俺とコウの物語
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#227 []
「ひでぇな…。」
容姿なんて…
誰だって好きこのんでそんな容姿になったわけじゃないのに…
「志乃くん、違いますよ」
「はい?」
「あなた今、麻生さんの容姿が悪いからいじめられていた、そう捉えたでしょう?」
:08/01/19 04:57 :P904i :☆☆☆
#228 []
そりゃもちろんそうだろ。
「違います。逆なんですよ。」
「…は?逆?」
逆って?つまり
「あなたは生前とても美しかった。その美しい容姿ゆえ女子生徒からの嫉妬がひどく、いじめという形になった。違いますか?」
:08/01/19 04:59 :P904i :☆☆☆
#229 []
コウの言葉に
麻生はやはり何も答えなかった。
「…嫉妬でいじめ…?」
女の嫉妬はそれほどまでに醜いのか?
「…醜いです…」
コウはガリッと音がするほど親指の爪を噛んだ。
「女性の嫉妬はとても醜いものです。」
:08/01/20 04:25 :P904i :☆☆☆
#230 []
ガリガリと爪を噛みながらコウは麻生を見つめる。
「あなたはいじめを苦に自殺し、自分をいじめていた方を恨んでいる…と思います。が、今あなたは、あなたをいじめていた方と同類ですよ。例え…」
コウが小さな声で続ける言葉を
俺は聞き逃せなかった。
「例えあなたが…幸子さんを守ろうとしても。」
:08/01/20 04:30 :P904i :☆☆☆
#231 []
「…は?…幸…子?」
なんだ?
今コウのやつ、麻生が幸子を守るとか言ってなかったか?
「…コウ?どういう…」
「そのままの意味ですよ。幸子さんを守ろうとも、あなたがしている事は無意味なことです。」
俺の言葉をイラついたような口調でコウは遮った。
:08/01/22 04:28 :P904i :☆☆☆
#232 []
「ちょ…待て、待って。意味がわからんねやけど」
コウの言葉も
麻生の表情の理由も全くわからない、1人場違いな俺はコウに詰め寄った。
コウはただただ麻生を睨み付け、しばらく口を閉ざした。
:08/01/23 03:55 :P904i :☆☆☆
#233 []
「…お前は…」
沈黙を破ったのは
麻生だった。
「お前は一体何者だ」
コウをじっと見据えながら麻生が言った。
「僕ですか?」
コウはイラついた口調のまま、口角だけをフッと吊り上げ言った。
「ただの一般人ですよ。」
:08/01/23 03:57 :P904i :☆☆☆
#234 []
「麻生さん、僕はただの一般人。想像だけでは語れません。僕の話しは単なる予想ですからね。予想であなたの生前を語られるのは嫌でしょう?」
コウの半ば自信満々な表情に、麻生は目線を下げた。
「ならばあなたの口から、あなたの生前を話してください。」
コウの口調が強くなる。
「あなたがなぜ、ここに留まっているのか、その理由を述べなさい。」
:08/01/23 04:01 :P904i :☆☆☆
#235 []
ギロリと鋭い目付きで麻生を睨むコウ。
俺が麻生なら
もうコウには逆らえないだろう。
麻生も俺と同じなのか
ゆっくりと口を開いた。
「わたしは…」
:08/01/23 04:03 :P904i :☆☆☆
#236 []
長いので前回同様略します。語り手は毎度お馴染み柏木志乃。
麻生の話はこうだった。
高校一年の春。
何もかもが初々しい時期。これからはじまる楽しいはずの高校生活、麻生はいじめにあった。
:08/01/24 05:17 :P904i :☆☆☆
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