。
今度は確かに、はっきりと鏡から声が聞こえた。
「志乃くん?何か?」
「…お前聞こえんのか?」
「いえ、聞こえてます」
ほな聞くな!
「私の頼み…何でも聞くの?」
:07/10/22 02:10 :SH901iS :☆☆☆
#209 []
三番目の鏡に再び目を向けると、鏡の向こうには髪の長い女が映っていた。
「あ…麻生…」
「麻生さんこんにちは。お元気ですか」
淡々とコウは鏡の前に立ち話す。
霊なんやから元気なわけないやろ!
:07/10/22 02:13 :SH901iS :☆☆☆
#210 []
「何でも聞くのよね?」
鏡の中で麻生は長い髪を垂らしながら言った。
髪の毛で表情が見えない。
「いえ、聞けない場合もありますが」
「……………」
「まぁ言ってみて下さい」
こいつは絶対聞かない、と俺は確信した。
:07/10/28 02:53 :SH901iS :☆☆☆
#211 []
「…麻生さん」
コウはため息まじりに麻生の名を呼ぶと、真剣な顔つきになり麻生をじっと見据えた。
「あなたが鏡に住み着く理由を教えて頂きたい。ここで女子生徒の頼みを聞いてあなたは満足なのですか」
「……………」
「あなたに黙秘権はありませんよ」
…なぜだ!?
:07/10/28 02:59 :SH901iS :☆☆☆
#212 []
「僕の質問には答えなさい。答えない場合、僕を怒らせることになりかねません」
ここまで黙秘権を使っていた俺は、口を開いた。
「お前怒らせたらどーなんねん?」
「…志乃くんは少し黙ってて下さい」
「なんでやねん!」
どうやら俺には黙秘権があるらしい。
:07/10/28 03:02 :SH901iS :☆☆☆
#213 []
「麻生さん答えなさい」
「……………」
沈黙を貫き通す麻生に、コウはいらついたように親指の爪を噛んだ。
「ハッキリ言います。僕はだいたいの事は察しがついています。あなたはいじめにあっていた、だから頼みを聞くんでしょう?あなたをいじめていた方に仕返しをするために」
:07/10/28 03:07 :SH901iS :☆☆☆
#214 []
「………は?」
ちょっと待って。
意味不明なんだけど。
「どーゆー事?」
俺はコウの言葉が理解できなかったが、
麻生はコウの言葉を聞いた瞬間、ピクリと動き顔をあげた。
初めて真正面からみる麻生の顔は、右半分に火傷のような跡があった。
:07/10/28 03:09 :SH901iS :☆☆☆
#215 [でら]
あげます
:07/11/23 05:32 :SH903i :sJdPdL/2
#216 [我輩は匿名である]
あげる
:07/12/28 19:11 :N904i :VnTqAIis
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