黒蝶・蜜乙女
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#841 [向日葵]
いつの間にか私の隣に来たセツナが残ったクッキーを見ながら問う。

蜜「そーです。」

セツナ「ふぅん……。」

おもむろに一つ摘むと口の中に放りこんだ。

蜜「え?!食べても平気ですか……っ?」

セツナ「当たり前だろ。……フーン。口の中がボロボロする。」

だってクッキーだもん。

セツナ「どうして焼こうと思ったんだ?」

私はセツナやラフィーユ、オウマ君を見渡してニコッと笑った。

⏰:07/08/08 01:35 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#842 [向日葵]
蜜「皆にお礼をしたかったんです。今日したかったんです……。ルキも呼んで。でも、」

ラフィーユ「あちらには行けない。」

私が言いたい事を先に言うラフィーユにコクリと頷いた。

蜜「だから今日は言葉だけ。皆、この間は助けてくれてありがとうございました。」

一例をする。
皆は一瞬呆然てしていたが、直ぐに温かく笑ってくれた。

オウマ「良いってことよ!」

⏰:07/08/08 01:41 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#843 [向日葵]
そして皆で笑い合い、台所は温かい空気に包まれた……。

―――
――――……

―黒蝶族―

ルキはあの塔の中にいた。
そして脅えていた。
――――近づいてくる足音に……。

カツン…カツン……。

目をギュッと瞑った瞬間声がこだました。

ターヤ「この前はよくも裏切ってくれたねルキ。」

ルキの呼吸が不自然に上がる。

⏰:07/08/08 01:44 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#844 [向日葵]
ルキ「もう……止めましょう?どうせ負けるん、ですから……。」

ターヤ「なら勝つまでやるまでさ。」

ルキは勇気を振り絞ってターヤを一睨みする。

ルキ「私はもう何もしたくない…っ!何を言われても絶対に……!」

ターヤ「じゃあお前の母さまがどうなってもいいんだな?」

ルキは言葉を失う。
自分達の母親を殺そうって……?
そんな――っ!!

ルキ「やだ……。」

ターヤ「だよな?まぁ俺はあんな奴どうでもいいがな。蜘蛛族として俺を生んでくれたおかげで俺の人生めちゃくちゃだ……。」

⏰:07/08/08 01:52 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#845 [向日葵]
ルキは震える手で腕を掴み、なんとかして自分が持ち堪える様に踏ん張った。

ルキ「や……めて。」

ターヤ「もちろん。お前がいい子に言う事を聞いてくるたらなぁ?」

ルキは豊かな唇を噛み締めて、悔しさから出る鳴咽を噛み砕いた。

ターヤ「セツナを……殺す。が、囮として………………蜜乙女を狙う。」

⏰:07/08/08 01:55 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#846 [向日葵]
チャプター13:怪奇現象









春休みが終わり、いよいよ私も2年生。

セツナ「同じクラスだな。まぁ当然だろ。」

私は隣にいるそれはそれは美しい人をジトッと見る。

蜜「ホントに実行しちゃうんですね……。」

⏰:07/08/08 01:58 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#847 [向日葵]
――――――――

キリます

オーダーをして私しか書けない様にしてるんでご注意を

⏰:07/08/08 01:59 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#848 [向日葵]
いや違うか……。
しちゃったんだ……。

仕掛けをしりたくありません?
お教えしますよ。

いわゆる催眠術みたいなもので、セツナは鱗片を巻き散らして学校中の人を思い込ませたんです。

自分は2年であると。

詳しい仕掛けはよく知らない。私が聞いたのはそこまでだった……。

しかも……。

蜜「ラフィーユとオウマ君まで同じクラス……って……。」

⏰:07/08/08 23:27 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#849 [向日葵]
お城修理中により、ラフィーユ達も転入……。
それもまた催眠術を使って(以下略)

こんなお約束的な事があっていいのだろうか。いやよくない。

セツナ「ごちゃごちゃ言ってないでさっさとクラス行くぞ。」

私はセツナに引っ張られながらクラスへと行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガヤガヤ ガヤガヤ……

