黒蝶・蜜乙女
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#51 [向日葵]
くっつくのはなんだかなぁと思ったんで服の裾を掴んでおく。
セツナ「蜜。見てみろ。」
と言われて目を上げてみると……。
蜜「う…わぁ……。」
半分が山の緑。半分が海の青。空の水色。そして太陽のせいでキラキラ輝いてるのがわかる。
蜜「長い間ここら辺に住んでるけど、こんなの初めてだぁ……。」
セツナ「気に入ったか?」
蜜「うん……。」
:07/07/08 20:01 :SO903i :yldj4ZAU
#52 [向日葵]
するとセツナは嬉しそうに笑った。
セツナ「それは良かった。」
――トクン
『あ、あれ……?』
なんだこれ。
セツナ「少しでも株上げになったか?」
蜜「株上げって……。」
セツナ「やっぱり好きな奴には好きになって欲しいからな。」
なんかそんなに“好き”を連呼されると反応に困る。
セツナ「まぁ、この美貌の俺を好きにならない訳がないけどね。」
自我自賛ですか……。
:07/07/08 20:27 :SO903i :yldj4ZAU
#53 [向日葵]
セツナ「でも、それもお前が認めてくれないと只のいらない物だ。」
蜜「私はどーゆー立場でいたらいいんでいいんですか?」
私達は見つめ合う。
一陣の風がふわりと私達を包む。
セツナ「蜜乙女なんて肝心な問題じゃない。蜜にはただ側にいて欲しい。それじゃいけないか?」
黒蝶族で貴族だかなんだか知らないけどそれはとても人間らしい言葉で……。
蜜「ふーん。わかりました。」
:07/07/08 20:45 :SO903i :yldj4ZAU
#54 [向日葵]
セツナ「ふーん…って、何だ。」
蜜「じゃあそのつもりでいます。」
段々太陽が夕陽に変わってきた。
私達の顔がオレンジに変わる。
セツナ「それは…俺が好きって事か?」
蜜「さぁ……。はっきり分かりませんが、惹かれ始めてるかも、やも、……って感じなので。」
セツナの顔が、スッと引き締まる。
私はただ見つめる。
セツナ「名前を呼んではくれないか。」
:07/07/08 21:46 :SO903i :yldj4ZAU
#55 [向日葵]
蜜「はい?何故……。」
セツナ「認められたと思いたいからだ。」
まぁ望むならば……。
蜜「セツ……ナ?」
2つの黒い影は徐々に近づく。セツナは何か躊躇うようにも見えた。
そして影が重なる。
キスをされた。
“食事の時間”ではなく、それは“愛のくちづけ”であった……。
私の運命の相手。
黒羽の君。セツナ……。
私に日常を奪った人。
これから愛を教えてくれる人……。
:07/07/08 21:50 :SO903i :yldj4ZAU
#56 [向日葵]
チャプター2:美貌の歪み
生まれてきて16年間。
私はこのまま特別なことなんてなく平和に過ごしていくものだと思っていた。
セツナが来るまでは……。
「この式に3を代入して……。」
こんにちわ。
私は本山蜜。そこらにいる平凡な女子高生。
なんか先日急激に大人の階段を駆け上った気がします。
:07/07/08 21:55 :SO903i :yldj4ZAU
#57 [向日葵]
私がまさか恋愛をするとは……。
いや正式にはしていないか。セツナに関してはまだ感情がどの部分にあるか分からない訳だし。
でも……この前の食事じゃないくちづけには全然抵抗をしなかった。
多分あの瞳に誘惑されてしまっていたんだ……って事にしておこう。
チラリと時計を見る。
12時30分。あと10分もすれば“食事の時間”だ…。
それを黙ってされるがままになっている私はやっぱり変態なのだろうか……。
:07/07/08 22:00 :SO903i :yldj4ZAU
#58 [向日葵]
ならば今日は教室から出ない様にしてみるってどうだろう。
蜜乙女に飢えてカラッカラになったセツナを思い浮かべると笑わずにはいられなかった。
あのプライドが高そうなのが……カラカラって……。
うつむいて口を必死に力いれてニヤけるのを堪える。
「じゃあ早いけど今日はここまでにするか!終わりー。」
え?マジで?
清「あれー?蜜。珍しいね教室にいるなんて。」
:07/07/08 22:10 :SO903i :yldj4ZAU
#59 [向日葵]
蜜「ちょっと実験をしてみようかなぁって」
清「実験?」
私は「ウン」と頷いた。
しかしすぐに決着はついてしまった。
セツナ「オイ蜜!」
頬杖ついていた手から私の顔がゴトンと落ちて机に直撃。
教室にズカズカと入ってきた。この見目麗しい人こそがセツナだ。
セツナ「この俺が教室前で待ってたっていうのに授業が終わったのなら何故出て来ない!!」
蜜「あぁいたんですか……。私今からお昼なんでお弁当食べさせてください。」
セツナ「俺も食事時だ。行くぞ。」
:07/07/08 22:22 :SO903i :yldj4ZAU
#60 [向日葵]
あーハイハイ……。
清「いつの間にそんな仲に……っ!!」
蜜「強制的にみたいな……。」
セツナ「何を言ってる。コイツは俺のだ。」
「「イヤァァァァァァ!!!!」」
教室から、廊下から女子の皆さんの悲鳴喝采。
スイマセンもうホント……。私が“蜜乙女”のせいですね……。
セツナ「もういいだろ。早くお前を食べたい。」
オーイ!!勘違いされる言い方やめぃっ!!!!
:07/07/08 22:30 :SO903i :yldj4ZAU
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