黒蝶・蜜乙女
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#921 [向日葵]
思わず目が点になってしまった。

蜜「つ、伝えないつもり……だったの?」

オウマ君は頭をバリバリかきながら「んー…。」とまた唸りだす。

オウマ「だって伝わってると思ってるから別に今更、みたいな……。」

今更って……。
ホントに気楽に考えてるんだなぁ…。

なんだかおかしくて、プッと吹き出してしまったら、オウマ君が少しだけ怒った。

オウマ「な、なんだよー!」

⏰:07/08/12 02:35 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#922 [向日葵]
蜜「口にしなくちゃわからないことだってあるんだよ?なのに良いの?言わないままで。」

オウマ君は「うっ」と唸るとフゥっと溜め息を吐いた。
しばしの沈黙が流れる。
そしてまた、会話が始まる。

オウマ「恐いんだよね。関係が崩れるの。」

それはとても人間らしい答えだった。
何故か問う前に、オウマ君が口を開く。

オウマ「ラフィーの喋り方について、話聞いた?」

私は二回相槌を打つ。
それを見てからオウマ君は続けた。

⏰:07/08/12 02:43 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#923 [向日葵]
オウマ「やっと喋った!って思ったらさ、逃げようとするんだもん。それはね……びっくりしたし辛くなって思わず呼び止めたよ。」

あぁあの時かぁと私は思い出していた。
ラフィーユが喋り方に抵抗して、その場を去ろうとしていた時だ。

オウマ「気持ちを伝える事で、そんな感じに避けられたら……やっぱり、悲しい……。ラフィーユの場合は、やっぱり小さい頃から知ってるし、大事だから、その分余計……な。」

語った事が少し恥ずかしかったのか、顔を少し赤くしてまたニカッと笑った。

⏰:07/08/12 02:50 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#924 [向日葵]
男の子って、意外にも女の子よりもロマンチックで、自分達が考えてるよりも自分を大切にしてくれる。

…貴方もそうだった。

意地悪も愛情の裏返し。
分かってた。
だから優しく温かく笑ってくれた時にはすごく嬉しくて、好きがもっと好きになった。

私はぼんやりと海を見つめた。
もう灯台が点き始めていて、海を照らす。

そんな私をオウマ君はワシャワシャと撫でてくれる。ちょっと乱暴かも……。

オウマ「お前は、しっかり伝えたか?」

⏰:07/08/12 03:01 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#925 [向日葵]
蜜「…ん〜。つもりだけど、伝わってるといいなぁ。」

オウマ「ならお前も俺と同じようなものじゃねーか!」

蜜「違いますよ!私はちゃんと口にしてました!」

睨み合いをしていたら、オウマ君の口の端がヘニョッと曲がる。
そしてまた笑顔になった。

オウマ「やっぱり蜜はこうでないとな!」

蜜「え?」

オウマ「近頃今みたいに怒鳴ってなかったから。」

⏰:07/08/12 03:05 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#926 [向日葵]
私はプッと笑ってしまう。

蜜「そこまでしょっちゅう怒鳴ってませんけどね。」

オウマ「どーだか!」

蜜「とりあえず!口にはするべきですよ。伝えるのも真剣にね!」

オウマ君はハイハイと適当に返事をした。

ホントに分かってるのかな……。

長くなった髪の毛が、風になびいて顔に巻き付いてくる。

蜜「あー邪魔だなぁ。もう切っちゃおっかな。」

⏰:07/08/12 03:10 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#927 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/08/12 03:10 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#928 [向日葵]
オウマ「いいじゃん。そのままで。帰ってきたら驚くぞ!」

オウマ君もラフィーユも、名前を呼ばない私に気づいていて、名前は隠してくれる様になった。

その気遣いが、また嬉しい。

蜜「そうだといいけど。」

そこへラフィーユが帰ってきたらしく、黒い夜闇のような羽が現れた。

ラフィーユ「もう風冷たい。そろそろ帰る。」

⏰:07/08/12 12:26 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#929 [向日葵]
蜜「うん。そうする。」

ラフィーユは私を軽々と抱き上げると、山を一気に抜けて上空に出る。

オウマ君は少し離れて後ろを飛んでいる。

ラフィーユの横顔を見ながらさっきのオウマ君の話を思い返していた。

そしてラフィーユに聞いてみる。

蜜「ねぇラフィーユ。」

ラフィーユ「ん?」

蜜「オウマ君にラフィーユが好きって告白されたらどうする?」

⏰:07/08/12 12:30 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#930 [向日葵]
ラフィーユはまるで告白と言う単語を初めて聞いた様な不審な目で私を見てくる。

ラフィーユ「オウマが私を?それ、一番ない。」

え?!
ない?!

蜜「だって、大切って……!」

ラフィーユ「友として、だ。それに、オウマが私、好きな訳、ない。」

……今日オウマ君に釘刺して良かった。
じゃなきゃ一生気持ち伝わらない事になってたかも。

私はその話を終える為に「そっか」と言って締めくくった。

⏰:07/08/12 12:36 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


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