クラス替えは浮足立つ。
新しい友達が出来るかなとか、クラスは楽しいかなとか。

⏰:07/08/08 23:31 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#850 [向日葵]
私はセツナもラフィーユもオウマ君もいるから浮足立つことはとりあえずなく、ラフィーユ達の姿を探した。

オウマ「あ!蜜!セツナ!こっちこっち!」

一際鮮やかな髪の色をしたオウマ君がラフィーユと一緒にいて私達を呼んだ。

『校則違反……。いや地毛だからクリア?』

ふとそんな事がよぎる。

ラフィーユ「オウマ、静かに。」

びっくりするくらい制服が似合うラフィーユは頬杖を付いて私達が来るのを見ていた。

⏰:07/08/08 23:34 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#851 [向日葵]
クラスの視線は私達に集まる。
特にこの目立つ3人……。
もちろん私にもくる。
「なんでこんな子が混ざってるの?」みたいな女子からのチクチクした視線……。

あーハイハイすいませんねぇ。どうせ地味子ですよ。

「あ、本山?」

振り向くとそこには見慣れた人物が。

蜜「あ、小川君!久しぶりぃ。」

爽やか青年小川君。

⏰:07/08/08 23:40 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#852 [向日葵]
小川君はにこにこ笑いながら私に近づいてきた。

小川「また同じクラスだね。西堂が違うクラスなのは残念だったけど……。」

そうなのだ。清とはクラスは別々になってしまった。その事にさっきまで嘆いて中々クラスへ行こうとしなかったのだ。

蜜「清ならまた友達が出来るよ。それよりまた委員会入る?」

小川「うん。前と一緒。本山は?」

蜜「私もそのつもり。」

二人してにこにこ笑いながら和やかムードを醸し出してると……やって参りました。独占大王。

⏰:07/08/08 23:47 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#853 [向日葵]
頭をガシッと掴まれたと思うとグーッと自分の元に寄せてセツナは小川君を一睨み。

セツナ「人の女に勝手に話かけるな。」

いやアンタそれは無理な話って言うか許そうよそれくらい。

小川君はなんだかムッとした顔をするとセツナに言い返してきた。

小川「いいだろ。誰と話そうが本山の勝手じゃないか。」

二人の間に火花がバチバチー…バチバチー…と交差する。

⏰:07/08/08 23:53 📱:SO903i 🆔:c1dzgYxk


#854 [向日葵]
オウマ「花火?」

蜜「んーちょっと違う…。」

その時だった。

ギュンッ!
バリィィ……ン……
パラパラパラ……

どこからともなく植木鉢が飛んで来て、私の顔の横を勢いよく過ぎて黒板に激突……。

蜜「……はい?」

床に散らばる無惨な姿の植木鉢を振り返り固まる。

セツナ「蜜!平気か?」

クラスがざわつく。

⏰:07/08/09 00:00 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#855 [向日葵]
一つは植木鉢が急に飛んで来たから。

二つ目は…………


植木鉢なんて教室にはなかったから……。


・・・・・・・・・・・・・・・・

蜜「なんか……初日から大変な事になっちゃいましたね。」

帰り道を歩きながらさっきまでの出来事を話す。
3人共飛べるけど、久々に歩いて帰りたいと言ったら応じてくれた。

⏰:07/08/09 00:08 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#856 [向日葵]
ラフィーユ「怪奇……。」

蜜「カイキ…?」

ラフィーユ「怪奇現象。似てる。」

まっさかぁ?!ウチの学校はまだ40周年も経ってない結構新しい学校なのに!

蜜「ないないない!あり得ないよ。」

オウマ「じゃあ呪い?」

笑いながら言うオウマ君にシャレにならんと思った。例えばセツナが好きだった女の子からとか、オウマ君に一目惚れした女の子だとか……。

⏰:07/08/09 00:15 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#857 [向日葵]
わぁい私知らない内にすっごいケンカ売ってんじゃん☆
そりゃ呪われちゃうよ丑三つ時とかに!

