俺とコウの物語
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#223 []
怖いんですけど。
冷や汗が垂れる。
「………………」
誰も言葉を発しない。
が…やはり先に口を開いたのは
「いいでしょう。見つめ合う最中すみませんが、僕があなたの代わりに述べましょうか?あくまでも僕の予想ですが。よろしいですよね?麻生さん。」
冷めた目のコウだった。
:08/01/19 04:36 :P904i :☆☆☆
#224 []
「いいですか?」
コウは麻生を見据えながら強い口調で言った。
いや、強い口調だが、半ば呆れたようにも聞こえる。
こいつは多分あきれているのだろう。
「麻生さんは…」
ゆっくりと
コウが話し出す。
:08/01/19 04:47 :P904i :☆☆☆
#225 []
【第六章 未解決事件】
「麻生さんは、いじめにあっていた。それも自殺するほどまでに辛いいじめです。あなたはいじめを苦に自殺した。それは間違っていませんよね?」
コウは麻生をチラリと見た。が、麻生は俯き何も答えなかった。
「…いじめの原因って?」
俺の言葉にコウは眉間にしわを寄せた。
:08/01/19 04:50 :P904i :☆☆☆
#226 []
「容姿…」
「え?」
聞き返す俺に、コウは曇った表情をしながら続けた。
「容姿です。わかりませんか?麻生さんは容姿についていじめられていたんですよ。」
親指を口元に当てながらコウはギロリと麻生を睨む。
:08/01/19 04:55 :P904i :☆☆☆
#227 []
「ひでぇな…。」
容姿なんて…
誰だって好きこのんでそんな容姿になったわけじゃないのに…
「志乃くん、違いますよ」
「はい?」
「あなた今、麻生さんの容姿が悪いからいじめられていた、そう捉えたでしょう?」
:08/01/19 04:57 :P904i :☆☆☆
#228 []
そりゃもちろんそうだろ。
「違います。逆なんですよ。」
「…は?逆?」
逆って?つまり
「あなたは生前とても美しかった。その美しい容姿ゆえ女子生徒からの嫉妬がひどく、いじめという形になった。違いますか?」
:08/01/19 04:59 :P904i :☆☆☆
#229 []
コウの言葉に
麻生はやはり何も答えなかった。
「…嫉妬でいじめ…?」
女の嫉妬はそれほどまでに醜いのか?
「…醜いです…」
コウはガリッと音がするほど親指の爪を噛んだ。
「女性の嫉妬はとても醜いものです。」
:08/01/20 04:25 :P904i :☆☆☆
#230 []
ガリガリと爪を噛みながらコウは麻生を見つめる。
「あなたはいじめを苦に自殺し、自分をいじめていた方を恨んでいる…と思います。が、今あなたは、あなたをいじめていた方と同類ですよ。例え…」
コウが小さな声で続ける言葉を
俺は聞き逃せなかった。
「例えあなたが…幸子さんを守ろうとしても。」
:08/01/20 04:30 :P904i :☆☆☆
#231 []
「…は?…幸…子?」
なんだ?
今コウのやつ、麻生が幸子を守るとか言ってなかったか?
「…コウ?どういう…」
「そのままの意味ですよ。幸子さんを守ろうとも、あなたがしている事は無意味なことです。」
俺の言葉をイラついたような口調でコウは遮った。
:08/01/22 04:28 :P904i :☆☆☆
#232 []
「ちょ…待て、待って。意味がわからんねやけど」
コウの言葉も
麻生の表情の理由も全くわからない、1人場違いな俺はコウに詰め寄った。
コウはただただ麻生を睨み付け、しばらく口を閉ざした。
:08/01/23 03:55 :P904i :☆☆☆
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