俺とコウの物語
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#56 []
図書室を出た百合江を必死に追い掛けたが、百合江が女子トイレに逃げ込んだため、俺はあきらめてコウの待つ屋上へと向かった。

「あなたは女性の足にも追い付けないのですか」

屋上へつくと、またも涼しい顔でたばこを吸っているコウが俺を見下したように言った。

⏰:07/07/21 03:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#57 []
「女子トイレに逃げられたからしゃーないやん」

「言いわけですね」

「言いわけちゃうし!」

「まぁ、それで良かったかもしれませんね。普通に追い掛けても追い付けなかったならば恥でしょう」

普通に追い掛けたら追い付けるわい!!
俺どんなけコウになめられてんの?

⏰:07/07/21 03:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#58 []
「ところで志乃くん、今日のご飯は何ですか」

「は」

「ですから今日の…」

「知らん!つーか、今そんなん重要ちゃうやろ!」

「重要です」

お前が苦しめられんよーに頑張っとる俺馬鹿みたいじゃね?

⏰:07/07/24 02:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#59 []
「お前が怖いゆーから俺必死であの本探してんのに」

「探してないでしょう」

「探してるわい!」

「今手元にないのですから探してないのと一緒です」

「…………」

「ほら、何も反論できないでしょう?」

ほんなら自分で探せや!

⏰:07/07/24 02:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#60 []
俺とコウがギャーギャー言い合いをしていると
俺達の背後に
恐ろしい影が近づいてきた

「柏木!神谷ぁ!!」

でかい声に驚き、
俺達は飛び上がった。

「せ…先生……」

そう、恐ろしい影の正体はハゲ…いや、
あの先生だった。

⏰:07/08/12 02:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#61 []
授業崩壊(してないよな?)及びサボりの現行犯で
俺達は署(職員室)まで連行された。

「だいたいお前らは〜…」

ぐだぐだと長い説教。

コウなんて隣で真剣な顔をしながら寝ている。
こいつの特技は目を開けたまま眠れることだ。

そんな豆知識いらねーか?

⏰:07/08/12 02:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#62 []
現にコウの鼻からいびきらしき音が一定のリズムで繰り出されている。
真面目な顔で目をキラキラさせながらいびきをかくもんやから恐ろしく不気味だ。こいつを今日から
不気味ちゃんと名付ける。

まぁコウが不気味なのは今に始まったことじゃないが。

⏰:07/08/12 02:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#63 []
俺がそうこう頭の中で考えを巡らせながら
ふと先生の机の上に目を向けた。

「あっ…先生その本…」

「ん?ああ、これか。小笠原が授業中にずっと読んでたからな、取り上げたわ」

まさしくそれは…

「気になる相手を振り向かせる願掛け人形の作り方。こんな馬鹿げた本よく読むわな〜」

⏰:07/08/12 02:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#64 []
「せっ…先生!!その本俺に貸して下さい!!」

「え……?」

「お願いします!!一生のお願いです!!!」

俺はよほど必死な形相をしていただろう。
先生はまるで不審者を見る目付きで俺を見つめた。

「お前…この本を借りるために一生の願いを使い果たしてえーんか…それでえーんか…?」

⏰:07/08/12 03:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#65 []
「いいんです!お願いします!!!」

俺は目の前にあの本があるという興奮状態で土下座をする勢いだった。

「わかったわかった!ほら、貸したるからもう教室戻れ」

先生は恐る恐る本を差し出し俺達を職員室から追い出した。

⏰:07/08/12 03:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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