俺とコウの物語
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#7 [
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【第1章 百合江】
「志乃くん、ご飯早く作って下さい」
「今日はコウの番やけど」
「僕でいいんですか?」
「……いや、やっぱ俺が作るわ……」
「そうですか、早くして下さいね」
以前コウに飯を作ってもらった時、納豆やらオクラやら、恐ろしくネバネバなものしか出てこなかった事を思い出した。
:07/06/27 03:47
:SH901iS
:☆☆☆
#8 [
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朝飯を作るために台所へ行く俺をよそに
コウは涼しい顔でたばこを吸った。
「起きぬけのたばこは最高です」
ええい!
お前も居候ならちょっとは手伝おうとせんかい!
と、まぁ毎日こんな感じで一日が始まる。
:07/06/28 03:09
:SH901iS
:☆☆☆
#9 [
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「おっはよ〜!」
ガラッと元気よく教室の扉を開ける俺の後ろから
コウは眠気と戦いながらついてくる。
「…はよございます…」
「志乃おはよ!神谷くんもおはよう!」
「幸子おはよ!」
三年生になり、俺は念願の幸子と同じクラスになった
:07/06/28 03:44
:SH901iS
:☆☆☆
#10 [
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「幸子さんおはようございます。僕への挨拶はオマケみたく聞こえましたが」
間違いなくオマケじゃ!
幸子がなぜお前メインに挨拶しなアカンのや。
「そんな事ないよ〜!」
相変わらず幸子って
か わ い い !
:07/06/28 03:46
:SH901iS
:☆☆☆
#11 [
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「コウくんおはよ…」
俺たちの後ろから
遠慮がちにコウに挨拶をする女の声。
「あぁ、おはようございます百合江さん」
百合江とは
三年生になりコウに告白をしてきた女。
見た目は…何も言うまい。付き合ってるわけではないと思うけど
コウもまんざらじゃない様子だ。
:07/06/28 03:48
:SH901iS
:☆☆☆
#12 [
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「どうしたんですか?」
コウが百合江の顔を覗き込み、ニヤリと口角を上げた
「そんなに見つめてどうかされました?」
「あ…ううん…」
「返事、ですか?僕まだ返事してませんでしたね」
コウの言葉に
百合江は顔を真っ赤にして俯いた。
:07/07/02 04:17
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:☆☆☆
#13 [
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返事とは多分告白の返事のことだろう。
「聞きたいですか?」
「聞きたい!!」
「……志乃くんには聞いてません」
コウは横目で俺を睨んだ
なぜ志乃くんがいるんですかとでも言いたそうだ。
「だいたいなぜあなたがいるんですか」
言ったー!!
:07/07/02 04:20
:SH901iS
:☆☆☆
#14 [
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「同じクラスやん!」
「そうですね」
コウは興味なさそうに大きくあくびをした。
こいつ…家帰ったらいじめてやる。
「百合江さん返事、しましょうか?」
「…やっ…まだいい…」
百合江はそれだけ言い、真っ赤な顔のままその場を去った。
:07/07/02 04:22
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:☆☆☆
#15 [
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「コウのこと好きとか物好きなやつもおるんやな」
百合江がいなくなった教室で、俺はコウの机の上に座りコウと向き合った。
「では世の中のほとんどの方が物好きですね」
教科書を机から取り出し、パラパラっと開きながらコウが言った。
:07/07/02 04:28
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:☆☆☆
#16 [
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「なんで?」
「言ったはずです。僕はモテます、と。誰かとは違って」
「誰かとはって誰?」
「……………」
コウは何も答えず教科書に目を向けたままだ。
「なぁ誰かって?」
しつこくつめ寄る俺を
コウはチラリと見、バカにした目付きでニッと笑った
「俺かい!!!」
:07/07/02 04:31
:SH901iS
:☆☆☆
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