darkness;FROM OZ
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#36 [OZ]
僕はどうしてこんなに不安で怯えているのだろう?
確かに理央のことは気に入っていたし、たぶん理央と最後に接触したのは僕だろう。
だけど、
普段ならそんなこと気にしないんじゃないか?
どうしたのだろうか?程度にしか考えない。
不審には思うかもしれないが、ここまで過敏に気にしないはずだ。
何か……。
何か得体の知れぬものが、潜んでいる。
そうに違いない。
:07/07/22 07:29
:N700i
:☆☆☆
#37 [OZ]
家に帰ると、理央の置き手紙を読み返した。
やはり何か変だ。
わかりかけてきているのに……答えが出てこない。
僕が机に頬杖をついていると、妙な匂いがすることに気付いた。
「気宇」
ややしばらくして、慌てたような気宇の声が返ってきた。
「……何?由宇……」
:07/07/22 07:33
:N700i
:☆☆☆
#38 [OZ]
「変な匂いがする……。
気宇、お前押し入れの中で何かしてないだろうな?」
匂いはなんとも形容しがたかった。
わずかではあるのだが、何かが腐ったような……。
僕は気宇が押し入れの中で排泄してしまったのではないかと考えた。
気宇は弱々しく答えた。
「……してない」
僕は苦笑いをして、再び手紙と睨めっこを始める。
:07/07/22 07:37
:N700i
:☆☆☆
#39 [OZ]
いくら気宇が馬鹿だからといって、さすがにそんなことはしないか。
次の日は休日で、僕は一日中部屋に居た。
妙な匂いは強くなってきている気がする。
飽き飽きしながらも、理央の手紙を眺め続けた。
あと少しで何かが掴めそうなのに。
手紙には、独特な形をした文字たちが並んでいる。
:07/07/22 07:42
:N700i
:☆☆☆
#40 [OZ]
理央の字は大きくてまるっこい。
それなのにどこか尖っていて……。
お世辞にもうまいとは言えないし、殊更理央は何かを書くのが嫌いで、いつも乱暴で噛み付かれそうな字になっている。
僕はそんな理央をよく笑っていたものだった。
「……ん?」
あれ……?
そうだ。
理央は何かを書くのが
嫌いだったんだ……。
唐突に違和感の理由が結び付いていく。
:07/07/22 09:48
:N700i
:☆☆☆
#41 [OZ]
授業中もノートを取らないことが多かった。
それなのに理央は、わざわざ置き手紙を書いた。
理央はそんなことをするような子ではなかったはずじゃないか?
手紙など書くような子ではない。
なのに……
僕の手には理央からの手紙がある。
それに手紙の最後に「理央」と書かれているが、理央は「りお」と平仮名で名前を書くことが主だったんじゃなかったか?
:07/07/22 09:55
:N700i
:☆☆☆
#42 [OZ]
……その通りだ。
僕の手から手紙がスルリと落ちた。
これは理央からの手紙……ではない……?
わからない。
もし理央からじゃなかったとしたら、一体誰が?
あの時……
僕は一人でコンビニに行った。
両親はいなかったから、家には理央だけだった。
:07/07/22 10:00
:N700i
:☆☆☆
#43 [OZ]
ということは、家に誰か侵入し、理央をさらっていった?
手紙は理央の筆跡を真似たものか?
いいや、そんなことは考えにくい。
理央が書かされたということもあるが……、
誰かに脅されていたとしたら、もっと汚い字になるのではないだろうか。
……まてよ。
僕は押し入れを凝視した。
:07/07/22 10:05
:N700i
:☆☆☆
#44 [OZ]
この家に居たのは理央だけではない。
気宇だってこの家に居たじゃないか。
「気宇!」
僕は興奮気味に気宇に呼び掛けた。
「……なぁに?
由宇の楽しそうな声、久しぶりに聞いた!」
気宇の嬉しそうな声が押し入れの中に響く。
「気宇!押し入れをちょっと開けていいぞ!
だから真剣に僕の質問に答えて。いいね?」
:07/07/22 10:09
:N700i
:☆☆☆
#45 [OZ]
僕がそう言うと、押し入れが顔の大きさほど開いた。
ひょっこりと、笑顔を浮かべた失敗作のもう一人の僕が顔をのぞかせる。
「真剣に、真剣に」
気宇は歌うように繰り返した。
「なぁ、4日前に何か変なことはなかったか?」
気宇がもしかしたら変な声や音を聞いていたかもしれない。
しかし、気宇は眉間にしわをよせ、首を傾げた。
:07/07/22 10:33
:N700i
:☆☆☆
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