「好き」と言いたい。
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#61 [あんみつ]
確かに、お母さんの言う事は正しい。
まだ、話さなくなって丸1日も経ってないけど、ただ1日話してないのとは訳が違う。
このままだと、「幼なじみ」って関係まで失ってしまいそうな気がする。
(・・・しっかりしなきゃ)
「・・・うん」
私はお母さんの背中に頭を下げて、家を出た。
:07/07/18 22:05
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#62 [あんみつ]
――――――――
健二の家まで徒歩10秒。
時間をかけて歩く私の努力も虚しく、1分もかからない内に着いてしまった。
(いつも通り、いつも通り・・・)
何度も心の中で繰り返す。
私は大きく深呼吸した。
(・・・よしっ!!)
チャイムを鳴らそうと手を伸ばす。
・・・ガチャ!!
「あ、ねこ」
突然、健二が玄関から出て来た。
私の指は、まだインターホンに触れていない。
「わ!?・・・えっ何で!?」
びっくりして、漬物のタッパーを落としそうになった。
:07/07/20 20:52
:N901iC
:so0Q/TJ6
#63 [あんみつ]
「今、ねこん家に赤飯届けに行こうと思って・・・。ねこは??」
健二は、手に持った入れ物を私に見せる。
「私も・・・漬物持って来たんだけど」
私もタッパーを健二に見せた。
「「・・・」」
少しの間、沈黙が流れる。
「・・・ははっ!!マジかよ、すげータイミング!!」
先に沈黙を破ったのは、健二の笑い声だった。
片手でお腹を押さえて笑っている。
「・・・ふっ・・・きゃはは!!」
私も耐え切れなくなって笑った。
しばらくの間、2人してバカみたいに笑い続けた。
:07/07/20 20:54
:N901iC
:so0Q/TJ6
#64 [あんみつ]
ここまで心の底から笑ったのは、久しぶりな気がする。
何かよく分かんないけど、とにかく楽しくて。
それに、健二が笑ってくれたのが嬉しくて。
私が、普通に笑えたのが嬉しくて。
私、こんなに笑える。
ちゃんと笑える。
・・・大丈夫。
私、ただの「幼なじみ」に戻れるよ。
:07/07/20 20:56
:N901iC
:so0Q/TJ6
#65 [あんみつ]
「ははっ・・・はぁーめっちゃ笑った、笑った!!てか、絶対近所迷惑だよな」
「ははっ!!だねー。何か笑い過ぎて暑いし!!」
言いながら私達は、漬物と赤飯を交換した。
出来たてなのか、入れ物の底がほんのり温かい。
「ふはっ!!お前たこ!!」
健二が私を見て言った。
「はい??何、たこって」
「あれだよ。赤くて、足が8本・・・いや、10本のやつ」
「それは分かってるー」
「だって、お前顔真っ赤」
「だからー笑いすぎて、暑いの!!」
私が言うと、健二は「ちょっと待ってて」と言って家に入って行った。
:07/07/20 20:59
:N901iC
:so0Q/TJ6
#66 [あんみつ]
再び出て来た健二は、手にパピコを持っていた。
「これやるよ、たこ」
そう言って、片方を私の頬に押しあてる。
熱い頬に、冷たいパピコがすごく気持ち良い。
「・・・あっありが」
ピーピピピーピー♪
私が言い終わらない内に、健二の携帯が鳴った。
「あっ、ちょっと悪い」
健二は私に背を向けて、ポケットから取り出した携帯を見ると、止まった。
「どしたの??」
「いや・・・別に」
そう言うと、健二は私から少し離れて電話に出た。
:07/07/20 21:01
:N901iC
:so0Q/TJ6
#67 [あんみつ]
「もしもし??・・・あのさ、俺は前言った通りだから。・・・切るぞ」
健二はすぐに電話を切った。
「悪い。あーおい、さっさと食べんと溶けてるぞ」
「あ、うん」
私は慌ててパピコを食べた。
(何か・・・さっきの感じって・・・)
「・・・佐古さん??」
私は思わず口に出してしまっていた。
「え??」
私の言葉に、健二はびっくりしたみたいだ。
「あー・・・うん」
:07/07/20 21:04
:N901iC
:so0Q/TJ6
#68 [あんみつ]
(・・・やっぱり)
「・・・断ったんじゃなかったの??」
「断ったよ。けど何か・・・諦めませんって言われた」
『諦めません』
あの子の言いそうな事だ。
活発そうだし。
けど、健二はどんな気持ちでそれを聞いて、何を考えたんだろう。
「・・・そうなんだ」
そう言った自分の声が、何だか暗い気がして焦った。(明るくしなきゃ・・・)
「一途だねー!!可愛いじゃん。・・・あっ、そろそろ帰るね。ばいばい!!」
:07/07/20 21:06
:N901iC
:so0Q/TJ6
#69 [あんみつ]
明るい調子で言えたと思う。
ただ、顔に出てるんじゃないかと心配で、私は急いで健二に背を向けた。
「おう、じゃあな」
後ろから聞こえた健二の声は、いたって普通だった。
:07/07/20 21:08
:N901iC
:so0Q/TJ6
#70 [あんみつ]
健二は、昨日の私の事には、1度も触れなかった。
蒸し返されたい訳じゃないけど、あの子の方が、私より健二の関心を引いてるのかと思うと、淋しかった。
私の前でのいつも通りの健二。
あの子に告白された時、諦めないって言われた時、健二、いつも通りだった??
あの子が、私の知らない健二を知ってるみたいで、何だか悔しかった。
:07/07/20 21:10
:N901iC
:so0Q/TJ6
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