俺とコウの物語
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#82 []
「おらんな〜…あっ!」

「いましたか?」

「いや…あの子かわえ〜」

「……あなたは一体何を探しに来たんですか」

「わりーわりー」

デレデレする俺を見て
コウはため息をついた。

「無駄ですよ、こう人が多くては見つけるなんて至難の技です」

⏰:07/08/15 03:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#83 []
帰りましょう、と言い
コウはスタスタと歩き出した。

「おい待てや…コウ!」

俺の静止も聞かずにコウは早足で歩き続ける。

「コ〜ウ!!うわっ…と…すんません!」

コウだけを視界に入れていた俺は対向してきた人に気付かずぶつかってしまった

⏰:07/08/15 03:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#84 []
「すんません…」

ぶつかった人に謝り
前を見ると
俺の視界からコウが消えてしまった。

あれ〜
コウどこ行ったんや?
歩くん早過ぎやねんアイツ…。

イライラしながら
俺は帰ろうと歩きだした

その時だった。

⏰:07/08/15 03:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#85 []
「コウ!!」

前方に消えたはずのコウがまた現れた。

「コウ!お前歩くん早過ぎやねんて…おい!」

「……………」

「おいコウ!!」

なかなか振り返らないコウの肩を掴み、俺は自分の方へ引き寄せた。

「はぁ?なんやねん」

…………………え?

⏰:07/08/15 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#86 []
な ん や ね ん ?

コウの口から関西弁がでてきた…?

「…コウ……?」

「お前誰やねん離せや」

…意味がわからない。

俺が肩を掴んでいるのは
紛れも無くコウそのもの。

だが、俺に肩を掴まれている男は嫌悪感をモロに顔に出し、俺を睨みつけている

「離せて。お前日本語通じへんのか」

⏰:07/08/15 03:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#87 []
離せて。お前日本語通じへんのか

離せて。お前日本語通じへんのか…

離せて。お前日本語通じへんのか………

コウの言葉が俺の能内で繰り返される。

「おい!手ぇ離せて言うてるのが聞こえへんのか!」

怒鳴るようにコウ(?)が俺の手を払いのけた。

⏰:07/08/16 01:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#88 []
コウ(?)は、俺を睨みながらチッと舌打ちすると、無言で歩き出してしまった。

…………?

どうなってる?
もしかして今のがコウのそっくりさんか?
いやいや、似過ぎやろ!

その場にボー然と立ち尽くす俺に

「志乃くん何してるんですか」

と、聞き慣れた低い声が聞こえた。

⏰:07/08/16 01:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#89 []
声の主を見ると
心配そうにコウが立っていた。

「何ボーっとしてるんですか」

「お前…今……」

「はい?」

目の前にいるコウは
紛れも無くいつものコウだ

「今…今見たか!?」

⏰:07/08/16 01:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#90 []
「なにをです?」

「今お前のそっくりさんおってん!!」

興奮状態の俺は
たった今の出来事を鼻息まじりに話した。

コウは俺が鼻息を荒くするたびに怪訝な表情をしたが、黙ってフムフムと相槌をうちながら聞いていた。

⏰:07/08/16 01:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#91 []
黙っておとなしく聞いていたコウだが、俺の

「コウが関西弁話してるみたいで気味悪かった」

という言葉にムッとしたのかコウは

「僕も関西弁くらい話せますで」

という、なんとも不気味な関西弁を使ってみせた。

やはりコウは不気味ちゃんだという収穫しか、この日はなく終わった。

⏰:07/08/16 02:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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