俺とコウの物語
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#136 []
「紀香がどーしてん?」

冷静に口を開いたのは、同じクラスの恵真だった。

恵真は俺も尊敬している、いわば神!
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能。そのうえクールだが性格もかなりいいと幸子から聞いている。
完璧なやつだ。

「いや…その……」

⏰:07/09/27 03:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#137 []
苦虫を潰したような歯切れの悪い俺を見かねたのか、コウはため息をついた。

「あなた方は、最近噂になっている麻生さんの話をご存知ですか?」

コウの言葉に、香苗と恵真は表情が暗くなった。

⏰:07/09/27 03:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#138 []
「なにそれ〜?」

美和子がキョトンとした顔でコウを見る。

「…あなたは誰ですか」

「美和子だよ!一緒のクラスじゃん!!」

「そうでしたっけ」

コウは美和子に興味なさげに女子トイレ内を見回した。

⏰:07/09/29 02:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#139 []
「三番目の鏡…あぁ、これですね」

コウは何の躊躇もなしに女子トイレに入っていき、三番目の鏡の前に立った。

なんか嫌な予感がする

「コウちょっと待…」

「麻生さん、お願いを聞いてください」

⏰:07/09/29 02:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#140 []
言っちゃった…。

言っちゃったよこの人。

「麻生さんお願いを聞いてください」

「…………」

「麻生さん」

「…………」

しばらく鏡とにらめっこをしていたコウだが、何の反応もなく苛立ったように舌打ちをし、俺に振り返った。

⏰:07/09/29 03:01 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#141 []
「何もありません。見たところただの鏡です」

半ば残念そうな表情のコウに対し、香苗と恵真は暗い表情のままだ。

「麻生さん…って何〜?」

美和子がトロい口調で言った。

「それよりあなたが誰なんですか」

⏰:07/09/29 03:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#142 []
「だから美和子!何回言えばわかんだよ〜」

何時も同じ問い掛けをするコウに、美和子は若干いらついた口調になった。

お。本性でるか?

「何回聞いてもわかりません。あなたは一体」

「…あなたが美和子…」

コウの言葉を遮ったのは、香苗でも恵真でもない
冷たく暗い声だった。

⏰:07/09/29 03:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#143 []
声の主を見た香苗と恵真は口を開いたまま、言葉にならない声を発し、ガタガタと奮え出した。

まさか本当に…

「麻生さん…?」

声の主は
三番目の鏡の近くにいたコウのすぐ後ろで
長い黒髪のすき間から目だけを覗かせ美和子を見ていた。

⏰:07/09/29 03:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#144 []
なんだこいつは。

「…ほう。これはまた厄介な…」

振り返り後ろの女を見つめたコウがため息まじりに呟いた。

「…これ…結構やばないか…?」

今までにみたことないほどのやばい霊だ。

多分、間違いない。

俺の額から嫌な汗が流れる。

⏰:07/09/29 03:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#145 []
「美和子…あなたが…」

ボソッと呟くように
髪の長い女はゆっくりと美和子に近づいて行く。

紀香が何をお願いしたのかはわからないが、相当嫌な予感がする。

俺は足が震えて動かなかった。

⏰:07/09/30 03:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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