俺とコウの物語
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#353 []
とりあえず夜中なので
俺は幸子が眠るまでずっと手を握っていた。
20分くらいたった頃、幸子は安心したように眠りについた。
俺はホッとし、リビングへ向かった。
:08/03/20 04:44 :P904i :☆☆☆
#354 []
今夜は幸子に付き添わなな…コーヒーで眠気を覚ますしかな…
「ぎゃあ!!」
リビングへたどり着きコーヒーを入れようとコンロの側まで近寄った時、俺はびっくりして腰を抜かした。
そう。みなさんお気づきだろう。
コンロの側ではろうそくを片手にしゃがみ込む不気味なコウの姿があった。
:08/03/20 04:46 :P904i :☆☆☆
#355 []
「間違いなく眼帯ですね」
不気味な風貌のコウが驚く俺に放った最初の言葉だった。
「は?」
「幸子さんの見た眼球とは、昼間見た眼帯の少女の目です。間違いありません。」
「え?お前夢やって…」
「夢だと言わなければ怖がらせるだけでしょう?僕は女性を怖がらせたくありません。」
:08/03/20 04:49 :P904i :☆☆☆
#356 []
不気味だが、コウは眉間にしわを寄せ親指を噛んだ。
イラついているコウのくせだ。
「幸子さんが見たのは恐らく右目。昼間の少女が隠している右目です。そして少女もまた、僕達を見ています。」
「…見て…?」
見て…い ま す ?
「はい。気付きませんか?ほら、そのテーブルの下から。見られていますよ、僕たち。」
:08/03/20 04:55 :P904i :☆☆☆
#357 []
コウの言葉を聞き、テーブルの下に目を向ける。
「…な…なんやねんアレ」
「眼球です」
「見たらわかるわ!なんで眼球が浮いてんねん!」
「僕にわかるわけないでしょう?」
以前おまえ何でもわかる言ってたんちゃうんかい。
:08/03/20 10:42 :P904i :☆☆☆
#358 []
俺は眼球から目が離せない。眼球はただただじっとこちらを見ている。
俺…眼球と見つめあっとる…?
「大丈夫ですよ、ただ見ているだけ…危害は加えないでしょう」
コウはろうそくの火をフッと消し、リビングの電気をつけた。
その瞬間、眼球はパッと消えてしまった。
:08/03/20 10:48 :P904i :☆☆☆
#359 []
「…気味が悪いな」
眼球がウロウロしてるなんて気持ち悪すぎる。
「ええ…」
コウは眉間にしわを寄せながら腕を組んだ。
「伊豆にいる間、毎晩覗かれているのでは姫菜さんに手が出せません。」
お前は一体何の心配をしとるんじゃ!
:08/03/24 03:15 :P904i :☆☆☆
#360 []
「まぁ、僕の方は見られていても平気ですし、むしろ燃えますが。姫菜さんは嫌がるでしょうね」
こいつさっきイラついとったんはこーゆー事考えとったからか。
「どーでもいい。俺、幸子んとこ戻るわ。」
リビングを出る俺に、コウは背後から小さな声で言った。
「部屋を暗くすると現れますよ。」
:08/03/24 03:19 :P904i :☆☆☆
#361 []
【第八章 ギブス】
その日、俺は眠れなかった。コウの言う通り部屋の明かりを消さなかった。
「志乃…?」
幸子が目を覚ます。
付き合ってから初めて見る寝起きのマイハニー。
か わ い い 。
この一言に尽きる。
:08/03/25 05:58 :P904i :☆☆☆
#362 []
幸子は目をぎゅっと瞑りながら、「ん〜」と大きく伸びをした。
はっ!いかんいかん。
俺の息子さんが反応しちまう!
「志乃ぎゅーして?」
寝起きは甘えたさんなのか?寝ぼけたようなかわいらしい顔で幸子が言った。
限界。
俺は幸子を抱きしめた。
:08/03/25 10:45 :P904i :☆☆☆
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