俺とコウの物語
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#26 []
「でもさ〜コウくんよ〜」

教科書に目を向け、俺に話し掛けるなオーラを出しているコウにわざと声をかける。

「そろそろ付き合う、付き合わんハッキリさした方がえーんちゃうの?」

「なぜですか」

「だってほら、なんせコウくんモテますから?早めに返事しやんと他の子が告白しにくいやん?」

⏰:07/07/07 01:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#27 []
「…なるほど」

コウはたいして興味なさそうにシャーペンをくるくるまわしながら教科書と睨めっこしている。

こいつ…ムカピー!!

「おい!お前次の授業席かわれや!」

俺はコウの隣の席のひ弱そうな男に無理矢理席をかわってもらった。

⏰:07/07/07 01:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#28 []
「…志乃くん一体あなたはなにを……」

コウはため息をつき
あからさまに嫌そうな顔で俺の顔を見た。

「コウの隣にきたかってんも〜ん!」

ニヤニヤしながら言った俺にコウはまたもやでかいため息をついた。

「本当にあなたはキモいですね」

⏰:07/07/07 01:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#29 []
やかましい

「やかましい」

「まぁいいですが僕も志乃くんがそばにいてうれしいです」

いかにも感情がこもってないとわかるくらいコウは棒読みで言った。

「やかましい」

「やかましいは口癖ですか」

今気付いたけどそーみたい。

⏰:07/07/07 22:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#30 []
二限目の授業中
俺はずっとコウにちょっかいを出していた。

「なぁ…おいコウ!」

「………………」

「コウちゃ〜ん!」

「………………」

「おい!コウさんよ!」

「柏木!!うるさいぞ!ワシの授業がつまらんなら出ていけ!!」

あらら。
追い出されちゃった。

⏰:07/07/08 00:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#31 []
教室を追い出され、やることのない俺は
ふと目の前にある図書室に足を踏み入れた。

「は〜…ちょっと寝るかな…」

机にうっ伏せた瞬間
携帯が電子音を発した。

「うおっ!やべーやべー俺バイブにしてへんかった…ん?メールか…」

⏰:07/07/08 00:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#32 []
メールを開くと

俺はすぐさまメールを開いたことを後悔した。

【受信 コウ

【あなたって人は授業中に話し掛けるなと何度言えばわかるんですかだいたいあなたとい人は…】

ずらーっと永遠に俺への文句が書かれている。

【、】や【。】が全くない

「読みにくっ!」

⏰:07/07/08 00:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#33 []
俺はコウに

【やかましい】

とだけ返信し、
はだしのゲンを読もうと図書室内を徘徊した。

「…ん?」

ある棚に並ぶ本を見て
俺は足をとめた。

「なんじゃこりゃ」

タイトルは

【気になる相手を振り向かせる願掛け人形の作り方】

⏰:07/07/08 00:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#34 []
 
願掛け人形…

これってさっき百合江が持ってたやつとそっくり…

まさか百合江もこれ見て…いや、まさかな…。

俺は裏表紙をめくり
貸出人のカードに目を向けた。

【小笠原百合江】

「やっぱり借りとるー!」

⏰:07/07/08 00:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#35 []
怪しいタイトルの本をぱらっとめくり、
俺はあるページで手を止めた。

「…そんな……」

俺の手から
本がバサッと落ちる。

「うそやろ………」

そのページには

【相手が振り向いてくれなかった場合、この人形は相手を苦しめる事も可能です】

と書かれていた。

⏰:07/07/09 23:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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