黒蝶・蜜乙女
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#752 [向日葵]
最後らへんは言葉に詰まった。
どう説明すればいいのか。

ルキがやったことは許せない事だけれど死に至らす様なそんな極端な行動は辞めて欲しくてー……。――――っ!!

蜜「とにかくなりません!!」

静かに聞いていた長は面白そうな目で私を見ながら微笑んだ。

長「随分ユニークなお嬢さんだなセツナ。」

セツナ「それが蜜の良い所ですよ。」

⏰:07/08/03 23:35 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#753 [向日葵]
長は頷くと、また私に視線を戻した。

長「なら直接話し合ってきなさい。ルキが出たいと言うなら出してあげるといい。」

長は大きく偉大そうな掌で私の頭を撫でた。
まるでお父さんみたい……。
私はその掌に少し懐かしさを感じた。

セツナ「じゃあ蜜、案内する。」

蜜「ハイ。お願いします。」

・・・・・・・・・・・・・

そこはまさしく牢獄。
レンガで出来た塔の螺旋階段を一歩また一歩降りて行く。

塔の中で、私とセツナの足音が響く。

⏰:07/08/03 23:40 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#754 [向日葵]
ロウソクを持っているセツナが振り向いて尋ねる。

セツナ「足元、気をつけろ。少し滑りやすいから。」

そう言って手を差し出す。
……しかしここは…。
なんでもありかいっ!!
なんだこの異世界は。
しかも暗くて…………寒い。

蜜「ルキは……一人で?」

セツナ「あぁ。」

思わず身震いする。
私だったら気が狂いそうだ。

⏰:07/08/03 23:43 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#755 [向日葵]
やっとの事で地下に着く。
数歩歩けば鉄格子が見えた。これもまただだっ広い。

そしてその中に、小さなか細い影が一つ……。

私はセツナに向かい、小声で話す。

蜜「いいですか。何があってもぜっったい口を出してはいけませんからねっ!」

セツナ「事と次第によるがな。」

もう……。
私は影に目をやり、少しずつゆっくりと話かけた。

⏰:07/08/03 23:47 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#756 [向日葵]
蜜「……ル、ルキ……。」

蹲っていた影は、ゆっくりと首をあげた。
その美貌は疲れ果ててるものの綺麗なまま。

ルキ「……。フッ…笑いにきましたの?」

蜜「ううん違う。お礼を言いに来たの。」

ルキは興味無さそうに私を見つめる。
私は視線を合わす為にペタンと地べたに座った。

そして礼をする。

蜜「ありがとう。助けてくれて。」

ルキ「貴方の……為なんかじゃありませんわ……。」

⏰:07/08/03 23:51 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#757 [向日葵]
頭を上げると、ルキは空が見える小さな窓をじっと見つめていた。

私はそんなルキをじっと見つめる。
冷たい風が、窓から入りこんだ……。

長い間、沈黙が続いた。

そしてルキのかすれた声が少し聞こえた。

ルキ「……、して……。」

蜜「え…?」

ルキ「どうして貴方は蜜乙女なの……。どうして、私じゃ……。」

ルキの綺麗な黒い目から、涙が流れ始めた。

⏰:07/08/03 23:54 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#758 [向日葵]
そしてキッとルキが私を睨む。

ルキ「貴方なんかよりずっとずっと私はセツナが大好きで、ずっと大切だった!なのに……たかが蜜乙女ってだけで…、運命だからって……セツナを……。」

“たかが”と言った所でセツナが口を開いたけど、私がじっと見つめてそれを制した。

ルキ「ズルイ…。貴方、ズルイわ……。」

ルキの涙が石畳に染み込んでいく。
それを見つめながら、私は言う。

蜜「確かに、私はズルイ……。」

⏰:07/08/03 23:58 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#759 [向日葵]
「けど」と、ルキの目を見つめる。

蜜「好きの気持ちなら、きっと負けない。」

ルキは目を見開いてまた悲しそうに細める。

蜜「ずっと側にいて欲しいし、いていたい。だからね、ルキも自分の力で私からセツナを奪って。」

セツナ「蜜?!」

蜜「私は……。奪われない様に、頑張るから。だからもう、自分を傷つける様な事、しないで……。」

鉄格子の隙間からそっとルキの手に触れ、重ねる。

⏰:07/08/04 00:03 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


#760 [向日葵]
ルキはしゃくりを上げながらうつ向き、涙をポタポタ落としながら切々に呟いた。

ルキ「だか、ら…あなた、な、んて……っらい……なのよっ。」

嫌いでもいいから。
だからルキ。

蜜「ここ、寂しいですよね。空が、恋しいですよね。出ましょう……?」

キィ……

鉄格子の扉を開けて、手を差し出す。
ルキはそれを見つめて、また窓に視線をやった。

ルキ「出ない……。」

蜜「…っえ。」

⏰:07/08/04 00:07 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


#761 [向日葵]
ルキ「まだ、ここにいる。」

蜜「でも……っ!」

ルキ「いいから。気分が治ったら、出ますわ…。」

それでも、いいよ。
ルキがこれで無事になると確信出来たから。

蜜「待ってますね……。セツナ、行きましょう。」

カツカツカツカツ……

セツナはルキを見つめる。
セツナ「お前がやった事はきっと一生許さん。」

ルキの口がグッと力を入れる。

⏰:07/08/04 00:11 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


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