―温―
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#166 [向日葵]
今度は足が痛くなった。
カクンと崩れてしまいそうになる時、誰かの腕が私を支えた。

水をまたしても無くしたじょうろが、音を立てて地面に落ちる。

香月「あっぶー…。大丈夫か?」

*****************

紅葉「いたっ!」

その声を聞いて振り向いた時に、静流が手を出すのは遅かった。

何故なら香月が早く反応し、気づけば紅葉の体を支えていたからだ。

⏰:07/08/31 01:46 📱:SO903i 🆔:4Pp19vdY


#167 [向日葵]
香月「あっぶー…。大丈夫か?」

そのまま香月は紅葉の傷の痛みが引くまで体を支えていた。

一方の静流は、出しかけた行き場の無い手をなかった事にするようにぎこちなく戻した。

静流「……ったく。病人のくせにそんな事すんじゃねぇよ。」

紅葉の体がピクリと動く。
あ、ヤバイ……。これは……。

紅葉「なんですって……?」

⏰:07/08/31 01:50 📱:SO903i 🆔:4Pp19vdY


#168 [向日葵]
怒った合図だ。

ゴングが良い音を立てて鳴り響いた気がした。

紅葉「少しでもと思ってお手伝いしてるのに何でそんな事言われなくちゃなんないのよっ!」

静流「それでこんな事なってたら意味ないじゃん。無駄だろ。」

紅葉「……っ!静流なんか……キライ!!」

ガコッ!

じょうろを力一杯投げられた静流は不意打ちだったがなんとかすんでの所で止める事が出来た。

⏰:07/08/31 01:53 📱:SO903i 🆔:4Pp19vdY


#169 [向日葵]
******************

バタン!

力任せにドアを閉めて私は家に入った。

足をダンダン鳴らして階段を上ってやりたいけどまた痛みが走るのが嫌で、歯を食いしばって上った。

直ぐ様カーテンをしてベランダへ出た。
少し、泣きたくなった。

静流[無駄だろ。]

何で、あんな事言われなくちゃいけない訳?
私が何をしたって言うのよ……っ!

彼女はあれだけ大切にしてるくせに、私はこんな粗末にされて……。

⏰:07/08/31 01:59 📱:SO903i 🆔:4Pp19vdY


#170 [向日葵]
…………。
…………あれ?
何で今彼女が出てきた?

あぁもぅどーでもいぃっ!!
静流なんか、大大大大大っキライ!!!!

香月「あーぁ。静流が紅葉ちゃん泣かした。」

バッと振り返った。いつの間にカーテンやらを開けたんだろう。
ってか今泣かしたって言ったよね?

紅葉「別に泣いてないし!」

すると香月さんはベランダへ出て来て前みたいに私の隣に来ると、並んで座った。

⏰:07/08/31 02:04 📱:SO903i 🆔:4Pp19vdY


#171 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/08/31 02:04 📱:SO903i 🆔:4Pp19vdY


#172 [向日葵]
香月さんは自然に右手を伸ばすと、私の左目の下辺りを撫でた。

そして私目の前に人差し指を持ってきてニヤリと笑う。

香月「泣いてない?ならこの水って何かなぁ?」

慌てて目を擦ると水分があった。

不覚……っ。知らないに等しい人に涙なんて見られた。

香月さんはクスクス笑いながら指についた水分を指を擦り合わせてとる。
そしてその後は黙って私の隣に座ってるだけだった。

⏰:07/09/01 01:12 📱:SO903i 🆔:89ZHPoiE


#173 [向日葵]
紅葉「静流達は?」

香月「ジュース買いに行った。」

ふぅん。と答えてあとは黙った。

すると香月さんは私を見てニヤニヤ笑ってくる。
何だと思い、睨む。

香月「静流に言われた事、ショックだったの?」

紅葉「……。腹が立っただけ。最近の静流はトゲトゲしいの。でも彼女に優しいのは相変わらずみたいね。」

……。あれ。
私また彼女って言った。

⏰:07/09/01 01:15 📱:SO903i 🆔:89ZHPoiE


#174 [向日葵]
指先で口元を押さえながら頭には複数のはてなを浮かべる。

私が何が何だか分からなくなっていると、隣から「へー」と声が聞こえた。

香月さんを見ると意地悪そうに笑っていた。

香月「なぁんだ。紅葉ちゃんも嫉妬してるんだ。」

紅葉「はぁ?嫉妬?何で私が嫉妬なん―――……。」

え?今何て?
も?私だけじゃなく、誰かが私に対して嫉妬してるって事?

一瞬頭に浮かんだ相手はあり得なくてすぐ取り消した。あぁ。もしかして彼女の事?

⏰:07/09/01 01:20 📱:SO903i 🆔:89ZHPoiE


#175 [向日葵]
紅葉「彼女のは不可抗力よ。あれは静流が悪い。」

淡々と喋ると、香月さんが目を丸めた。
まるで私が何か間違った事を行ってるみたいに。

香月「何言ってんの?嫉妬してるのは―――…。」

静流「ただいまー。」

犯人が誰か聞く前に静流で邪魔された。
静流の足音が二階へ来る。
すると香月さんが私の肩をちょいちょいと指で叩いてから自分の肩をポンポンと叩いた。

そして小声で告げる。

⏰:07/09/01 01:25 📱:SO903i 🆔:89ZHPoiE


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