―温―
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#182 [向日葵]
静流「じゃあ出て行って好きなように暮らせよ。」
紅葉「……え。」
静流が背中を向けてドアを開ける。
静流「元々そうしたいって言ってたしな。いいじゃん。短い間だったけど楽しかった。じゃあな。」
パタ…………ン……
*****************
リビングで談笑をしていながらも、静流は自分の言った事を頭の中でまた繰り返していた。
俺何言ってんだよ。
:07/09/01 01:52
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#183 [向日葵]
香月はダチだし別に親しくしたっていいじゃんか!
でも俺以外の奴になつくのがなんだか気に入らなくって、こう……飼い犬が他人にめちゃじゃれてるみたいな感覚で……。
双葉「静流……?どうかした?」
色々考えてたらいつの間にか黙ってしまった静流に双葉が呼び掛けた。
静流「あ、いや。何でも。そうだ!見せたいもんがあるんだ。部屋取りに言ってくるわ!」
と言いながら紅葉が気になって静流は部屋へ向かった。
:07/09/01 01:56
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#184 [向日葵]
部屋前で立ち止まって深呼吸した。
紅葉に謝ろう。
それでまた仲直りしたらいつも通りに戻れる。
カチャ
静流「紅葉!さっきは……。」
静流はドア付近で足を止めた。
静まりかえる部屋。
いる筈の姿が、どこにもない……。
そう。紅葉が消えてしまったのだ。
静流はパニックになりそうな自分を抑えて机の下、ベッドの下、クローゼット。全てを探した。
:07/09/01 02:00
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#185 [向日葵]
静流[出ていって好きな様に暮らせよ。]
――――ドクン
まさか……ホントに……?
香月「なぁ静流ー。雨降ってったから俺帰るわぁ。」
と来た香月の肩を勢いよく掴んで静流は言った。
静流「紅葉が……いなくなった。」
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あ。雨降ってった。
まぁいいわ。服が洗濯されるし。
:07/09/01 02:04
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#186 [向日葵]
私は当てもなく歩いていた。
急な雨だから傘を持ってない人が沢山いたおかげで私は白い目からは免れた。
静流[出て行って好きなように暮らせよ。]
何よ……。
紅葉「自分から言ったんじゃない。住めって……。なのに出て行けって……。」
自己中にも程がある!
しかも八つ当たりみたいに言い捨てて!
ってか……ここどこ?
意外にも雨は激しくて、一寸先は闇じゃないけど雨でほぼ見えなかった。
:07/09/01 02:08
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#187 [向日葵]
ザー……
ザー……
あぁ……あの日が思い出される。
ザー……
ザー……
今みたいに凄い雨で……。やっと天国に行けると嬉しくなった。
世の中は汚い。
世の中は冷たい。
唯一愛していた肉親にさえ、私は愛されなかった。
痛くて何度も泣いた。
つらくて何度も願った。
:07/09/01 02:11
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#188 [向日葵]
温かさを下さいと……
:07/09/01 02:12
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#189 [向日葵]
そんな時、くれたのが静流だった。
優しくて、嬉しくて……私は身を委ねてた。
だから忘れてた。
一線引き忘れていた事。
誓ってた筈なのに、馬鹿だわ私って……。
私はまた、一人ぼっち。
今度こそもう誰も助けてはくれないんだろうな……。
私はどこで命を断つべき?
どうやって命を断つべき?
誰も教えてくれない……。
:07/09/01 02:15
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#190 [向日葵]
静流[生きる努力をしようよ。]
パシャ……
どこまで来ただろう。
私は道端で立ち止まった。
外は灰色の雲に覆われた暗い夜となった。
何も聞こえない。
雨の音と、自分の息遣い以外。
……何も……。
知ってる。分かってる。
自分の息が震えていること。
泣いていること。
:07/09/01 02:19
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#191 [向日葵]
紅葉「……っ。ふぇ……っ。」
もうやだ……。
何で……っ。
ウウン。違う。私は神様に祈った事があった。
誰かの代わりに、私が不幸を背負うと。
なら今誰かが幸せになってるのかな?
でも幸せになってる誰かさん。ごめんなさい。
私やっぱり幸せになりたい。
温かさで包まれたい。
いつしか願ってた。あの家にずっといれたらって。
:07/09/01 02:22
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