俺とコウの物語
最新 最初 全 ![🆕](http://img.ryne.jp/emoji/63874.gif)
#355 [
]
「間違いなく眼帯ですね」
不気味な風貌のコウが驚く俺に放った最初の言葉だった。
「は?」
「幸子さんの見た眼球とは、昼間見た眼帯の少女の目です。間違いありません。」
「え?お前夢やって…」
「夢だと言わなければ怖がらせるだけでしょう?僕は女性を怖がらせたくありません。」
:08/03/20 04:49
:P904i
:☆☆☆
#356 [
]
不気味だが、コウは眉間にしわを寄せ親指を噛んだ。
イラついているコウのくせだ。
「幸子さんが見たのは恐らく右目。昼間の少女が隠している右目です。そして少女もまた、僕達を見ています。」
「…見て…?」
見て…い ま す ?
「はい。気付きませんか?ほら、そのテーブルの下から。見られていますよ、僕たち。」
:08/03/20 04:55
:P904i
:☆☆☆
#357 [
]
コウの言葉を聞き、テーブルの下に目を向ける。
「…な…なんやねんアレ」
「眼球です」
「見たらわかるわ!なんで眼球が浮いてんねん!」
「僕にわかるわけないでしょう?」
以前おまえ何でもわかる言ってたんちゃうんかい。
:08/03/20 10:42
:P904i
:☆☆☆
#358 [
]
俺は眼球から目が離せない。眼球はただただじっとこちらを見ている。
俺…眼球と見つめあっとる…?
「大丈夫ですよ、ただ見ているだけ…危害は加えないでしょう」
コウはろうそくの火をフッと消し、リビングの電気をつけた。
その瞬間、眼球はパッと消えてしまった。
:08/03/20 10:48
:P904i
:☆☆☆
#359 [
]
「…気味が悪いな」
眼球がウロウロしてるなんて気持ち悪すぎる。
「ええ…」
コウは眉間にしわを寄せながら腕を組んだ。
「伊豆にいる間、毎晩覗かれているのでは姫菜さんに手が出せません。」
お前は一体何の心配をしとるんじゃ!
:08/03/24 03:15
:P904i
:☆☆☆
#360 [
]
「まぁ、僕の方は見られていても平気ですし、むしろ燃えますが。姫菜さんは嫌がるでしょうね」
こいつさっきイラついとったんはこーゆー事考えとったからか。
「どーでもいい。俺、幸子んとこ戻るわ。」
リビングを出る俺に、コウは背後から小さな声で言った。
「部屋を暗くすると現れますよ。」
:08/03/24 03:19
:P904i
:☆☆☆
#361 [
]
【第八章 ギブス】
その日、俺は眠れなかった。コウの言う通り部屋の明かりを消さなかった。
「志乃…?」
幸子が目を覚ます。
付き合ってから初めて見る寝起きのマイハニー。
か わ い い 。
この一言に尽きる。
:08/03/25 05:58
:P904i
:☆☆☆
#362 [
]
幸子は目をぎゅっと瞑りながら、「ん〜」と大きく伸びをした。
はっ!いかんいかん。
俺の息子さんが反応しちまう!
「志乃ぎゅーして?」
寝起きは甘えたさんなのか?寝ぼけたようなかわいらしい顔で幸子が言った。
限界。
俺は幸子を抱きしめた。
:08/03/25 10:45
:P904i
:☆☆☆
#363 [
]
俺の息子が元気になったところで部屋のドアが開いた。
「…すみませんタイミング悪く…ご飯ですよ」
…ノックしろ。
「神谷くん、おはよ」
にっこりした幸子が言う。
「幸子さんおはようございます。志乃くんもおはようございます。志乃くんの息子さんもおはようございます。」
こいつ…!いらん事まで!
:08/03/25 11:04
:P904i
:☆☆☆
#364 [
]
「息子…?」
きょとんとしながら幸子が俺の顔をのぞいた。
「いや、なんでもないなんでもない。飯食い行こ」
俺は前かがみになりながらドアのそばに行き、コウをぺちんと叩いた。
「いらん事言うなアホ」
「勃起しながら出来ず終いな方にアホとは言われたくありません。」
コウはわざと幸子に聞こえるようにでかい声で言った。
こいつマジしばくしばくしばく!!!
:08/03/25 11:08
:P904i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194