darkness;FROM OZ
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#46 [OZ]
「4日前?」
気宇には曜日の感覚というものがあまりなかった。
「……いいや、なんでもない」
僕はうなだれた。
せっかく、何かつかめるかと思ったのに。
期待した僕が馬鹿だった。
どうせ理央はリビングに居たんだ。
だから、理央がこの家に来ていること自体、気宇は知らないかもしれない。
:07/07/22 10:38
:N700i
:☆☆☆
#47 [OZ]
「気宇、
とっとと顔を引っ込めろ」
僕は押し入れに背を向け、落ちていた理央の手紙を拾い上げた。
やっぱりこの手紙は理央が書いたんだ。
そして、理央は明日にでも帰ってくる。
一人旅がしたかったと言いながら。
そう願うしかない。
「……待ってよ、由宇」
僕は苛立ち、気宇を怒鳴り付けようと振り返った。
「うるさ……」
:07/07/22 10:43
:N700i
:☆☆☆
#48 [OZ]
僕は騒然とした。
押し入れから顔を出す気宇の顔は、いつもの気宇のものではなかった。
悪戯に歪んだ口元、爛々と輝く瞳を細め、僕を嘲笑っているかのようだ。
「……気宇?」
「4日前だっけ?
僕、ちゃんと覚えているよ……」
「え?」
のどがカラカラに渇き、胃が痛む。
コイツは誰なんだ?
:07/07/22 10:49
:N700i
:☆☆☆
#49 [OZ]
「綺麗な子……。
暗闇みたいな髪に、雪みたいな肌。
それに血みたいな唇。
理央さん……」
気宇のぞっとするような美しい笑顔。
僕は動くどころか、呼吸するのもままならないような状態だった。
「まさか……」
気宇は軽やかな動きで押し入れから出てきた。
僕の目の前に立つ。
そして、手紙を指差した。
:07/07/22 11:03
:N700i
:☆☆☆
#50 [OZ]
「それ、僕が書いたんだ」
なんだって……?
自分の耳が信じられなかった。
気宇が?
「だって……これは理央の……字だ」
気宇はほほ笑みながらうなずいた。
「あのね、初めて理央さんが家に来たとき、
鞄をこの部屋に置いていったでしょ?」
僕は小さく「あっ」とうめいた。
はやく理央を部屋から追い出したくて、鞄を置きっぱなしにしてしまった。
:07/07/22 11:08
:N700i
:☆☆☆
#51 [OZ]
「鞄の中からテストを見つけたんだ!
それを真似した」
テスト……。
ああ、そうか。
だから「理央」と漢字でかかれていたのか。
テストはちゃんと名前を書かなければいけないから。
手に変な汗をかいてきた。
「……僕ね、
寂しかったんだ。
それでね、もし一緒に隠れてくれる子が居てくれたらって」
「隠れる……?
じゃあ、理央は……」
:07/07/22 11:13
:N700i
:☆☆☆
#52 [OZ]
「押し入れに居るよ」
僕は気宇を押し退けると、押し入れを覗き込んだ。
薄闇の中、理央は壁に背をつけ座っていた。
顔はボコボコに膨れ上がり、赤黒く固まった血がたくさんこびり付いている。
目の位置が変わっていた。
口にはご飯のようなものが詰め込まれている。
「どうして……」
僕は泣いていた。
お気に入りだった理央は、僕の分身に台無しにされてしまったのだ。
:07/07/22 11:18
:N700i
:☆☆☆
#53 [OZ]
「煩かったんだよ。
あのままじゃ、
お母さんたちに見つかっちゃうでしょう?」
気宇は淡々と言った。
馬鹿だと思っていた気宇は、まんまと僕を出し抜いて理央を奪った。
丁寧にあんな手紙まで書いて……。
僕はそっと理央に触れた。
肌が以上にやわらかい。
異臭は理央のものだったのか。
「理央さんは綺麗だから好きだった。
僕のそばに置いておきたかったんだ。
けどね、由宇……」
:07/07/22 11:23
:N700i
:☆☆☆
#54 [悠紀]
感想板は作らないんですか???
:07/07/22 11:27
:P901i
:☆☆☆
#55 [OZ]
僕は押し入れから出て、気宇を見上げた。
気宇の手には、どこからもってきたのか、金槌が握られていた。
「僕が一番好きなのは由宇なんだよ。
由宇が一番綺麗だし、頭がいいんだ。
僕には由宇だけいればいい。
いつも一緒にいよう?
押し入れからこっそり由宇を眺めるだけなんて嫌だよ……。
一緒に隠れよう?」
気宇は僕の手を握った。
冷たい手。
僕は無言のまま、振り下ろされてくる金槌を眺めた。
:07/07/22 11:29
:N700i
:☆☆☆
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