俺とコウの物語
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#313 []
俺とコウが火花を散らしていると、困ったような表情の幸子が、
「電車、きたんちゃう?」
と指差した。
「あ、来ましたね。乗りましょう。志乃くん早く席取ってください」
「俺が!?」
「あなた以外誰が?」
お前じゃ!!
:08/02/03 01:23 :P904i :☆☆☆
#314 []
やはりいつものようにコウに使われやすい俺は、真っ先に四人用の席を取った。
「志乃くんもやればできるじゃないですか」
棒読みでコウが言い、席に座る。
礼くらい言わんかい!
:08/02/04 03:20 :P904i :☆☆☆
#315 []
伊豆までの電車内は
それはそれは地獄だった。コウの姫菜へのサービスはエンドレスで、見ている幸子はずっと苦笑い。
俺?俺はもちろんコウにやかましいオーラを出しまくった。まぁ完璧無視を決め込まれたけど。
ようやく地獄から伊豆へ到着した。
「やっと地獄から脱出!」
:08/02/04 03:24 :P904i :☆☆☆
#316 []
電車から降りるなり、でかい声で叫んだ俺を、コウは怪訝な顔つきで見る。
「地獄とは?」
「あ〜別に気にすんな」
イヤミったらしく言うてやった。
「そうですか」
気にせえや!!
:08/02/04 03:26 :P904i :☆☆☆
#317 []
イライラしながら別荘までの道のりを歩いていると、前方から幼い少女が歩いてきた。
「おや、あの子は…」
コウが少女を見ながら呟いた。
「知り合いか?」
「いえ、彼女、幼いながらお美しいです」
お前はロリコンか!
:08/02/04 03:30 :P904i :☆☆☆
#318 []
コウを不審者に思いながらも、俺も少女が気になった。
見る感じ小学5〜6年といったところか。
サラサラの長い髪に白い肌。伏せている目は、長いまつげにおおわれている。
美少女、といったところか。
でも俺はその美少女にそぐわない、あるものが気になっていた。
そう、彼女の右目には
眼帯がつけられていた。
:08/02/04 03:35 :P904i :☆☆☆
#319 []
「眼帯…」
「怪我でもされているのでしょうか」
綺麗な瞳がもったいない、とコウは言いながらも気にする様子もなく少女とすれ違った。
すれ違いざま、チラリと少女を見ると、彼女は眼帯をしていない左目で俺達を見、足早に歩いていった。
:08/02/06 04:13 :P904i :☆☆☆
#320 []
「やっと着いた〜」
長い道のりの果てにようやく別荘にたどり着いた。
「久しぶりですね」
久々に来た別荘相手に(?)コウは懐かしむように話しかけた。
不気味すぎる。
「コウ、懐かしむとこ悪いが、部屋割りはどーすんねん?」
:08/02/06 04:17 :P904i :☆☆☆
#321 []
もちろん俺と幸子が一部屋。コウと姫菜が一緒だろうが別々だろうがどーでもいい。幸子と一緒の部屋にしてくれ。
「そうですね…志乃くんの考え通りにしましょう」
よし!コウ!お前の株が上がっ…
「僕と志乃くん、幸子さんと姫菜さんでいいでしょうか?」
「はあ!?」
:08/02/06 04:20 :P904i :☆☆☆
#322 []
「…なんですか志乃くん。文句でも?」
いやいや、文句あるに決まってるやろ。
「またお前と同じ部屋とか嫌や。」
「なぜ」
「毎日毎日一緒やねんで!毎日一緒の部屋におるんやで!?たまには別々の部屋でもえーんちゃうか!?」
:08/02/06 04:23 :P904i :☆☆☆
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