セツナ「とにかくだ。明日からまた気を付けなきゃいけないって事だ。」

なんか近頃気を付けなきゃならないことばっかりでいい加減うんざりしてきたなぁ……。

蜜「あ。」

ラフィーユ「なんだ?」

蜜「ううん…。ちょっとね。」

学校始まったって事は……ルキもこっちに来てるかもしれない。

⏰:07/08/09 00:20 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#858 [向日葵]
怪奇現象……ねぇ……。




――――次の日――――

通常で授業が行われる。ちなみに今は3時間目。
昨日の植木鉢騒ぎはとりあえずおさまったみたい。

オウマ君はしょっぱなから机につっ伏して寝てたし、セツナはずっとつまんなそうに窓の外を見つめている。
唯一真面目に受けていたのはラフィーユだった。

特に英語は凄い。
音読を当てられた時のあの滑らかな読み方はクラス中が感嘆の声を上げた。

⏰:07/08/09 00:26 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#859 [向日葵]
当の私は可もなく不可もなく授業を受けた。
ぼんやり聞いてはノートをとりの繰り返し。

ヒュンッ

何かが私の耳元を通り過ぎる。

『虫?』

しばらく耳をすましてみてもそれらしい音は聞こえてこなかった。

『気のせいか。』

そう思うには早かった。
何故ならクラスのあちこちで聞こえてたらしい。

「ねぇ、なんかいない?」

「いるいる。虫かなぁ?」

⏰:07/08/09 00:32 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#860 [向日葵]
正体が見えない物体にクラス中がまたザワザワし始めた。

先生「おーい。静かにー。」

ラフィーユの顔を見ると目だけを動かして物体を探してるらしく色んな方向に視線を向けていた。

オウマ君は体を起こして机を見つめたままラフィーユと同じ様に物体に耳をしまして探してるらしい。

セツナは窓から視線を私に向けて私の安全確認をしていた。

するとまた

ヒュンッ

耳元を通り過ぎた。

⏰:07/08/09 00:36 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#861 [向日葵]
セツナがガタッと席を立った。

先生「おーい。席に着けー。」

先生、貴方には聞こえないかヒュンヒュン飛び回る物の音が……。

先生の言葉を無視したセツナは物体を見つけたのか捕まえ様と狙いを定めている。

セツナ「蜜!」

蜜「へ?」

ブツッ……!

ポタポタポタ……。

私のノートに赤い滴が垂れた。

⏰:07/08/09 00:42 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#862 [向日葵]
私は目の前で物体を掴んだセツナの手を見つめた。
次々と流れていくセツナの鮮血。

セツナは物体から手を離した。

――カランカラン

床に落ちたそれは……鋭い小型ナイフだった。

蜜「セツナ……っ!」

オウマ「大丈夫かよ……。」

周りは騒然としていた。
何故ナイフが?

そして何故、標的が私?

先生「き、君。とりあえず、保健室に行きなさい……。」

⏰:07/08/09 00:48 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#863 [向日葵]
先生もこれには流石に驚きを隠せないでいた。
当然だけど…。

持っていたタオルでセツナの手を止血してから腕を引っ張り、ドアへと促した。

蜜「セツナ。行きましょう。」


・・・・・・・・・・・・・・

大量出血のセツナを見てさっちゃんは目を見開いた。

さっちゃん「やっだコレどうしたの?!」

蜜「ちょっと…ね。それより早く手当てしてあげて!」

⏰:07/08/09 00:53 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#864 [向日葵]
さっちゃんはもうほぼ血色になってしまった私のタオルを取る。

真っ赤にしたセツナの掌が現れる。

私は目を見開いて青ざめた。
酷い…。大丈夫なのかな……。


さっちゃん「ちょっと血、拭くからね。」

ガーゼをピンセットで持って傷口周辺を拭く。
そして消毒液を含んだコットンを傷口に当てた。

セツナ「……っつ。」

少しだけセツナの痛そうな声が聞こえた。

⏰:07/08/09 00:58 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#865 [向日葵]
さっちゃん「あー。これなら平気。出血の割りに傷は浅いから。包帯巻いておくね。」

