黒蝶・蜜乙女
最新 最初 全
#81 [向日葵]
セツナを見上げたら見たことのない冷たい目で私を見下ろしていた。
蜜「一体…何なんですか……っ!」
セツナ「もうアイツには近付くな。」
蜜「何言ってんですか?!第一どうして貴方にそこまで……。」
セツナ「お前は俺のだろ。当たり前じゃないのか?」
ホントこの人何言ってんだ……?
その時、セツナだけが背後に気配を感じたらしい。
戸が開くと同時に
グイッ!
:07/07/09 17:09 :SO903i :F5kPhI5A
#82 [向日葵]
小川「本山?まだいる……。!!」
小川君が驚くのも無理は無い。
何故なら小川君が見た光景は私とセツナのキスシーンだったのだから。
セツナを離そうと胸を押してみるけどビクともしない。セツナは私の後頭部に手を回して離れないようにする。
するとセツナは小川君をチラッと見て私から口を離すと怪しげに笑んだ。
セツナ「ジロジロ見てるなよ。」
小川「―――っ!!」
:07/07/09 17:14 :SO903i :F5kPhI5A
#83 [向日葵]
小川君は顔を赤くして教室を出て行った。
それをセツナが見ている内に私は右手を振り上げた。
パシッ!
蜜「なんで……こんな……。」
セツナ「アイツに見せ付ける為に決まって」
蜜「大嫌いです!!」
怒りで息が上がる。
叩いた右手を握り締めながら私は続けた。
蜜「自分の感情ばっかり押し付けて、他の人の気持ちなんか分からない貴方なんて大っ嫌い!!!!」
:07/07/09 17:18 :SO903i :F5kPhI5A
#84 [向日葵]
そこでセツナの顔を見た。
私は胸がズキンと痛んだ。
セツナがすごく悲しい顔をして私を見つめていたからだ。
セツナ「……すまない。」
蜜「あ、謝ったって……許しませんから!!」
私はセツナの横を通り過ぎて走って家に帰って行った。
部屋に入って枕を抱き締めて、必死にあの顔を掻き消そうとした。
ギュッと目を瞑っていると、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。
:07/07/09 17:22 :SO903i :F5kPhI5A
#85 [向日葵]
――――――
―――――――――
…………
「…様。……つ様。」
誰?
目をうっすら開けると、そこに金髪の綺麗な男性がいた。
蜜「えっ?!」
「シーッ。怪しい者ではありません。」
いや充分怪しいって。
蜜「誰……ですか?」
「これに見覚えはありませんか?」
と言って見せてくれたのが漆黒の羽。
:07/07/09 17:26 :SO903i :F5kPhI5A
#86 [向日葵]
蜜「黒蝶族の……方。」
「ご名答でございます。私はセツナ様にお仕えしている“シオイ”です。初めまして。セツナ様の蜜乙女、蜜様。」
蜜「は、はぁ……。」
どうでもいいけどこれから先、黒蝶族の人達に会う度にその苺の名称みたいな肩書きが一々着いてくるのかなぁ……。
蜜「ところで、何故私の家に……。」
シオイ「場所はセツナ様からお聞きしていました。」
あの野郎……。いつの間に。
:07/07/09 17:33 :SO903i :F5kPhI5A
#87 [向日葵]
シオイ「お伺いしたのは他でもありません。主のセツナ様をご存知ありませんか?」
蜜「い、いえ。……。あの、実は帰り際ケンカを少々……。」
するとシオイさんはクスクス笑った。
そしてまた表情を引き締める。
シオイ「今、雨が降っているんです。私達にとって雨は天敵。何かあったのではと思いまして……。」
蜜「……っ!」
そういうば……
セツナ[羽が湿けるんだ。]
:07/07/09 17:38 :SO903i :F5kPhI5A
#88 [向日葵]
蜜「もしかしたらまだ学校かもしれません!」
時計を見ると夜の12時。こんな時間に家を出たらおばあちゃんが驚いてしまう。
こんな時にどうでもいいけど私の両親は海外赴任で、今は祖父母と一緒に住んでいるのだ。
蜜「シオイさんはどうやってここに来たんですか?」
シオイ「出来るだけ木陰を通って超スピードで来ました。」
蜜「私を学校まで運んで頂けますか!」
:07/07/09 17:42 :SO903i :F5kPhI5A
#89 [向日葵]
シオイさんはにっこり笑って私を抱き上げた。
そして窓から飛び立って行った。
・・・・・・・・・・・・・・・・
昇降口の屋根で降ろされた私は足がフラフラしていた。
初めてセツナに空中散歩を誘われた時スピードを出してもらわなくて良かった……。
何あの速さ……。
とにかく。
蜜「シオイさんはここにいて下さいね!もしかしたらココに来るかもしれませんから!!」
:07/07/09 17:45 :SO903i :F5kPhI5A
#90 [向日葵]
そう言って私は学校の闇へと消えていった。
もしも屋上なんかにいたら……。
全く!!どーしてこう世話が焼けるのよあの人はぁ!!
蜜[大っ嫌い!!]
唐突に私の言葉が頭に響く。
言い過ぎた……かな。
ガラガラガラ
蜜「ハァ……ハァ……。」
最後に別れた私の教室に来てみたけどここにはいない。
:07/07/09 17:50 :SO903i :F5kPhI5A
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194