俺とコウの物語
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#31 []
教室を追い出され、やることのない俺は
ふと目の前にある図書室に足を踏み入れた。

「は〜…ちょっと寝るかな…」

机にうっ伏せた瞬間
携帯が電子音を発した。

「うおっ!やべーやべー俺バイブにしてへんかった…ん?メールか…」

⏰:07/07/08 00:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#32 []
メールを開くと

俺はすぐさまメールを開いたことを後悔した。

【受信 コウ

【あなたって人は授業中に話し掛けるなと何度言えばわかるんですかだいたいあなたとい人は…】

ずらーっと永遠に俺への文句が書かれている。

【、】や【。】が全くない

「読みにくっ!」

⏰:07/07/08 00:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#33 []
俺はコウに

【やかましい】

とだけ返信し、
はだしのゲンを読もうと図書室内を徘徊した。

「…ん?」

ある棚に並ぶ本を見て
俺は足をとめた。

「なんじゃこりゃ」

タイトルは

【気になる相手を振り向かせる願掛け人形の作り方】

⏰:07/07/08 00:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#34 []
 
願掛け人形…

これってさっき百合江が持ってたやつとそっくり…

まさか百合江もこれ見て…いや、まさかな…。

俺は裏表紙をめくり
貸出人のカードに目を向けた。

【小笠原百合江】

「やっぱり借りとるー!」

⏰:07/07/08 00:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#35 []
怪しいタイトルの本をぱらっとめくり、
俺はあるページで手を止めた。

「…そんな……」

俺の手から
本がバサッと落ちる。

「うそやろ………」

そのページには

【相手が振り向いてくれなかった場合、この人形は相手を苦しめる事も可能です】

と書かれていた。

⏰:07/07/09 23:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#36 []
【第二章 コウを守れ!】

「コウ!コウ!!」

教室の扉を開き、俺はクラスの注目を浴びているのも気にせずでかい声でコウを呼んだ。

「コウ!!!」

「柏木!出てけ言うたはずやろ!!」

「やかましい!それどころやないねん!おいコウ!」

⏰:07/07/10 00:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#37 []
「教師に向かってやかましいとはなんじゃ!柏木!こっちに来い!」

「そんなひまないゆーてるやろ!」

「えーからこい!」

「嫌や!だいたい眩しいねん先生のハゲ頭が!」

…………やべ……
うっかり言っちゃった…

俺の一言でクラスはシンと静まりかえり、
クラス中のやつらが俺と先生の顔を生ツバを飲みながら見ている。

⏰:07/07/10 00:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#38 []
俺の額からは
冷や汗がポタッと流れるのがわかる。

「……………」

先生は俯いたまま
後頭部をピカリと光らせる以外は微動だにしない。

……こ……こえぇ…

静まりかえる教室で
真っ先に沈黙を破ったのは

「先生、少し抜けます」

コウだった。

⏰:07/07/10 00:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#39 []
「あぁ、すみません。抜ける、という単語は今禁句でしたか?」

おい!!!

もはやコウの言葉で
クラス中のやつらは顔面蒼白になった。

俺はゴクリとツバを飲みこみ、先生の出方を待つ。

「…………け……」

「すみません先生、聞こえませんでした。もう一度お願いします」

⏰:07/07/10 00:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#40 []
「二人共出ていけ!!」

顔をあげた先生の表情は
人間ではなかった。
霊を見慣れている俺ですら恐怖で奮えあがった。



「あ〜怖かった…」

教室から追い出され
俺とコウは屋上へ向かった

⏰:07/07/10 01:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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