黒蝶・蜜乙女
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#331 [向日葵]
セツナをお慕いして幾年……。

あの方の全てを知りつくして来た私こそがセツナにふさわしいと思っていました……。

――――なのに……

ルキ「最近口を開けば「蜜がどうした」「蜜があーした」蜜蜜蜜蜜蜜ばっかり!!!!なんで貴方なんかにぃっ……っていないじゃありませんかぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

私はルキが世界に入り込んでいる時に猛ダッシュでその場を去った。

蜜「ゼー……。ゼー……。ったく、何だっての……。」

⏰:07/07/18 00:42 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#332 [向日葵]
靴箱に手をついて呼吸を整える。

小川「本山?」

蜜「あぁ小川君。」

小川「どうかした?」

蜜「ちょ、…ちょっとね……。あ、あの、今日はホントにありがとう。」

小川君はにっこり笑っていやいやと言った。

小川「なんか本山困ってたみたいだし。」

蜜「小川君…。やっぱり小川君はいい人ね!じゃあまた明日!!」

そして私は急いで帰宅した。

⏰:07/07/18 00:46 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#333 [向日葵]
残された小川は蜜の走っていく姿をジッと見つめていた。

蜜[小川君はいい人ね!!]

満面の笑みで言われた……。その笑顔が、頭から離れない…。

清「恋だねぇ。」

後ろから清が小川に話かけた。

小川「うわっ!な、何!!」

清「ま、若者よ。頑張りなさい。」

小川「お、おう…。」

―――――――……。

カチャカチャ ガチャン

蜜「ただいまー…。」

⏰:07/07/18 00:51 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#334 [向日葵]
セツナの姿がない。
リビングかな……。

リビングに行ってもやっぱりいない。すると少しだけ風を感じた。視線を庭側へ向けると

蜜「あ、風さん。」

1匹だけ風の妖精さんが私の顔近くにいた。
どうやらセツナの場所を教えてくれてるらしい。

手招きされるがままついて行く。

庭を出ると、セツナがいた。家を背もたれにして私が見えない位置で芝生の上に座っていた。

蜜「……た、ただ…いま…。」

⏰:07/07/18 00:57 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#335 [向日葵]
セツナは目だけを動かして私を見ると、また目線を戻した。

あちゃー…。
一緒に帰らなかったのと、小川君が助けに入った事が気にいらないんだ。
バッチリご機嫌ななめ……。

蜜「セツナ。」

セツナは返事をしない。
私は深呼吸した。

蜜「もう…1人で先に帰らないで下さいね……。」

セツナ「何故?」

やっとここで反応した。
心の中でホッとしながら私は続ける。

⏰:07/07/18 01:03 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#336 [向日葵]
蜜「セ…、セツナがいなかったら、お昼寂しいんですから…。」

セツナがこちらを向く。
まだ機嫌は完全には直ってないけど私の言葉に少し直ったらしい。

仕方ない……。極めつけは恥ずかしいけど言うしかない……。

言う前から顔が赤くなるのが分かる。
セツナのセーターをキュッと掴んで私はうつ向いた。

蜜「私がす、すすす好きな、のは……セツ…ナなんですから……。あまり小川君の事で、拗ねないで下さいね……。」

⏰:07/07/18 01:08 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#337 [向日葵]
どわぁぁぁ!!言ってしまったぁぁあ!!

……。……。……?

セツナの反応が無い。
ソローッと顔を上げて見ると、セツナは目線をずらして口元を少し隠し、耳を軽く赤くして照れていた。

わ…わぁ―――っ!!!セツナが照れてる!!

セツナ「まったく…やっぱりお前には敵わん。」

セツナは私と視線を合わせると、まだ紅潮している私の頬に指先を触れた。

セツナ「可愛いのでは、お前の右に出る奴はいないな…。」

⏰:07/07/18 01:14 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#338 [向日葵]
蜜「それは…買い被りすぎですけど……。」

時間が止まった様な気がした。いつもとは、なんだか違う雰囲気。

もっと甘くて、このままでいいやと思う様な……。

セツナの顔がゆっくり近づく。
私もそれに合わせてゆっくり目を閉じていった。
驚くほど優しく唇が触れる。

それが段々と激しさを増していく。

『なんか、変だ……。』

いつもなら息苦しくて恥ずかしくてすぐ離れたくなるのに……。

⏰:07/07/18 01:19 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#339 [向日葵]
セツナの照れた顔を見たせいかな……。

セツナの手が後頭部と背中辺りに来て、私を優しく芝生の上に寝かせた。
一旦顔を離して見つめ合う。

セツナ「蜜……。」

名前を呼びながら、セツナは私の頬を指先でなぞる。そしてまた顔が近付いた。今度は最初から激しくて、セツナの舌が、口内を荒らした。

答えてみるものの、完璧に近いセツナのくちづけは次第に意識を奪ってしまいそうになり、ちゃんとは出来なかった。

⏰:07/07/18 01:24 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#340 [向日葵]
長いキスを、どのくらいしてたんだろう……。

やっと唇が離れた時には全速力で走った後みたいになっていた。

蜜「ハァッ…ハァッ……ハァ…」

セツナ「蜜。大丈夫か?」

セツナが心配そう見つめながら私の顔を包む。

私の好きな…優しい目……。

蜜「だい……じょ、ぶ……ですよ……。」

と言って笑う。
セツナも温かく微笑んで私の瞼にキスした後、起こしてくれた。

⏰:07/07/18 01:31 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


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