「好き」と言いたい。
最新 最初 全 
#210 [あんみつ]
階段を上がっていって、奈津美の部屋のドアを開ける。
ぬいぐるみがいっぱい飾ってあって、女の子って感じの可愛らしい部屋。
(・・・何か久しぶりかも)
部屋を見渡していると、棚に飾ってある写真立てが目についた。
(あ・・・これ)
飾ってある写真は、1年の文化祭の時に撮った、奈津美と私が一緒に映っているやつ。
:07/08/17 08:41
:N901iC
:3H5O1myQ
#211 [あんみつ]
「おまたせー。オレンジジュースでいい??」
奈津美が、両手にオレンジジュースを持って入ってきた。
「うん、ありがと」
部屋の真ん中の丸テーブルに、奈津美と向かい合って座る。
私は、ジュースを1口飲んだ。
:07/08/17 08:43
:N901iC
:3H5O1myQ
#212 [あんみつ]
「何か、ねこがうち来るの久しぶりじゃない??」
奈津美も1口飲んで、言った。
「そう、私もさっき思った」
(前来たときは、写真飾ってなかったし)
私は、横目であの写真を見た。
自分と映っている写真が飾られているのは、少し照れ臭いけど、すごく嬉しい。
:07/08/17 08:44
:N901iC
:3H5O1myQ
#213 [あんみつ]
時間が経って、だいぶ暑さも落ち着いてきた。
奈津美は、自分からは話を切り出そうとしない。
私が、話し始めるのを待ってるんだ。
「・・・奈津美」
私は、ジュースを置いて口を開いた。
「うん??」
奈津美が、私の顔を見る。
:07/08/17 08:46
:N901iC
:3H5O1myQ
#214 [あんみつ]
「私、健二の事・・・」
私は、テーブルに置いた自分の手を見ながら続ける。
「・・・もうどうにもならないの。私、健二と喧嘩しちゃったし。健二は、佐古さんと付き合ってるし」
「うん・・・」
健二が佐古さんと一緒にいるのを、見た事があるのだろう。
奈津美は驚かなかった。
私はそこで、ジュースを飲んだ。
:07/08/17 08:48
:N901iC
:3H5O1myQ
#215 [あんみつ]
「・・・私・・・洋平君に告白されたの」
そして、一息ついた後に言った。
「・・・え??」
奈津美が、驚きの声を出す。
「・・・前に進みたいの。洋平君の事、好きになりたいの。だから・・・洋平君の事、もっと知りたいって、好きになりたいって。洋平君にもそう言った」
私は、自分の気持ちを言葉にするのに、必死だった。
奈津美は、何も言わない。
:07/08/17 08:49
:N901iC
:3H5O1myQ
#216 [あんみつ]
「健二の事以上に、洋平君の事、好きになれる気がするの。健二とは、・・・普通の幼なじみに戻れたらいいなって思う」
私は、言葉にできる限り、自分の気持ちを話した。
「・・・洋平君と付き合うの??」
私が話し終え、少しの沈黙の後、奈津美がやっと口を開いた。
:07/08/17 08:50
:N901iC
:3H5O1myQ
#217 [あんみつ]
「・・・前向きに考えるって、言ったから」
私の言葉に、奈津美は静かに「そっか」と言って、私の肩を叩いた。
「ねこが決めたなら・・・応援するよ!!」
そう言った奈津美の顔を見ると、笑顔だった。
だけど、どこかいつもと違う笑顔。
「ありがとう」
それを深く気に留めなかった私は、笑顔で言った。
:07/08/17 08:52
:N901iC
:3H5O1myQ
#218 [あんみつ]
――――――――
ピピーピーピー♪
地元の駅から家に帰る途中、メールが来た。
――――――――

8/1 16:28
From 田村洋平
Sub 無題
7日の夜って暇??
よかったら祭り行かない??
できれば2人で。
――――――――
:07/08/17 08:53
:N901iC
:3H5O1myQ
#219 [あんみつ]
7日の夜の祭りと言ったら、多分、高校の近くの川原である花火大会だ。
・・・去年は、健二と行った。
(・・・できれば2人で)
携帯の画面のその7文字が、私の頭に、照れたように笑う洋平君の顔を思い起こさせる。
胸が、小さくキュンと鳴った気がした。
:07/08/17 08:54
:N901iC
:3H5O1myQ
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194