“浅い”と聞いたので、すこしホッと出来た。

さっちゃんは私の方を見るとニカッと笑った。

さっちゃん「だぁーいじょうぶよっ!大したことないから。」

さっちゃんに弱々しい微笑みを返してからセツナを見る。
セツナも励ます様に優しく笑っていた。

大丈夫なんだ…。良かった……。

⏰:07/08/09 01:02 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#866 [向日葵]
蜜「さっちゃんありがとう!」

さっちゃん「なぁに!こんくらいの事ぉ!またいつでも来な!」

さっちゃんは女の人の割りに大きい手で私の頭をわしゃわしゃ撫で回した。

そして私達は保健室を出た。

静かな廊下を歩きながらぼそぼそ喋る。

蜜「大丈夫…ですか?」

セツナ「あぁ。熱い感じはするがな。」

熱い?!それって大丈夫じゃないんじゃ……。

⏰:07/08/09 01:06 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#867 [向日葵]
しゅんと落ち込む私を見てセツナは傷ついてない左手で私の頭を撫でる。

セツナ「気にするな。何よりお前が無事で良かったぞ。」

頭に手を乗せられたまま顔を上げると、セツナはまた優しく微笑んでいた。

蜜「……ありがとうございます…。」

ガラガラガラ

職員室辺りで扉が開く音が聞こえたので、私達はさっと歩き始めた。

蜜「…ん?ルキ?」

紛れもないあの薄いピンクがかった髪の毛は……。

⏰:07/08/09 01:09 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#868 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/08/09 01:10 📱:SO903i 🆔:Cy.Wcito


#869 [向日葵]
蜜「ルキ!」

しなやかで小柄な姿が一瞬ピクッと震える。
何かを恐れる様な、だけど睫毛が長く大きな瞳は、私をしっかりと捕えた。

私は駆けよって行くと、予想外にルキはどこへも行かなかった。

蜜「職員室で何か用事?」

ルキ「何でも……ありませんわ。」

失礼しますと言って姿を消そうとするルキを私は止めた。

蜜「待ってルキ!」

⏰:07/08/10 19:54 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#870 [向日葵]
ルキは数歩進んで前を向いたまま立ち止まる。
どうやら話を聞いてくれるらしい。

蜜「この間のお礼がしたいの……。今日、うちにこれる?」

ルキ「……ごめんなさい。」

それだけ言うと、ルキは去って行ってしまった。

この時、ルキの“ごめんなさい”を、“うちにこれなくてごめんなさい”と解釈した私は、後に、その単語が他の意味を含む事を知る……。

――――――……

学校が終わり、家へと帰った私達。

⏰:07/08/10 19:58 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#871 [向日葵]
蜜「今日は絶対安静ですからね!」

ソファーに座り、くつろぐセツナの前に立ち、私は告げた。
その横でオウマ君は物珍しそうにセツナの包帯を見つめる。

オウマ「傷知らずのセツナが怪我するとはなぁ。」

セツナ「ほっとけ。」

とりあえず体は元気なのでホッとした。
夕飯の準備に取り掛かろうとした私は、ラフィーユに目が行った。

そのクールな美貌は何かを警戒する様な目つきをしていた。

⏰:07/08/10 20:03 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#872 [向日葵]
そして呟く。

ラフィーユ「おかしい。」



私の問いかける様な目に気が付いてラフィーユは説明する。

ラフィーユの呟きがセツナ達二人の耳にも入ったのか、肩越しに私とラフィーユを見る。

ラフィーユ「昨日今日とあった怪奇現象。両方、蜜狙い。なら何故、今はない。」

…………っ。
そういえばそれはおかしいかもしれない。

⏰:07/08/10 20:07 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#873 [向日葵]
オウマ「そりゃ学校だけについてるもんだからじゃねぇ?」

ラフィーユ「被害、全て蜜にある。なら家で起こる、おかしくない。」

三人の表情が厳しくなった。

それに学校で狙われたとしても襲ってくるものが変だ。

教室には無いハズの植木鉢。
――何故飛ンデ来タ?

一人でに動くナイフ。
――ドウシテ飛ンデル?

