俺とコウの物語
最新 最初 🆕
#116 []
カイというコウにそっくりな男は、俺の言葉にいらついたように舌打ちをし、

「俺の負けや」

と言って去っていった。

どうやら俺はカイをいらつかせてしまったようだ。

「やはりあなたの勝ちですね。あなたは人をいらつかせるのだけはピカ1です」

⏰:07/09/20 02:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#117 []
「…お前が一番やと」

「はい?」

「お前が一番人をいらつかせるのがうまいと」

「はい?」

コウは俺の言葉をわざと遮る。

俺はコウこそこの世の全人類をいらつかせるのがうまいナンバーワンだと確信した。

⏰:07/09/20 02:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#118 []
「てかお前の従兄弟お前そっくりやな」

「はい…もともと僕達の母親が双子ですから」

へえ〜

「そうなん…」

「柏木くん!!!」

俺の言葉をまたもや遮ったのは

「…紀香?どしたん?」

同じクラスの紀香だった

「お願い…助けて…」

⏰:07/09/20 02:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#119 []
【第四章 女子トイレ】

「助けてって…何を?」

紀香はよほど慌てて来たのか、肩で息をしながら言った。

「柏木くんって、霊が見えるんよな!?」

「…は?」

まぁ、見えるけど…

「お願いだから、あたし達を助けて!」

あ た し… 達 ?

⏰:07/09/20 02:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#120 []
「霊がどうかされましたか?」

困惑する俺をよそに
コウは目を輝かせながら紀香を見つめた。

やばい。
このパターンはやばい。

俺は嫌な予感がした。

まぁ、その予感は的中するのだが。

「実はね…」

⏰:07/09/20 02:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#121 []
 
「さぁ、志乃くん行きましょう!」

「…嫌といったら?」

「それでも行きます」


紀香の話はこうだった。

⏰:07/09/20 02:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#122 []
 
最近学校内の女子達の間での噂話らしい。

三階にある女子トイレの第三番目の鏡の前に立ち、
「麻生さん、お願いを聞いて下さい」
と言う。

その後願い事を言うと
麻生さんという女が鏡に映り、その願いは叶えられる。

どの学校にもありそうな
七不思議の一つみたいもんだ。

⏰:07/09/20 02:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#123 []
「ただの噂話やと思ってんけどな…実際鏡に知らん女が移ってん…」

「…紀香の願いは?」

俺の問いに、紀香は下唇を噛みながら俯いた。

「言わなわからんやん」

「…美和子を…」

俺はその名前だけで
紀香達が望んだ願いがわかった。

⏰:07/09/20 02:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#124 []
美和子とは

三年になると同時に東京から転入してきた女。

俺は興味ないが
ものすごく可愛い女だ。
色白で、くるくるな栗色の髪に大きな瞳。頬と唇はきれいな桃色で…

俺は全く興味ないんだけどね?

⏰:07/09/20 02:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#125 []
「だって美和子ったら…あたしの彼氏を…」

はいはい、奪ったんでしょ。

そう、美和子はその端正な容姿ゆえ、性格がなんとも悪い!…と言いますか…
友達の彼氏も平気で奪っちゃうのよね〜。

そりゃ怨まれて当然だって。

⏰:07/09/20 02:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194