俺とコウの物語
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#22 []
コウは相変わらずのポーカーフェイスで

「なんですか」

と聞いてきた。

「百合江が…百合江がお前に呪いをかけとる!!」

「………はい?」

「へんな人形握りしめてお前に向かって呪いの呪文を唱えとんねん!」

俺の言葉にコウはちらっと百合江の方に目を向けた。

⏰:07/07/06 09:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#23 []
「ああ…あれは……」

コウはクスッと笑うと
再び教科書を手にとり
パラパラと開いた。

「なんやねん」

「あれは呪いではなく願掛けです。つまり僕と付き合いたい、と願掛けをしているのでしょう」

願 掛 け ?

「………キモい…」

⏰:07/07/06 09:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#24 []
「はい?何か言いましたか?」

「キモい!願掛けとかキモいわ!お前はキモいと思わへんのか?」

「……いえ別に」

コウはシャーペンをくるくる回しながら恐ろしい言葉を続けた。

「かわいらしいじゃないですか、願掛けまでしても僕の心を自分に向かせたい、と。その考えがとてもかわいらしいです」

⏰:07/07/06 09:08 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#25 []
か わ い い ?

今、こいつかわいいとか言ったか?

「かわいい…?願掛けで呪いをかける女がかわいいやて?」

「ですから呪いではありません」

「ほんならそのかわいい女と付き合うんか?」

「それはわかりません」

コウはまたも教科書に目を向けてしまった。

⏰:07/07/06 09:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#26 []
「でもさ〜コウくんよ〜」

教科書に目を向け、俺に話し掛けるなオーラを出しているコウにわざと声をかける。

「そろそろ付き合う、付き合わんハッキリさした方がえーんちゃうの?」

「なぜですか」

「だってほら、なんせコウくんモテますから?早めに返事しやんと他の子が告白しにくいやん?」

⏰:07/07/07 01:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#27 []
「…なるほど」

コウはたいして興味なさそうにシャーペンをくるくるまわしながら教科書と睨めっこしている。

こいつ…ムカピー!!

「おい!お前次の授業席かわれや!」

俺はコウの隣の席のひ弱そうな男に無理矢理席をかわってもらった。

⏰:07/07/07 01:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#28 []
「…志乃くん一体あなたはなにを……」

コウはため息をつき
あからさまに嫌そうな顔で俺の顔を見た。

「コウの隣にきたかってんも〜ん!」

ニヤニヤしながら言った俺にコウはまたもやでかいため息をついた。

「本当にあなたはキモいですね」

⏰:07/07/07 01:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#29 []
やかましい

「やかましい」

「まぁいいですが僕も志乃くんがそばにいてうれしいです」

いかにも感情がこもってないとわかるくらいコウは棒読みで言った。

「やかましい」

「やかましいは口癖ですか」

今気付いたけどそーみたい。

⏰:07/07/07 22:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#30 []
二限目の授業中
俺はずっとコウにちょっかいを出していた。

「なぁ…おいコウ!」

「………………」

「コウちゃ〜ん!」

「………………」

「おい!コウさんよ!」

「柏木!!うるさいぞ!ワシの授業がつまらんなら出ていけ!!」

あらら。
追い出されちゃった。

⏰:07/07/08 00:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#31 []
教室を追い出され、やることのない俺は
ふと目の前にある図書室に足を踏み入れた。

「は〜…ちょっと寝るかな…」

机にうっ伏せた瞬間
携帯が電子音を発した。

「うおっ!やべーやべー俺バイブにしてへんかった…ん?メールか…」

⏰:07/07/08 00:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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