四人は口を閉ざした。

⏰:07/08/10 20:12 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#874 [向日葵]
その時だった。

コンコン

蜜「ぎゃぁぁぁぁ!」

突然庭へ続く窓が鳴ったものだから勢いよくラフィーユに抱きついてしまった。
なんていいタイミング……。

しかし外にいる人物で恐怖は消えた。

蜜「ルキ……?」

ルキは悲しい様な険しい様な顔をして外で待っていた。
私は中へ入れてあげようと窓を開ける。

⏰:07/08/10 20:16 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#875 [向日葵]
蜜「ルキ、来てくれたの?!」

ルキの表情は一層こわばり、その視線は一旦セツナを捕えてから私に戻される。

ルキ「セツナに…用がありますの。いいですか?」

セツナ「俺には無い。さっさと帰れ。」

ルキ「お願いです。今しか……もう無いんです。」

只ならぬ雰囲気を読み取ったのか、セツナは立ち上がると私の隣まで来た。


ルキ「こちらへ……来てください。心配しなくても何もしませんから……。」

⏰:07/08/10 20:19 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#876 [向日葵]
信じたセツナはルキと共に離れた場所に行く。
話声は聞こえるけど、内容までは聞きとれなかった。

その中でセツナが驚いていたり、怒っていたりと言うのがよく分かった。

近くにラフィーユ達に分かる?と言う風に目を向けても、分からないらしく首を横に振るだけだった。

二人が話をしている姿をしばらく見ていると、ルキが背中に光を放ち、羽を出現させたかと思うと飛んでいってしまった。

蜜「あ……。」

呼び止める間なく、ルキはあっという間に姿を消してしまった。

⏰:07/08/10 20:25 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#877 [向日葵]
セツナは少し落ち込んだ様にゆっくり帰ってきた。

蜜「ルキ……どうしたんですか?」

セツナ「……いや。オウマ、ラフィーユ。少しいいか。」

二人の顔がスッと引き締まる。
もしかしたら聞かれたくない話なのかもしれない。

蜜「私、部屋に行ってますね。」

そして私は部屋を後にした。階段を上りながら、あちらの世界で良からぬ事が起こってると認識した。

『あっちもあっちで大変なんだなぁ。』

⏰:07/08/10 20:29 📱:SO903i 🆔:3R7o9JYw


#878 [向日葵]
なんてったってセツナは長の息子。
それそれなりの責任とか、重圧とかあるんだろうな……。

なのに私に構いっ放しで大丈夫なんだろうか。

部屋についてベッドに勢いよく横になる。
ベッドのスプリングで少し体が浮いた。

明日もこんな調子だったらどうすればいいんだろ。
セツナがまた私のせいで怪我するのは嫌だなぁ……。

もんもんと嫌な事を思い出していると、階下からオウマ君の声がした。

と同時にセツナがドアを開けた。

⏰:07/08/11 00:46 📱:SO903i 🆔:RnaAmrBg


#879 [向日葵]
ガチャ

オウマ「待てよセツナ!まだ話終わって」

バタン

蜜「い、いいんです……か?」

セツナに聞いてみると、セツナの顔色がなんだか優れかった。
笑ってるけど目がどこか悲しそうで……。

セツナ「いいんだ。それより、俺は今から寝る。」

蜜「今からですか?」

セツナはボスッとベッドに横になる。
私はそれを見てならば部屋を出ようと思った。……が。

⏰:07/08/11 00:50 📱:SO903i 🆔:RnaAmrBg


#880 [向日葵]
クンッと服を引っ張られて部屋から出ていくのを許されるなかった。

セツナ「蜜。添い寝しろ。」

添い寝?
いつも勝手になったら寝てる癖に。

私がえー……って感じで見ていると、強制でベッドへ引きずりこまれた。

蜜「ちょ、制服シワになる!」

セツナ「気にするな。後でアイロンかければいいだろ。」

人事だと思ってこの人は…ったく…。
アイロンは面倒くさくて嫌いなんだよぅ!

⏰:07/08/11 00:55 📱:SO903i 🆔:RnaAmrBg


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